侑ちゃんと付き合ってたら、スクールアイドル同好会の人達から命を狙われるようになった。 作:5eek
「こうすけ、起きて。もう朝だよ」
優しい声音で起こそうとしてくる声を聞きながら目を覚ます。
この声の主は
目を覚ましたからには、直ぐに起き上がり、顔を洗いに洗面台へと歩く。口をゆすぎ、冷たい水を顔につけると段々と目が冴えてくる。
そして、リビングで朝ごはんを用意してくれてるであろう侑に挨拶をする。
「侑、おはよう。今日もありがとうな」
「気にしないでいいよ、こうすけ。私がしたくてやってる事だから」
何だこの良妻感。結婚してくれ。
「うん、4年後にね」
「当たり前のように思考を読まないでくれ」
なんてツッコミながらも嬉しさが込み上げてくる。
俺の彼女はとても可愛い。可愛いしいい子すぎて、俺には勿体ないと思ってしまう。
学校の荷物をもち、家の外へと向かう。
そして、侑と2人で家をでて、登校し始めた。
言っておくと、侑と付き合うことになったきっかけは、大したものでは無い。ただ単に、侑に告白されて、それを俺が了承しただけである。何故、告白したのか聞いてみたところ、「こうすけのことを彼女として幸せにしてあげたいって思ったから」との事だ。
なんだその理由、可愛すぎか?
そんなとてもイケメンな可愛らしい俺の彼女だが、1つだけ俺に不幸にしていることがある。
それが……………
「おはよー!!侑ちゃん!!」
後ろから足音と共に声が聞こえる。走って来ているのだろう。
そして、俺と侑の間に入り込み侑の腕を抱き掴む。
「おはよう、歩夢」
こいつ、俺のもう1人の幼馴染である
この上原歩夢は侑狂いだ。
「おはよう、上原。今日も朝から元気だな」
もう少し落ち着いて行動しろと言外に匂わせるように言ったつもりだ。
つもりだったのだが……
こちらを向いてる眼の光が全くない。
まるで、なんだこいつと言わんばかりの目ヂカラである。
「
この始末。これも侑には普通に聞こえるようにしているからもう脱帽ものである。
これが毎日続いているのだが、この程度ならば、「まぁ、まだ許せるよな」レベルである。いや、幼馴染にそんな態度とられるのも普通に悲しいんだけどな?
「危ない!」
自転車が後ろから来ていた。
咄嗟に侑を自身の身体に抱き寄せ、侑の顔色を伺う。
「あ、ありがとう……」
顔を真っ赤にしながら感謝の言を伝えてくる。
はー、羨ましいだろ。これが俺の彼女なんだぜ?
ハッ!?殺気を感じる!?
いや、誰の殺気なのかもう察しが着いた。
隣にいる侑狂い、上原歩夢だ。身体をプルプルと震わせ、顔を俯かせている。嫉妬の力を今全力で溜めているのだろう。
今日でお前を殺す、とでも言わんばかりの全力のパンチを俺の背中に叩き込もうとする。
ピンチだ、侑は俺の胸の中。振り向いたら侑が変わりに食らってしまう。いや、俺が食らってしまっても侑に衝動が行く。
どうすれば………
ピキーン
ニュータイプ並の直感力を頼りに自身の身体を右へとスライドさせそのまま侑を回転させながら引き寄せる。気分はダンスを踊る感じだ。
空振った右腕から『ブォン』という音が!?
そして、また右腕を俺目掛けて振りかぶる。
(いや、もうお前の右腕仕舞えよ!)
なんて悪態をつきたいが、まだまだピンチなことには変わらない。
「歩夢?どうしたの?なんか凄い音したけど」
女神の声が聞こえる。侑は見えていないのだが、空振った右腕の音で異変に気づいたのだろう。
侑が上原に話しかけると、気付かれると思ってなかったのか身体を『ビクッ』と震わせ、右腕を渋々下ろす。
そして、俺に「何れは殺す」と言わんばかりの目ヂカラで睨みつける。
「ううん!なんでもないよ侑ちゃん!」
「そっか、歩夢に何かあったら私悲しいから何も無くて良かったよ」
その言葉を聞いて上原の目が潤み始めた。
『鬼の目にも涙』ならぬ『上原の目にも涙』である。
そんなくだらないことを考えてたら、上原がドヤった顔を俺だけに見せてくる。いや、そんな顔されても侑と付き合ってるの俺だし。
ハッ!?殺気が!?
俺の心を読んだのかドヤ顔から女の子がしてはいけないような顔になってしまった。
なんでお前ら幼馴染は俺の心を読めるんだよ……
- - - -
俺と侑+αは学校が違う。そのため、2人とは途中まで一緒に登校し、途中から分かれる。
俺の彼女+αは虹ヶ咲学園という女子校に通っている。
だから、俺の可愛い可愛い彼女に男の心配は全くしていない。
していないのだが……
侑は超がつくほどの女たらしだ。それも無自覚に。
その毒牙が+αである上原歩夢にもかかり、今やあんな侑狂いになってしまった。
あんな侑狂いを量産されたら俺の命が何個あっても足らん。
現に、上原歩夢以外にももう1人殺しにやってくるやつがいるのだ。
それが……
「この可愛い可愛いスクールアイドルであるかすみんが、貴方の息の根を止めに来てあげましたよ」
ハートかきゃるんという音がついてそうな声音でそう物騒なことを言い放つ、自称可愛いスクールアイドル、
「はぁ…またお前か、中須。なんで俺の命を狙うんだ?」
「なんで?決まってます!私の侑先輩を奪ったからです!」
ぷるぷると身体を震わせながら、怒鳴ってくる中須かすみ。
また、これだよ。これも全部上原歩夢とかいうやつのせいだ。
おのれ!許さんぞ、ディケイド!違った、上原歩夢!
侑が学校でスクールアイドル同好会を作り直したらしい。
その時に、中須も助けて貰ったらしく侑にベタ惚れしてしまった。
そして、上原歩夢に侑に俺という彼女……じゃない彼氏がいると聞き、抹殺しに来たということらしい。
なんだあの女を惚れさせる天才は……
まてよ?つまり、侑は女を惚れさせる天才で侑は俺を惚れさせた。
ま、まさか!?俺がこんなに侑を好きなのは、俺が女の子だからでは!?
………いや、俺にパイ乙もなければ、下半身に雄の象徴ついてたわ。
いっけねー、もう少しで開いてはいけない扉を開くとこだった。
「奪ったというより、お前が俺の彼女に惚れたんだろ?」
「はぁ!?誰が貴方の彼女なんですか!?侑先輩を催眠術で操って彼女だと思い込ませてるだけの癖に!」
おいおい、穏やかじゃねーな。催眠術で彼女だと思い込ませてるだと?そんなことができてたら、侑に惚れた日にとっくにやってるわ!
そして、侑の大きな2つの果実をもっと大きくさせてるよ!
なんて、言えない……
言ったら最後、侑にも口を聞いて貰えなくなるかもしれん。
そうなったら、俺は死ぬしかない……
「誰が、催眠術使ってるだ。使えるわけないだろ、いい加減にしろ」
その言葉に中須がとても驚いた顔をした。
いや、何処に驚く要素があるんだよ。あれか?俺に催眠術無しで彼女が出来るわけないとでも思ってんのか、失礼だな中須!
「俺は行くぞ、もう遅れそうだからな。お前も遅刻しないように急げよ」
「はい!ではまた!……じゃないです!なに、そのまま行こうとしてるんですか!?」
えー?もういいだろ?もういい加減疲れたぞ、はよ学校行けよ。
「遅刻しても構わないなら、聞いてもいいが……いいのか?侑に会わなくて。もう侑は学校にいるぞ?」
その言葉を聞いて自身の学校へと駆け出して行った。
やっと落ち着いた。……よし、学校に行こう。
これが俺の毎朝の日常だ。侑、助けてくれ。