ヒロアカみたいな世界に生まれたキーブレード使いはどうすればいいですか? 作:露人
そんな中何かを血眼になって探す飯田を見てマニュアルは彼に前々から思っていた疑惑を投げかける。
「……ねえ天哉君、聞きにくいんだけどさ。…君ヒーロー殺し追ってるんだろ?」
「!?」
「え、マジ!?」
「いや、憶測だけど……そうじゃなきゃウチに来る理由が他に思い当たらなくてね」
「……」
「や、別に来てくれた事は嬉しいんだぜ!?……ただ、私怨で動くはやめた方がいいよ」
一呼吸置いてからマニュアルは飯田に諭すように話を続ける。
「俺たちに逮捕や刑罰を行使する権限はない。ヒーロー活動が私刑になっちゃいけない。
もしそう捉えられればそれはとても重い罪になる」
そう話す彼の顔はいつものにこやかな笑顔ではなく、ヴィランを前にしたときのような真剣な表情だった。さすがの空海も空気を読んで押し黙っている。
重苦しい雰囲気、それに気がついて慌ててマニュアルは笑顔を作りながら
「あ、いや、ヒーロー殺しに罪がないとかじゃなくてね!天哉君は真面目そうだからさ、
視野がこう、ガーッとなっちゃってそうで!案じたっていうか…その…」
「ご忠告感謝します」
そう答える飯田は拳を強く握りしめる。その拳には一体何が握られているのだろうか。
再び沈黙が彼らの間に流れそうになった時、空海は場を和ませるように
「え、先輩!?
見えるってことですか!?」
「え、まっ、まあ」
「ええーー!?俺超ショック!!」
天を仰ぐように大げさにリアクションを取った。マニュアルは軽く笑い、
飯田も少し口角が上がり、握りしめた拳が開いた。空海の行動は一応正解だったらしい。
気を取り直してパトロールを再開しようとした時
ドガァーーン!!!!
駅の方から大きな爆発音が聞こえてきた。昨日のひったくりとは訳が違う、
鬼気迫るヒーローからの応援要請を受け、マニュアルは二人に指示を出す。
「マジかよ、このご時世に馬鹿だな……天哉くん、リクくん!現場行く!走るよ!」
「はい!」
「イエッサー!!(とうとうこの時が来たか……)」
現場に向かって走り出す三人。近づくに連れて悲鳴は大きくなっていく。
嫌な空気があたりを包み込んでいく中、不意に飯田は何かを見つけその場で立ち止まった。
見つけたぞ……ヒーロー殺し…!…!!
そしてひとりなにか小さな声で呟いた後に狭い路地裏に入っていってしまった。
だがそれに気が付かず、二人は駅前に向かって歩みを進めるのだった。
しばらく走って、二人は応援要請があった駅前に到着した。
だがそこは脳みそむき出しの化け物があたりを荒らし回り、文字通りの地獄と化していた。
「うわ!?これ……マジか……?」
「こんな事……ありえない……」
ここで二人は飯田がいない事に気がついた。急いであたりを見渡す二人。
だが、周りには怪物とそれに立ち向かうヒーローと逃げ惑う人々しかいなかった。街の混乱、
そして飯田がついて来ていない。それから考えられることは一つだった。
「まさかあいつ……ヒーロー殺しを見つけたのか!?」
「え!?ということは……サーセン先輩!僕も…」
『飯田を助けに行く』その大義名分を手に入れ、ここぞとばかりに抜け出そうとする空海。
だが、それはマニュアルの言葉で止められる。
「だめだ!行ったとしても天哉君の場所がわからないだろ!」
「ウッ…」
マニュアルからの指摘で言葉が詰まる空海。どうやら彼はその名の通り非常時のマニュアルを頭に叩き込んでいるらしい。さてどうするか。何かいい案はないものか考えていると、
不意に線路の方から何かがすごい勢いで空から落ちてきた。
ズドォーーン!!!
「え!?」
突然の地響きと轟音に驚く二人に砂埃が吹き荒れる。咳き込みながらその方を見ると現れたのは
初老のヒーローと倒れた脳みそむき出しの怪物だった。
唖然とする二人に初老のヒーローがため息を付きながら怪物から離れ、小さく呟く。
「ふぃー……やっぱり年じゃな。この程度で息が少し上がってしまったわい……」
「え?あ、あなたは!?」
「オイそこの若造。ヒーローじゃろ?ちょっと手ぇ貸せや」
そう言って近くのヒーロー、つまりマニュアルと空海に話しかける。その言葉で我に返り、
出番とばかりに空海は前に出るが、そんな空海達を無視して脳無は逃げ惑う人々に標的を変えた。
グギャァアアーー!!
「うわ!?ちょ…わああ!!?」
「!!」
初老のヒーローはすぐに反応し、市民に襲いかかる脳無に向かうが拳一つ届かない。
万事休すと思われたその時、脳無が突如飛んできた炎に焼かれ断末魔の悲鳴を上げる。
ギャオオォォ!!!!?
「ヒーロー殺しを狙っていたんだが……フン、タイミングの悪い奴だ」
現れたのは大柄な炎をまとったヒーロー。周りの人達は口々に騒ぎ立てる。
『なぜここに!?』
『本当にホンモノ!?』
「なぜいるのか?……それは私がヒーローだからさ」
「あ!体育祭の強面のオッサン!!」
「エンデヴァーだ!!!」
「あー間違えた、取り消す」
「ギャハハハ!!オッサンこんな子供に舐められてんのかよ!」
「お、空海。ここで会えるとは」
「何だ?あの子ショートくんの知り合いか?」
「はい。クラスメートの空海です」
「あー体育祭の!私はエンデヴァーヒーロー事務所のサイドキック、バーニン!よろしく!」
「あ、どうも!よろしくおねーシャス!(でっか……でっけぇ!?)」
”体育祭の”空海という何やら通り名じみた覚え方をされていて、
なおかつ目の前のお姉さんの体の破壊力が凄く、今にも抱きつきたくなるがそれはそうとして。
空海は目の前の倒す予定だった脳無を横取りされ、早く他の脳無を倒しに行きたい。
そして目の前の脳無が都合よくNo2のヒーローによって倒され明るい空気があたりを包み、
いくらかのヒーローがここに集まっている。それに気がついた空海は妙案を思いついた。
「マニュアル先輩!俺、逃げ遅れた人たちの避難誘導してきます!」
「え、あ、大丈夫?」
「ダイジョブっす!危険なことはしないっすから!……じゃ!」
「ちょ、待ってよ!」
そう言って急いでこの場を離れる空海。追ってくるヒーローは誰ひとりとしていなかった。
やっぱりひとりの時間って大切だと思うのよね。
ーーまぁ心の中は二人ですがね。
うるせぇ。……で、このイベントで倒せる敵ってのは何がいたっけ?
ーーはい。まずはここに現れるヴィランは2種類。脳無と飯田が追った
脳無は全部で三体だそうです。
三体かぁ…結構少なくね?というか今残ってるのって……
ーー先ほどエンデヴァーが燃やし尽くしたので一体消失し、残りは2体とステインです。
…まぁステインの方はいけたら行くって感じだな。
ーーこれはもしかしなくても行かないパターンですね。
しょうがないだろ?脳無はたった2体しかいない!さっさと見つけるぞ!
ーー了解です。……まぁ火事場泥棒ぐらいいると思いますのでそいつらも倒しましょう。
???「あーあ。はえーな、もう一体死んじまった」
???「エンデヴァーに焼かれましたね。あとその前のあの御老人もなかなかやりますね」
???「オイ、敵を褒めてんじゃねーよ黒霧」
黒霧「申し訳ございません、死柄木様」
死柄木「ったく……まぁいいや。そろそろ先生に試してこいって言われたやつでも出しておくか」
???「…オレハ…オレガ……ダレダ…ココハ…ナゼ……?」
黒霧「そういえば彼に名前ってありましたっけ?」
死柄木「否、なかったな。じゃあ……プレデターって名前にするか。
……じゃあ行って来い、…プレデター…!!」
グギャオオォォォオォゥゥァァァア!!!!