ヒロアカみたいな世界に生まれたキーブレード使いはどうすればいいですか? 作:露人
①謎の敵が現れ、戦闘になる
②防戦一方、キーブレードは弾き飛ばされ絶体絶命
③マニュアルは空海を庇い、倒れる
ほんへ、どうぞ!
「う………嘘、なんで先輩がここに……?俺を……庇って……!?」
弾き飛ばされ地面に突き刺さったキーブレードに、獣臭い荒い呼吸を繰り返す敵。
そして傷ついた自分自身とだんだんと広がる温かい血溜まりに倒れるマニュアル。
空海はまだ起こっている状況を理解できずにいた。
……ハッハッハ…グルルル………
!!
ようやく状況を理解し、驚愕やら焦りやらが大鍋でかき混ざったかのような混沌とした感情の中で目に涙を貯め、マニュアルに駆け寄り片膝をつき、その手を握る。
「先輩!だめです!死んじゃ!!」
「リク……に、逃げるんだ……!!」
「だめです!絶対に!僕が今逃げたら……先輩は多分m……」
「俺のことは良い!!!」
!?
血みどろの姿で傷口を押さえ声を張り上げるマニュアル。片膝をついて座りこみ、今にも泣き出しそうな空海に手を握られながらかすれゆく声で言葉をかける。
「君の指導者として……いや………【ヒーロー】として……君を…死なせるわけ……
に…は行か……ない」
!!
「……【ヒーロー】として……ですか………」
「そう……ヒーローとして。だから……早く…逃げて……応援を……」
徐々に声に吐息が混じり始め、目が細くなり始める英雄。それを見て声を荒らげなんとか起こそうとする。
「!!先輩、起きてください!まだ寝るには早い時間ですから!!
目を開けてください!!先輩!!」
……頼んだよ
未来のヒーロー
握っていた手から力が抜け、地面に崩れ落ちる。それと同時に地面に雨粒の跡がつき始める。
だがそれは天からの贈り物ではない、それは心有るものから生み出される悲しみの雨。
「ッ…癒やしよ…ッッ…」
肩を震わせ、拳を握りしめながら献花のようにわずかに残ったMPすべてを自身ではなく
倒れた英雄に注ぎ込む。そしてふらつく足取りで地面に突き刺さるキーブレードを手に取り、
頭を抑え唸り声を上げる宿敵に向き直る。
キーブレードの切っ先を向けた男のその目は血走り、頬には水が伝った跡が出来ていた。
ガルルル……グゥゥ……ァァ…
「お前は……お前だけは!!……絶対に…!…絶対に許さない………!!」
復讐。それは
それはキーブレードの勇者についても同様である。
だがこの男は今それだけを持ってこの場に立っている。
復讐。それは果てなき連鎖の始まりであり、光ある世界の終わりでもある。
幸か不幸か、復讐という闇を心に宿したことで空海に新たな力が目覚めようとしていた。
グギャァ?
「何なんだ?……コイツは……?」
空海の背後から黒い
集まりだす。魔法の一種なのだろうか?疲労で思考が巡らない。
ただわかるのはこの靄からは圧倒的なエネルギーを感じること、それだけであった。
「…これなら……アイツを………」
瞳を閉じ、靄の形をイメージする。すると腕に集まったそれは空海の願いに応じるかのように
その形を変える。それにより肩まで纏っていた靄は圧縮され、手全体を覆うまでに小さくなった。異様な空気に気がついたのか敵は自身を鼓舞するかのように耳をつんざくような雄叫びを上げる。
グォォォォォォ!!!
凄まじい速さで距離を詰める敵。だが空海は瞳を閉じたままだ。
残り4m…3m……2m………1m……敵がすぐそこまで来た時、決心したように空海は呟いた。
この力__仲間のために
ガォォォォォォ!!!!
ダークカノンッッ!!!!
!? グギャァァァァァ!!!?
撃ち出された魔弾は見事敵の顔面に直撃し、そのバイザーの右側が砕け散る。
その場に膝を付き、動きを止める敵。だが、空海自身も魔弾を撃ったことで限界が来て倒れ込み、急速に意識が遠のいてきた。
「へへへ……ざまぁ見やがれってな…」
笑みを浮かべる空海。とどめを刺せないのが残念だが、一矢報いることは叶ったと安堵するが、
視界の端から何かがこっちに迫ってくるのが見えた。
カロロロロ………
「おいおいマジかよ……」
喉を鳴らしながら現れた人影。それは応援に来たヒーローでは全くもってなかった。
現れたのは敵の仲間。二匹いるうちの一匹、二足歩行の大柄な脳無だった。
ゆっくりと加速しながら近付いてくる脳無。力を使い果たした空海に為す術はなく、
ただ薄れゆく意識の中でその瞬間を待つことしか出来なかった。
ズシン………ズシン……ズシン…ズシンズシンズシン!!!
脳無が飛び上がり上空から雄叫びを上げながら大きな拳を振り下ろす。
輪郭がぼやけていったその時、また新たな影が視界に飛び込んできた。
ハアァァ!!
どこからか聞こえた声と共に飛びかかってきた脳無は股から2つに裂かれ、ただの肉片となった。雨のように滴り、降り注ぐ鮮血と鉄の匂い。そして転がる2つの大きな肉の塊。
五感で感じる凄惨な状況と疲労で意識が消える刹那、その影は流暢な日本語で何かを呟き始めた。
いつか____が_る__繋げ、___を。繋がる___がお__の力、だろ?
「な……に…?な……に…をい……t………」
そこで空海の意識は途絶えた。
その場に立っているのは頭から血を浴び、全身を鮮血で染めた存在だけだった。
???「ったく…何やってんだよプレデター?」
プレデター「……………」
???「おい、なんか言えよ」
???「まぁ落ち着いてください死柄木様。彼は意識を失っています」
死柄木「ッち!わかったよ黒霧。しっかし……血生臭せーなあ。先にコイツだけ送れ」
黒霧「わかりました」
死柄木「ん〜〜。転がってるこいつらは……殺しとくか?」
黒霧「やめておきましょう。注目されるにはまだ早いですし。
捜査が本格的になったらまずいです」
死柄木「……それもそうだな。ホラ、帰るぞ。早く!早くしろ黒霧!」
黒霧「ええ。」