ヒロアカみたいな世界に生まれたキーブレード使いはどうすればいいですか? 作:露人
①筆記試験が終わって演習試験へ!
②空海のグループが決まった!
③林間学校を賭けた試験が、今!始まる!
ほんへ、どうぞ!
「おい!起きろ瀬呂ォ!!オイラを空海と二人にしないでくれェ!!」
「まさか…これほどの……威力が‥…」
「ウフフフ……」
ゆっくりと近づいてきたミッドナイト先生は安らかな顔で眠りに落ちている瀬呂と襲ってくる眠気を必死に耐える空海を見てほくそ笑んでいた。一体なぜこんな事になってしまったのか?
それはほんの数分前に遡る・・・
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「そんでよ〜作戦はどうする?」
出口に向かって先頭を走る瀬呂が全員に声をかける。作戦はどうするか。その質問に峰田は
「そんな事言ってもよ〜?オイラとお前のテープがあればすぐに終わっちまうんじゃね?」
と軽口を叩いていた。それもそうだろう。班の中の3人の内2人は拘束力に秀でた個性なのだから当然だ。何も考えなくても楽勝だという考えは全員の頭の中に薄く浮かんでいた。
「まぁそうかも知れませんね。ですが相手はプロです。
私達の予想なんて軽く超えてくるでしょう」
「まぁ準備するに越したことはないな!」
「そういうことです。それでは私の作戦ですが……」
小走りで空海が伝えた作戦。それは簡単に言えば先生を見つけたら遠くから牽制して近づけさせず、運が良ければ拘束するというものだった。
浅はかだではあるが自分たちの個性の特徴に合致する最適な案だと言えるだろう。
……たった一つ残念なのはその作戦は先生の予想通りだということだが。
そうとも知らずに3人は出口までひた走る。すると峰田が急に立ち止まり、声を上げた。
「!?お、おい見ろよコレ!!」
「んぁ?なんd…‥っておいそれ!?」
「へへへ…いいもん見つけちまったぜ〜」
「……」
峰田が見つけたもの、それは卵……ではあったがカルシウムで出来た殻はなく、
全体が柔らかいシリコン性の代物。間違いなく人工物であり、決して食用ではない卵
……つまり「卵」ではなく「EGG」であった。
空海はなぜかその光景に既視感を覚え、その正体を考える。
「ちょいちょい!俺に見せてくれよ!」
「しょうがねぇなぁ〜ほらよ!」
興味津々の瀬呂に峰田はその卵を手渡す。
まじまじとそれを見ていると瀬呂がなにかの違和感に気がついた。
「ん?なぁ、こいつからなんか甘い匂いしねぇか?」
「はぁ?甘い匂い?オメェ腹減ってんじゃねーか?」
「いや、確かに匂います。…落ち着くような何か…お香のような……
リラックスして……眠気を誘…う……ぅ!?」
「どうした空海?そんな顔d……」
「全員息を止めて!」
「!?な、何だいきn」
ボカン!!
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「クッ!……迂闊でした……まさか…あんな物が本当に存在するなんて……!」
「zzz…zz…」
「ウフフ!不審物に手を付けちゃ駄目よ?いかに拘束力に長けていても……これじゃあ…ね?」
「クッソ〜!!こんな…こんなぁ……!」
「あら?向かってくるのかしら?敵討ち?良いわねぇ!!とぉ〜っても青春してt」
やってられっかよこんなクソ試験〜〜〜!!!!
「え?」
「逃げるぞ!空海!」
「もちろんですとも。さぁ、」
ガシッ・・・
「へ?」
「吐かないように気を強く持って」
「お、お」
峰田が返事をする前に空海は跳び、その瞬間峰田は空海に掴まれたことを後悔した。
ウォォエェェ!!
峰田とその三半規管は悲痛なうめき声を上げた。それもそのはず。
なぜなら空海は峰田を掴んだままジャンプし、
そこから
なぜそんな事ができるのか?三半規管はどうなっているのか?
そんな疑問と胃液が口から出そうになるのを峰田は根性で耐え、
二人はミッドナイトと大きく距離を取ることに成功したのだった。
・・・
・・
・
「な、なんで回転したんだ?」
「アレをしないと初速で最高速が出ないのです」
「マジかよ……」
「まぁそれよりも。貴方はここから逆転が可能な策は浮かびますか?」
「ハァ…ハァ…そ、そんなのさっきの逃げたときのアレで終わりだろ?」
「それは難しいです。ゴール付近であの匂いを充満させられたらすぐに墜落してしまいますから」
「ク……クソぉ!ファックだ!圧倒的ファックだ!無理だよ無理無理!あーあ!!!」
「諦めてしまうのですか」
「あたりめーだろ!一嗅ぎで眠らされてゲームオーバーだぞ!」
「……ですがアレを見てください。このまま負けを認めてしまうと瀬呂の一人勝ちです」
そう言って空海が指さした方にはミッドナイトに膝枕されて
幸せそうな表情で眠る瀬呂の姿があった。それを見て峰田は唇を噛み締めながら言葉を絞り出す。
「あの野郎…クッ……ソ…!!羨ましさで血涙が…ァァ…‥!」
そう話す峰田の瞳には羨ましさだけでなく怒りの炎が燃えてるようにも見えた。
彼のそんな姿を見て空海は発破をかけるように声をかける。
「その顔はなんだ。その目はなんだ。貴方の秘めるその感情だけで、一体何が出来るのですか」
「なんだと!?」
「これから貴方の前に壁は何度も立ちはだかる。何度も、何度も。
それを乗り越えるには揺るぎない信念と決意が必要です。
…果たして今の貴方にはそれはあるのでしょうか?」
「……オイラの…信念………?」
すると話に割って入るかのように空気を切り裂いてどこからか鞭が二人に襲いかかってきた。
ビシィッ!!
「おわぁ!?」
「……来ましたね。思ったより遅かったのですが」
二人が振り向いた先には鞭を持ったミッドナイトがこちらに向かってゆっくりと歩いて来ていた。
「いやーちょっとコレが思ったより重くてね〜。そろそろダイエットしようかしら。
まぁ、だから時間いっぱいゲート前で鎮座、と思ってたけど……
やっぱりそれじゃあんまりよね?」
そう言いながら二人ににじり寄るミッドナイトは恍惚の表情を浮かべながら舌なめずり。
彼女の視線は二人を捉えて離さず、その眼は狩りで獲物を追い詰める捕食者の眼そのものだった。
「ピーピー喚いて逃げられちゃうとあたし……嗜虐心が疼いちゃって仕方ないの♡」
「ヒッ…」
「あなたはそこで指を咥えて見てるといいでしょう。もし貴方にも揺るぎない信念とやらが
あるのでしたら……どうしたら良いかわかりますよね?」
「…オイラは……オイラは………」
「それでは」
空海は峰田を置いてミッドナイトの前へと歩み寄った。
「あら?あたしに向かってくるのは貴方だけかしら?」
「そうかも知れませんね」
「でも知ってるでしょう?鼻でも口でも私の近くで一呼吸しちゃえばあなたは終わり!」
空海は沈黙する。
「まさか……息止めて頑張っちゃうつもりかしら!?」
「……」
空海は沈黙を貫く。数刻の間流れる空白の時間。それは空海がただ息を止めているように見えるがその
あと2分とちょっとよ!あなたから来ないんだったら……私から行くわよ!
そう叫びながらミッドナイトが握った鞭をしならせ、振り下ろそうとしたその時、
オイラを忘れてもらっちゃ困るぜぇ!!
「!?」
「フッ……遅かったじゃないですか」
鞭を遮ったその叫びの主は空海の後ろで縮こまっていた峰田だった。
「待たせたな、空海。オイラ、目標を思い出したぜ」
「ほう。それはなんですか?」
「オイラの目標は、女体に好きなだけ触れて、めっちゃモテるヒーローになることだ」
「……予想はしてました、が。まぁいいでしょう。あるだけ立派です」
やいミッドナイト!残念だったな!オイラが奥まで逃げたのも!空海にぶちまけた弱音も!
あんたの嗜虐心煽ってここまで引っ張ってきたのも!全っっ部!オイラが!!
かっけえ男になる為なんだよなあ!!!
「まさか…全部手の内だったってこと!?」
ミッドナイトはうろたえる。が、すぐに戻り
「いいわよ来てみなさい!だけどあなたの手の内どおりには行かないわ!!」
「峰田、貴方に確認します。貴方はその目標に命を賭けることは出来ますか?」
「ああもちろんだぜ!
「なるほど。その言葉、忘れないでくださいね」
そう峰田に確認を取った空海の口元は大きく歪み、その顔はまるで悪魔のような、
冷淡な笑顔が張り付いていた。
「お、おい空海?な、何を…」
空海はその冷たい笑顔のままキーブレードを取り出し、峰田に向かって構える。
「え?え?え!?オイ、空海!?まさか俺を生贄に!?待て!早まるな!!」
「いえいえ、違いますよ。貴方を生贄にはしません」
「じゃあ何でそれをオイラに構えてるんだよ!?」
「なぜって?…それは簡単なことです。」
!?グェッ!…あァァアアア!!!
そう叫びながら峰田は空へと打ち上げられた。唖然としながら峰田を見上げるミッドナイト。
しかし空へと打ち上げた張本人である空海は落ち着き払った態度で峰田を見上げていた。
「ちょ、ちょっと!?何やってんの!?大丈夫なのアレ!?」
「駄目ですよ先生。自分のことに集中しなければ」
そう話していると空に投げられた峰田が最高点へと到達し、
ゆっくりと空海のもとに落下を始めた。
「……さてと、それでは【ショータイム】と行きましょうか」
そう言って空海は唐突にキーブレードをミッドナイトの方へ構え、ブリザドを唱える。
そう言って三発の氷の弾がキーブレードの先端から発射される。
そしてそれがミッドナイトに着弾……したと思ったが相手はプロ。全て鞭で叩き落された。
「フフッ!甘いわね、その程度じゃ私には当たらないわよ……っていない!?」
気がつくとミッドナイトの視界から空海はこつ然と消えていた。慌ててあたりを見渡すと、
なぜか上から声が聞こえて来た。
「ここですよ、ミッドナイト」
「!?」
「ええ!?」
なんと空海は自分が打ち上げた峰田を今度はミッドナイトの方に叩きつけてきた。
戸惑いながら鞭で迎撃しようとする・・・が、鞭はピクリとも動かない。
驚いて鞭を見ると先端には大きな氷の塊が3つもついていた。
「お、重!?って嘘!?まさか…これを狙って!?」
「まさか私が考えなしに撃ったとでも?」
うわぁぁぁァァ!!!!!!!!!?
そのやり取りの間も峰田はもぎもぎを撒き散らしながらミッドナイトに迫る。
無抵抗のミッドナイトに峰田のもぎもぎが手に、足首に、太ももにひっついていく。そして・・・
ムニュン♡
「あん♡」
「!!!!!(天国はここにあったのか!)」
ミッドナイトの胸に顔面から着弾した
大きく息を吸って自ら意識を手放してしまった。
「こ、これがあなたの作戦?確かにここなら眠り香はゴールに届かないし、私はもう動けない。
でもゴールに辿り着くのはあなただけなのかしら?薄情な人ね」
「
「あ!それ、瀬呂くんの!!」
こうして峰田と協力(?)してミッドナイトを無力化した空海は息を止め、
グライドで足元で眠る峰田とゴール前でいびきを掻いていた瀬呂の二人を無事に回収。
無事に三人揃ってゴールをくぐり、試験に合格したのであった・・・
週一投稿成功!(大嘘)