ヒロアカみたいな世界に生まれたキーブレード使いはどうすればいいですか?   作:露人

42 / 49
Day2 wake up! 漂流の子

朝起きて、朝ごはんを食べて歯ブラシをしながら綿ちゃんとお喋りをする。今日もいつもと同じゆっくりとのんびりした一日が始まった……いや、”いつもと同じ”ってのは違うか。

 

「今日は起きてるかな〜海岸で拾った子〜」

 

「拾ったじゃないでしょ!?【た・す・け・た】、ね!」

 

「そうともゆう〜」

 

私達たちは歯ブラシと身支度を終えてから昨日助けた男の子のいる部屋に向かった。

今日こそは起きてるでしょ!と、思ってたけど……

 

zzz……zz………

 

「ええ?まだ寝てるの…!?」

 

「ねぼすけさんだね〜」

 

まぁ体調悪くて寝てるんだからしょうがないか!って自分を納得させる。

だってそうじゃないと心配でたまらないんだもん!

まぁ息は……ちゃんとしてるから安心だけどね。

……てかよく考えたら何があってこうなったんだろこの子?

日本人……なのは間違いないよね!日本語喋ってたし。

う〜ん…あ、そういえばI・アイランドって言ってなぁ〜。

……え?まさかだけど船から落っこちてここまで流れ着いたとか!?ええ!?そんなまさか!

と、心のなかでウンウン唸っていると綿ちゃんが閃いたかのように目と口をまん丸にして

 

「ねぇおねーちゃん!この人ってもしかして〜浦島太郎なのかな?」

 

って言った。

 

「ええ?浦島太郎?そんなわけないって!」

 

そんな綿ちゃんの考えを聞いてどっちかと言うと浦島太郎じゃなくて

龍宮城に連れてった亀のほうじゃない?とか真剣に考え始める。

……でもいじめてる悪ガキ共はいなかったから亀じゃないのかな……?

 

「絶対に浦島太郎だよ〜!竜宮城から帰ってきたんだよ〜!」

 

竜宮城から帰ってきた浦島太郎!?そ、その発想はなかった!

でもさぁ、亀は一応の命の恩人を背中に乗せてるはずなのにあんな漂着しましたみたいな

おろし方は駄目じゃないの!しかもお土産の玉手箱持たされてないじゃない!

 

「プッ……アハハハ!!もしそうだったとしたら陸に送る亀さんの仕事が雑すぎるって!!

アハハハ!!!」

 

「も〜笑わないでよ〜!!」

 

「イーヒッヒっ!…フフッ……アハハ!ごめんごめん!」

 

う、うーん……あ、あれ?天井?

 

「わ!?」

 

「もう!おねーちゃんが騒いだから起きちゃったじゃん!」

 

いっけない!大騒ぎしすぎちゃった?なんて思っていると、彼は寝ぼけナマコ(?)で

周りを見渡していた。少しびっくりしてるみたいだけど当然よね。

 

「ごめんごめん、起きちゃった?大丈夫?どこか痛くない?」

 

「うぉ!?……あ、う、うん。どこも痛くない。元気ハツラツ、興味津々、意気揚々。

……あれ?俺ってさっきまで砂浜にいなかったか?」

 

静かにゆっくり話しかけたのに驚かれちゃった……視界に入ってなかった?

でもまぁいいか!怪我もないって言ってるし!漂流してたとは思えないほど元気そうだし!

 

「私達が運んだの〜!すごいでしょ〜?」

 

「お、サンキューな!…ってことはココは君たちの家ってこと?」

 

「そーだよ〜。おじちゃん達の家〜」

 

「ここは私のマ…お母さんの実家で、今は民宿もやってるの」

 

「へー……ん?てことは俺、一部屋使っちゃってるんか!?」

 

「あ、大丈夫大丈夫!気にしないで!元々この部屋空いてたから!」

 

「大丈夫だよ〜」

 

「でもよぉ……」

 

ギュルルルル!!!

 

「「「あ」」」

 

「……いやー失敬失敬、お恥ずかしい限りでございます」

 

「よーし!おねーちゃんご飯持って来よ〜!!」

 

「そうだね!よし!」

 

「い、いやいやいや!!大丈夫だって!大丈夫!平気だから!

布団で寝かせてもらってるだけで十分だから!」

 

「遠慮はしなくていーよー」

 

「お腹すいたって言って倒れちゃったんだからちゃんと食べないと!

ほら、待ってて今から持ってくるから!」

 

そう言って私と綿ちゃんは台所に彼のご飯を取りに行った。

どのくらい食べるんだろ?……まぁ流石にお釜ごとはいらない……いや、

大は小を兼ねるって言うし!全部持ってっちゃおう!

 

・・・・・

・・・・

・・・

・・

 

「ふぃ〜食べた食べた!ごちそうさまでした!」

 

「すっごい食べるね〜。びっくり〜!」

 

「まさかお釜のお米が全部なくなるなんて……」

 

本当にびっくり……お父さんもおじちゃんもこんな食べないよ……

男の子ってみんなこんな感じなのかな……?って、おかずほぼなかったじゃん!

本当に何でそんなに食べられたの!?

 

「いやー本当に何から何までしてもらって……本当に申し訳ない!」

 

「謝るのはやっ!?そこは”ありがとう”でしょ?」

 

「あ、そうだわ。すまんすまん」

 

「だーかーらー」

 

「あ、いかんいかん。ご……ありがとう!」

 

「どーいたしまして〜」

 

「おっと!腹が膨れて気がついたけどそういえば名前言ってなかったな。

遅くなったけど俺の名前は空海リク、ありがとうな!

あ、あと名前を呼ぶんだったらリクって言ってくれよ!」

 

ん?リク……?え、私絶対どっかで会った気がする。なんだけど……ああああ!思い出せない!

この!思い出してよ!私のポンコツ!

 

「おねーちゃん大丈夫?すごい顔してるよ〜?」

 

「え!?いやいや、なんでもないよ!えーと……私の名前は磁石 入電(じせき いるで)、よろしく!」

 

「わたしの名前は〜、伏羊 綿子(ふしよう わたこ)〜よろしく〜」

 

「あれ?二人は姉妹じゃなかったんか?」

 

「そうだよ〜おねーちゃんはおねーちゃんじゃないんだ〜」

 

「おねーちゃんはおねーちゃんじゃない????え?まさか触れにくい複雑な家庭事情が……?」

 

従姉妹(いとこ)ってことよ!もう!」

 

「あ、そういうことか〜。いいねぇ、親戚一同会するって。

しかも海の近くだろ?羨ましい限り!」

 

「いやーそれほどでも〜」

 

「綿ちゃんは褒められてないでしょ!」

 

アハハハ!!!

 

「あ、そういえばよ?俺が持ってたバックはどこにあるか知ってるか?」

 

「え?バック?」

 

え?バックなんて持ってたかな……?

 

「私達が見つけた時はなーんにも持ってなかったよ〜」

 

うん、そうだった。半袖短パンでその他なーんにも持ってなかったな……。

流されたときに離れ離れになっちゃったって感じ?

 

「ほ?え、ま、マジで!?」

 

え!?な、なんかすっごいアワアワ狼狽え始めたんだけど!?

 

「ど、どうしたの!?」

 

「え、ちょ、ちょちょちょ……ハー…終わった……家に帰れねーわ……」

 

急にスイッチが切れたかのように空海くんは俯いて(うつむいて)しまった。

見るからに最悪な気分って感じでどうしたのって感じ。ん?家に帰れないって……え?

 

「まさかだけど……そのバックの中に……?」

 

「そのまさかだよ。アレに財布やらスマホやら着替えやらが全部入ってたんだ。だから……」

 

「一文無しってこと〜?」

 

「ウッ……」

 

「こら!綿ちゃん傷を抉るのやめなさい!」

 

「いやいや、事実だからどうしようもないんだよなぁ……いや、マジでどうしよう」

 

「うーん…とりあえずおじさんに相談してみよっか!」

 

「そーだね〜助けてくれるかも〜」

 

そう言って綿ちゃんと私は彼の手を掴んでおじさんたちのいる一階に連れて行った。

空海くんはすごく不安そうな顔してるけど……まぁ大丈夫でしょ!

 

・・・・

・・・

・・

 

「お!やっと起きたんか!心配したで〜!」

 

「いやーどうもご心配をおかけして……」

 

「固くならなくていいのよ!体は大丈夫?」

 

「あ、はい!なんともないです」

 

「そう、良かったわ〜」

 

「んでこれからどうすんだ?もう帰っちまうのか?」

 

「いや、それが……」

 

「私達が説明するね!」

 

そう言って私達は彼が服以外何も持ってなくて一文無しだってことを話した。おじさんの反応はまぁそれはもう目を丸くして驚いていた。おばさんも口に手を当てて信じられない!って感じの顔。だけど話が終わっておじさんは大笑いながら

 

「ガハハハ!!そんな事があったんか!」

 

「もう、笑っちゃいけないでしょう、おじいさん。

でも……ふふふっ!漫画みたいなこともあるもんだねぇ」

 

「おう、少年!気にすんな!家までの金、ワイが全部払ったるわ!」

 

「え!?いや、申し訳ないですって!そんな泊めてもらってご飯までもらって、

しまいには交通費までもらうなんて!」

 

「そうかぁ?」

 

「そうです!」

 

「う〜ん……受け取ってくれねーんだったらどうしようもねーしなぁ……」

 

「じゃあ、おじいさん。この民宿で住み込みで働いて、その分の給料として

ってことにしないかい?ちょうど男手が欲しかったところ、ってことよ」

 

「お〜〜!おばちゃん名案!」

 

「ふふふっ…伊達にこの民宿の女将やってないからねぇ」

 

「よーし!それで決定だ!小僧!頼んだぞ!」

 

「は、はい!よろしくおねがいします!」

 

すぐに帰っちゃうと思ったけどおばちゃんナイス!

これでリクくんと前どこであったか思い出せるかも!

 

「あ、そうだ綿ちゃん、イルちゃん。私とおじいさんは

この子の仕事の話をしなきゃいけないからねぇ。…お昼の用意、お願いできる?」

 

「オッケー!じゃあ私達、お昼の用意してくるね〜!」

 

「ありがとねぇ」

 

おばちゃんに言われて足早に台所に向かう私と綿ちゃん。

よーし!リクくんに先輩風吹かしちゃうぞ〜!

 

・・・・

・・・

・・

 

「ということで、あなたにはおじいさんの漁の手伝いと、

お部屋の掃除とかの雑用をしてもらおうかねぇ」

 

「はい!よろしくです!」

 

「おーし!明日が楽しみだなぁ、小僧!」

 

「ちょっとおじいさん、これから働いてもらうのに小僧呼びは失礼じゃありません?」

 

「お、そうだな。こぞ……少年、名前はなんつうんだ?」

 

「え、あ、く、空海リクっていいます!」

 

「空海リクぅ!?おめぇ体育祭んときのやつじゃねぇか!?」

 

「あら本当!似てると思ったら本人だったのね」

 

「え、覚えてくれてるんですか!?一位にもなってないのに!?」

 

「あたぼーよ!あんなおもしれーヤツ、ここんところみてなかったからよ!」

 

「あ、面白いやつ…ですか……」

 







7月11日 (火)

今日、やっとあの人が起きた。彼の名前は空海リク。
怖い人だったらどうしようって思ってたけど、全然そんなことはなかったです。
まだ会ってちょっとしか経ってないけど愉快な人だと私は思います。
そんな空海くんは手荷物を全部流されて一文無し。
という訳で住み込みバイトって形で私達と一緒に住むことになりました。
今から明日が楽しみでワクワクが止まらない!
いつもよりきっといい日になりそう!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。