真の男女平等主義者と真のクズのニートっぽい日常   作:東風ますけ

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どうも東風(こち)です。連チャン天使回です!
それでは本編!どうぞ!


ホンモノの天使だ!

 

空が茜に染まり出した。仕事も片付き、俺たちは帰路に着こうとしていたんだが。

 

「ゴメンカズマ君!アタシ近所の子供達と公園で遊ぶ約束があったんだ!先に1人で帰っててくれないか?」

 

「えぇ!わかりました!全く心配する必要はないとは思いますが、気をつけて帰ってきてくださいね?」

 

「あはは〜邪神ちゃんじゃあるまいし、アタシは大丈夫だよ!それじゃあね〜!」

 

ミノスさんは大きな荷車を車くらいのスピードで引っ張っていった。

 

さて、そうか。俺1人だけか。

………なんか小腹が空いたな。スーパーでも寄るか。

 

■■■■■■■■■

 

スーパーに着いた俺は、小腹を満たすため、パンのコーナーに来ていた。

 

「………サンドイッチ……いや、ダメです。ぺこらは我慢できる子なんです。ここはひとまず、食パンの耳で我慢しときましょう」

 

隣にはクマが深い痩せ細った女の子が立っていた。買い物カゴには小さな牛乳と、食パンの耳の詰め合わせだけが入っている。

会話から推測するに、この子、貧乏なのか?

 

「ああっ、(しゅ)よ。コレはぺこらへの試練なのですね。ならば今は耐えましょう。いつか、いつか天界に戻って!!美味しいご飯をお腹いっぱい食べるんです!!!………………はぁ。とりあえずお会計を済ませちゃいましょう。ここにいると食欲が余分に出てきてしまいますからね」

 

どうしよう。泣けてきたっ…。俺、こういうのにはめっきり弱いんだよ。

めぐみんの妹のこめっこの時もそうだし、………あの世界に戻ったら貧困が原因で食べられない子供達の為に、エリス教会に募金でもしようかな。

 

………でも、その前に。

 

俺は目の前のパンコーナーから、とにかく色んなパンを取ってカゴに入れて行く。

 

「お会計2,102円です!」

 

「……あっ、二円あります」

 

「はい!ちょうどお預かりいたします!」

 

さて、あの娘はたしか、あっちの方角に行ったよな。

 

■■■■■■■■■

 

「あはは〜まてまて〜!!」

 

「またないよ〜!」

 

「ミノス姉ちゃんがんばれ〜!」

 

あの少女を追ってみると、公園に着いた。そこではちびっ子たちがミノスさんと一緒に鬼ごっこをしていた。

 

「あれ!カズマ君!どうしたんだい?その袋は?」

 

「あはは〜少し小腹が空いちゃって……」

 

「そっかそっか!カズマ君はまだまだ成長期だからね!いっぱい食べたほうがいいよ!でも!夕飯もきっちりと食べれるようにね!」

 

「ウッス!精進します!」

 

「じゃあアタシは子供達と遊んでくるから、じゃあね〜!」

 

「はい!またっ!」

 

………一応怪しまれずに済んだ。

 

いや、別に隠してるわけじゃあないんだが、でも世間的に考えたら少女を食べ物で餌付けする男子高校生って絵面だからな。

 

逮捕とまではいかないが、確実に事案案件なことだけはわかる。

 

………さて、このダンボールハウスがあの子の家か。

 

………どうしよう、また涙が…。

 

俺は涙を必死に堪えて、扉らしいところをノックする。

 

「はぁい〜、ぺこらに何か用ですか〜?」

 

「あ、あの、コレ……よかったら…」

 

しどろもどろになりながら俺はスーパーで買った、菓子パンの詰め合わせを少女………ぺこらに渡す。

 

「………え?」

 

「あ、いえ、別に下心とか、裏があるわけじゃないんです、本当にただの良心って言うか!?気の迷いっていうか!?いえ、ほんと、キモイですよね、いきなり渡されたら誰だって困惑しますよね!?ほんとすいません、マジすいません。じゃあ俺はコレで失礼しま──」

 

「ホンモノの天使だ!」

 

………え?この娘今なんつった?

 

()()()()の天使?

 

なんかまるでニセモノが居るような言い方だな?

 

「あなたはぺこらの救世主です!………そして申し訳ありません(しゅ)よ。本来人間を助ける立場であるぺこらが、逆に人間に助けられてしまいました。主よ。どうかぺこらをお許しください…」

 

「人間を助ける立場?主?」

 

「あ、いえ…こちらの話です。ところで、このパン、本当に貰ってしまっていいのでしょうか?」

 

「あ、ええ。じゃあ俺はこれで………」

 

「待って下さい!せめてお名前を教えて頂けませんか?」

 

「サトウカズマ………もう、この世界にはいない人間だよ」

 

やばい、ちょっとカッコつけすぎた。

 

「もういない…?アナタは今確かにぺこらの目の前にいるのですが?」

 

そりゃそう思うよな。

 

「………信じてもらえないかもしれないけど、俺、異世界転生者なんだ」

 

あぁ、俺なに口走ってんだ!!ただでさえロリコンみたいな絵面なのに──!

 

「──!アナタはもしかして魔王を撃ち倒したというあの………!」

 

………。

 

「………もしかしてアンタ、天界の人か?」

 

「え!?ぺこらの正体に気がつくなんて!?」

 

………マジかよ。マジで天界関係者か?でも、女神って感じではないな?

 

「………天使か?」

 

「な、何故それを!?もしかしてアナタは魔王を倒した報酬として自らが天使になることを望み、そして目障りなぺこらを排除しにきた………そういうことですか!」

 

「いえ違います」

 

「くっ、なぜリエール様はこの人の頼みを聞いて………いま、なんて言いました?」

 

「いえ違います、と」

 

「………」

 

「………」

 

なんだろうこの空気。誰かどうにかしてくれないかな。

 

グギュルルルル…。

 

「………お腹すいちゃいました。あの、そのパン本当にくださるんですか?」

 

「はい。あ、でも天使様のお口に合いますかね?」

 

「な、なんと!ぺこらのことをちゃんと天使として扱ってくれるだなんて!」

 

「………え、今まで誰も扱ってくれなかったんですか?」

 

「扱ってくれてたらダンボールハウスには住まないですよ」

 

「なるほど………なぁ、ぺこら様。もしよかったらなんだけど、ウチに晩飯食べにくる?」

 

「いきまふぅ!」

 

「口の中空っぽにしてからしゃべってくださいよ」

 

「モグモグ……ゴクン!行きます!……あ、あとカズマくん。ぺこらに対してそんなに畏まらなくてもいいですよ。ぺこらのこと、助けてくれましたし!」

 

ぺこらさんはそう言いながら手を後ろに組んで、こちらに屈託のない笑顔を送ってきた。

 

────やべぇ、可愛すぎる。ホンモノの天使だ!

 

 

 

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