真の男女平等主義者と真のクズのニートっぽい日常 作:東風ますけ
「フハハハハハ!お帰りなさいませだ小僧!」
こ、この声!このムカつく喋り方は!
「ば、バニル!?なんでお前が──」
「……貧乏店主」
「あっ(察し)」
なんだ、いつものか。
「いつものとはなんだ!いつものとは!コレでも吾輩は工夫を日々凝らしている。しかしそれをあの貧乏店主が悉く台無しにするだけだ!」
「うぅ………ごめんなさいバニルさん」
「ウィズ!なんか久しぶりだな!」
「お久しぶりですカズマさん!……あ、そうそう。カズマさんにいい商品があるんですよ!」
ん?商品?
「コレなんですけど…」
ウィズはそう言いながらなにか黄色いやつを取り出した。
……いや、びっくりチキンじゃねぇか!
「カズマさん!これは凄いですよ!『ひゃくえんしょっぷ?』なるお店で手に入れたんですけど。お腹の辺りを押すと、なんかびっくりする音が鳴るんです!これをアクセルで売ったら繁盛間違いなしですよ!売れると思ってもう100個も仕入れちゃいました!」
ウィズは目を子供みたいにキラキラさせている。
「お、おう。…………バニル」
「みなまで言うな小僧。今一番泣きたいのは吾輩なのだからな」
地獄の公爵を泣かせるとは、やはりリッチーとは伊達ではないのかもしれない。
「あら、和真君。お帰りなさい」
「ただいまですゆりねさん!」
帰って来て年上のお姉さんにおかえりと言ってもらえるなんて、俺は一体前世でどんな善行を積んだのだろうか?……おかしいな、トラクターに轢かれそうになった記憶しかないぞ?
……にしても、やはり年上はいい!大学生最高!
……ん?ダクネス?ははっ、あんな特殊嗜好持ちを年上のお姉さんとしては扱いたくない。アイツはエロ担当だ。
「フハハハハハ!小僧よ!熟れた体を持て余した娘の事を思い出すのはいいが、吾輩と一つ、商談をしないか?」
「心の声を覗き見するなよ!……というか商談?あの世界で日本の道具に価値があるのはわかるけど、もうここじゃ俺の知識なんて0円もいいところだろ?」
「いやな、それがそうもいかんのだ。……小僧、お前がいたこの日本という土地。……いや、『神保町』か。あの忌々しい発光女が管理していた世界なだけあって、神格が高い者がうろちょろしているのだ」
「神格が高い?なんのことかさっぱりわからないんだが?」
「……小僧は『主』という概念を理解できるか?」
「あ、ああ。あれだろ?創造主ってやつ」
「そう、それだ。……それがこの神保町に居る」
「!?」
世界を創った神様がいるのか!?
「名をリエールと言ってな……まああの忌々しいアクシズと比べれば比較的話が通じるが……それでも吾輩のような地獄の公爵には天敵でな」
なるほど。話が読めて来たぞ。
「そこでだ小僧、吾輩の仕事を手伝わないか?」
バニルが俺に仕事を持ちかけるなんて初めてじゃないか?
「……言っておくが俺は無宗派で、特定の神への信仰はないが一応日本人だ。神様を無下にすることはできないぞ?」
いやまあ一時的に邪教に入ったことはあるけど。
「安心しろ小僧。吾輩の仕事は占い師だ」
「……なんで俺が必要なんだよ?」
「……忌々しいアホな酒好き女神ことアクア。面白めんど蛇女こと邪神ちゃん。堕天天使共に、リエール。ペルセポネ様。そしてその他諸々……。いくら魔王より強いかもしれないバニルさんでも限界というものがあるのだ」
「確かに今のメンツはみんなお前にけしかけて来そうだもんな。堕天天使ってのはよくわからなかったけど」
まあつまり俺の仕事はそういうやべーやつらをバニルと会わせないようにすることだな。……たしかにそれは俺が適任かもな。アイツらとクエストに行くよりは難易度的にマシなくらいだ。
「ゆりね殿に協力して頂き、このアパートに今日から住むこととなった。よろしくな、小僧」
「お、おう。……あっ、そういえばゆりねさん。アクアたちは今どこに?」
「まだ管理人さんのところかしらね?気になるなら和真君行って来たらどうかしら?私はウィズさんとバニルさんと話しているわ」
「わかりました!ウィズ!バニル!これからよろしく!」
「はい!」
「うむ」
俺は管理人さんのところへ行くことにした。