真の男女平等主義者と真のクズのニートっぽい日常 作:東風ますけ
コンコンコン。俺は扉をノックした。少し待つと扉が開かれた。
「はーい。……ってカズマ? ねぇ、なんでカズマさんがここを知ってるの?」
「ゆりねさんに聞いて、おまえらを迎えにきたんだよ。ほら、さっさと帰るぞ。あんまり長居すると管理人さんにも迷惑だろ?」
「その心配はないわよカズマ! このアパートの管理人は私が天界に居た時の召使いの天使だからね! 知り合いよ!」
「お、おまえ……そういえば無駄に神としての位が高かったよな」
「無駄って何よ!? アンタねぇ、もうグーよグー! 全国一千万のアクシズ教徒が黙ってないわよ!」
アクアは肩をぐるぐると回して威嚇してきている。
「……あれ? アクア、めぐみんとダクネスはどこだ? ここにいるんじゃないのか?」
「中にいるわよ?」
「あっ、そうなんだ。……いやな、あいつら2人はもっとうるさいかなって思ってさ」
「カズマさんってば自分が最近モテてるからって、調子に乗りすぎよね。コレはあれかしら、私とエリスの2人がかりでカズマさんがモテなくなるよう神罰を」
「わあああああああ!!!!! い、いいから早く戻ろうぜ! お邪魔します!」
誤魔化すように俺は管理人さんの家の中へ入った。
アクアだけだったらしょぼい神罰で済みそうだけど、エリス様との2人がかりだといくらノリに乗ってる俺でも不味いと思う。下手をすれば今回無関係なアイリスルートまで潰されかねない。そうなればもう女神ルートしか逃げ道がないわけだ。なんだよこいつらツンデレかよ。
「カズマさんってば魔王を倒してから変わったわね。はぁ……借金を抱えて、私にネズミ講を教えるほど追い詰められていたあの頃のカズマさんは輝いてたわ」
俺の逆鱗にピキッっときた。
「てめぇうるせぇぞクソビッチ!」
「なによこのクソニート!」
「残念! 俺はこの世界でもう働いてます! お前こそ働けこの駄女神!」
「わあああああああ!!!!!! めぐみん! ダクネス! カズマさんが言っちゃいけないこと言った! 言っちゃいけないこと言った!」
「バカめ! そいつらも今は歴としたクソニートだ! 戦う相手を間違えたな!」
俺がそう勝ち誇ったように叫ぶと、めぐみんとダクネスの姿が見えた。
「おかえりなさい。カズマ」
「おかえり。カズマ」
「…………うん。タダイマ…」
なるほど、コイツらも強くなったじゃないか。
あのずはらしい世界にいた時よりもレスバに強くなったな。
「ねぇねぇ、勝手に後方腕組みおじさん」
「誰が後方腕組みおじさんじゃ」
「あの子がぴのよ」
「ぴの?」
「ここの管理人の天使の子よ。ほら、アレ」
そう言ってアクアは部屋の隅っこでうずくまっているものを指差した。
「どどどどどど、どうして!?!?!?!? なんでアクア様に加えて魔王を倒した勇者まで!?!?!?!?!? こここここここ、コレはわ、悪い夢ですわ!!!!! ……おくすり。……おくすりのまなきゃ……」
ピンク髪の少女はそう呟いたあと錠剤を大量に飲み込もうと……ってまずい!
「やめろ!
「カズマカズマ」
めぐみんが話しかけてきた。
「なんだよ! 見ての通り今管理人さんがoverdoseしそうでヤバいんだよ! 関係ないことだったらあとにしてくれ!
「い、いえ。ちょうどその件なのですが……その、大変言いにくいのですが…」
「な、なんだよ! 早く言ってくれ!」
「……それ、ラムネらしいです」
………俺は管理人さんの手元から一つ錠剤を奪うと、口に放り込んだ。
「…………ラムネだわ」
俺とめぐみんの間にとても気まずい空気が流れた。
「…………帰りますか?」
「うん。疲れたわ。ダクネス、アクア。帰るぞ」
「う、うむ………しかしぴの殿はあのままでいいのだろうか?」
「気にしないであげてダクネス。ぴのって昔からこんな感じなの」
「そ、そうか……。……そういえばカズマ。お前に相談があるんだが…」
「ん? なんだよ?」
「みんなで一緒に『高校』に行かないか?」
「行かない」
「「「はやっ!」」」
俺は管理人さんの家から一番早く出て、一番早く帰宅したのだった。
「ダクネス。カズマは口ではあぁ言ってますが、案外あの人もツンデレなのです。私の紅魔族としての勘が言ってます。こういう展開では結局高校に行くことになると…!」
「やはりめぐみんもそう思うか。……たしかカズマは高校にほとんど行っていないのだろう? だからすんなりと行きたがると思ったんだが…」
「2人ともわかってないわね。カズマさん、あのカズマさんよ? ヒキニートでコミュ障なカズマさんが学校になんて行けるわけ」
「行ってやるよおおおおおおおお!!!!!」
アクアの言葉にムキになった俺は4人で高校に通うことになった。