真の男女平等主義者と真のクズのニートっぽい日常 作:東風ますけ
俺たち4人は俺が元々通っていた高校に通うことになった。
俺が死んだことはどうやら無かったことになっているみたいだ。多分エリス様が裏で頑張ってくれてるんだな。流石ホンモノの女神は違うぜ!
「……アレ、不登校の…(ヒソヒソ)」
「なんで急に……(ヒソヒソ)」
……やばい、おうち帰りたい。今すぐゆりねさんたちに慰めてほしい…。
同級生からの奇怪なモノを見る目から耐えながら、俺は担任から言われた席へと向かう。
……主人公席じゃないか。ちょっとテンション上がるぞ。
クラスの前の方では担任がホームルームを始めている。
……っと。そろそろ本題だな。
「今日は転校生を紹介する。3人とも。入ってきてくれ」
「「「「「おおおおお!!!!!」」」」」
男子たちが黄色い歓声をあげるのもわかる。あいつら、見てくれはいいもんな。見てくれは。
「じゃあ自己紹介をよろしくお願いします」
「はーい! えっと、”花園”アクアです! 得意なことは芸です!」
「……”花園”めぐみです。好きなものは爆裂です。好きな人は──まあこれは言わなくていいですか」
「……うむ。”花園”ララだ。よろしく頼む。得意なことは筋トレだ」
……そう、この3人、苗字を借りたのだ。名前もちょっと本名からいじってギリ居そうな感じにした。
「というわけで今日からうちのクラスの新しい仲間になる花園姉妹だ。みんなー、仲良くしろよー。……花園さんたちは窓側の後ろの方に座ってください」
「はーい!」
「わかりました」
「了解した」
スタスタと転校生どもがこちらに歩いてくる。
「よろしくね! 私はアクア!」
アクアはいつも通りだな。
「めぐみです。よろしくお願いします」
めぐみんはメガネをかけて三つ編みにしている。……可愛いな。
「ララだ。不器用だが、よろしく頼む」
ダクネスもメガネをかけておとなしめにしている。
「よう。俺は佐藤和真。好きなことは引き篭もること。よろしく」
この演技もクラスメイトを欺くためのカモフラージュだ。
何度でも言うがこいつら見た目だけは美少女だからな。同級生に勝手に嫉妬されたらめんどくさい。そのためにこんなふうに芝居を打っているわけだ。
「アイツ、急に来たと思ったら美少女転校生に囲まれてやがる」
「マジムカつく。あーあ、マジムカつくぜ」
……えっ。作戦失敗?
■■■■■■
「何が一体駄目だったんだろうな」
「全部じゃ無いかしら?」
「いえ、作戦そのものは良かったのです。問題は私達がカズマの周りにまとめて配置されたことですよ」
「うむ。今回は運が悪かったな。……しかし、アクセルと違って知り合いがいないからな。私たちがチヤホヤされるなんて、王都や隣国エルロードに行った時以来ではないか?」
ダクネスの言葉に俺たちは頷いた。
──放課後。俺たちは美味しいカレー屋さんのボンディに来ている。注文を済ませて雑談を続けていた。
「……そういえばこの中で学校を体験していないのはアクアだけか?」
「……そういえばそうね」
「たしかに私は紅魔の里の学園、レッドプリズンに通っていましたからね。ダクネスも貴族なので学校のようなものに行っていたんじゃないんですか?」
「いや、私は基本的に家庭教師に教えてもらっていたな。ほら、覚えているかわからないが、私は時々教師のような服装をするだろう? あの服は小さな頃に教えてくれた家庭教師のお下がりなんだ。お下がりといっても使っていない新品のスペアだったがな」
俺はふと思った。その家庭教師さんはダクネスと同じくらい胸が大きかったのだろうか? と。……いや聞く雰囲気じゃないな。
「ほー。シルフィーナが来たときに着てた服にそんなルーツがあったとは……お、ジャガイモが来たぞ」
「なんでじゃがいもが出るんですかね?」
「あのねめぐみん。いい言葉を教えてあげる。考えたら負け。そう! 考えたら負けよ!」
「ハハハ……アクアらしいな」
「エリスやダクネスが控えめなだけよ! ね! カズマ!」
「そうだな。でも俺は態度が小さいのも大好きだぞ」
俺はそう言いながら流し目でめぐみんの胸を見る。
「ちょっと待て。小さいというセリフの最中に何故私の方を見たのか説明してもらおうじゃないか!」
「そうよカズマ! めぐみんは最近はちょっと胸のサイズを気にしてるんだから!」
「そうだぞカズマ。めぐみんは人より発育が遅いんだからまだ成長する可能性はあるぞ」
「たしかにそうだな」
「納得しないでくださいよ!? アクアもダクネスもフォローしてる様に見せかけて煽ってるんですか???」
「「「カルシウム足りてる?」」」
「……黒より黒く、闇より暗き漆黒に、我が深紅の混淆を望みたもう……」
「「「ごめんなさい」」」
もう何年も一緒にいるからわかる。こいつ、やる時はやる女だ!
まあ、そんなこんなで俺たちの学園生活は始まったのだった。