あまりの不味さに
彼女からすれば、このように表現するだろう。彼女の手元には食べかけの悪魔の実と呼ばれる代物。
彼女は昔からほとんど寝て過ごしていた。
身体的には問題はない。むしろ、常人より遥かに高い身体能力を得ている。しかし、デメリットもあった。最低一日十二時間寝ないと脳がショートするというもの。
「おい! 大丈夫か!? てか、
赤髪の男──赤髪のシャンクスは彼女の肩を揺らしながらそういった。
「……どうした?」
「いや、目が覚めた気分」
シャンクスは
「ごめん。ちょっと家出する」
「待て! そもそも、船の上だ──ぞ?」
娘は海に身投げした。シャンクスは瞬時に武装色を纏い、ついでと言わんばかりに周りの海王類を覇王色の覇気で気絶させる。そして、海に飛び込み。
「どこだ! ネム!」
「いや、何やってんのシャンクス」
「……良かった。良かった」
娘──ネムは不思議な事に無事だった。シャンクスはネムが海の上に立っている事に一瞬驚いたが『娘が無事』という事実にひとまず安堵していた。
「おーい。船長無事かー?」
「おう! はしごかけてくれ!」
「あっこれ連れ戻されるやつだ」
「当たり前だろう」
シャンクスが軽く怒っている顔に少し青ざめながらネムは、大人しく船に戻った。
「なるほど。悪魔の実を食べて克服したのか」
「克服というよりも、相殺? 制御? と言った方が正しいと思う」
「そうか。ウタが居なくなってから満足に眠れなかったから心配してたが良かった」
「まあ、能力がなんか説明しにくいんだけど……目覚めた? というか、無かったものが嵌ったもいうかなんと言うか」
「……ヤソップ。悪魔の実の辞典もってこい」
「えー。面倒なんだが」
「武器の手入れしてるだけだろう?」
「へいへい」
ヤソップは嫌々ながらも、辞典を持ってくる。
「……なるほど」
「あった?」
「ああ。ネムネムの実……食べたものは若さを保ち、永遠の眠りにつくという睡眠人間になる実だな」
「ねぇ。普通の人食べたら死に等しくない?」
「そうだな。ハッハハ」
「間違っても自分の娘の席に置いとくもんじゃよね」
ネムが悪魔の実を食べた理由は寝ぼけていたからだ。一日に数時間程度しか活動しないネムは寝起きも悪い。幼い頃に妹との遊びに付き合うために寝起きを良くするように努めたおかげで十分程度で完全に覚醒するが、それでも寝ぼけていたのはネム自身も自分が悪いと思ったのでそれ以上は何も言わなかった。
「じゃあ、家出するね」
「待て待て。家出すると言って出ていく娘があるか」
ネムは、首根っこ掴まれて「グエッ」っと女の子が出していけない声を出したがシャンクスは気にせず椅子に座らせる。
「んでどこ行くんだ?」
「エレジア」
「……分かった」
シャンクスには止める気がなかった。旅に出たいと娘が言えば、快く出迎えるつもりでいたからだ。
「途中まで送ってやる」
分岐点
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計画遂行編
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海軍編