幻想の境界線   作:悪魔野郎

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そして新世界へ

 

 誰かが(かた)った。

 

 貧しきものには祝福と希望の。

 王足り得るものには叡智の。

 正しき反逆者には蛮勇の。

 愚か者には破滅の。

 

 民は彼の者の歌に鼓舞され、励まされ夢を見た。

 民は感謝した。すると彼の者はこう(かた)った。

 

「我こそは!♪ 歌の勇者なり!♪」

 

 そう言うと歌の勇者は何処かへ消え去る。

 

 風のうわさによると天竜人すらも手に掛けたと呼ばれているが真偽は不明。彼の者は今日も旅をする。

 嘆く声があれば何処へでも。

 悲しむのなら歌にしてしまえ。

 楽しいのも歌にしてしまえ。

 

「さあ。新世界は何処だ」

 

 今日も勇者は歌う。例え、世界から悲しむものが居なくなったとしても、勇者は誰かのために歌い続ける。

 きっと、死んでなお。

 

 彼の者、剣を持たず。盾を持たず。欲を持たず。

 彼の者、旗を持ち民を率いるものなり。

 

 

 

 

 

 

 きっと、私はこの生き方を後悔する。本当に聞きたい音はなく、それに近い煌く音を探すこの旅路。

 でも、一つの答えはこの心に刻まれている。

 

 私に誰かを幸福にする歌は作れない。

 私に誰かを救う歌は歌えない。

 

 きっと、この生き方は間違っている。

 それでも、ここに意味はある。魔王には勇者をぶつけるように、勇者にも()()()()()()

 嗚呼、私に行き方を教えてくれる王はどこだろう? 

 

「あのとき飛んでただろ! モモの助!」

「嫌じゃ! 空なんぞ飛びとうないでござる!」

「馬鹿やってないで行くわよ! ルフィ」

「そうだぞ! ルフィ」

 

 ……ああ、心地よい雑音だ。

 

「ん? 何だ? この音」

「確かに。音楽? ですかね……これはUTAの楽曲では?」

「UTA? 何だそれ」

「知らねぇのか? 歌姫UTAを」

「U・T・A! UTAちゃ〜ん! を知らないだとぉ!」

「少し前に突然居なくなった歌手よね。私も好きだったわ」

「本題に入れ。何でこんな何もねぇ海岸にこんな音楽が流れる」

 

 ……うん。ある程度有名になったと思うんだけどなー。まっいっか。

 

「そりゃ、私が居るからね。私の歌を聞いていかないかい? 海賊さん達」

 

 ルフィ達は気が付かなかった。派手な格好をした少女がいつの間にか船に侵入していたことに。

 

「誰だテメェ……どっかで会ったことあるか?」

「では、自己紹介から!」

 

 侵入者は声を上げて宣言する。

 

「私の名前はムジカ! 四皇シャンクスの孫娘にして、この世界を祝福するもの! そして、いつか自他ともに讃えられる歌の勇者になる女さ!」

 

 UTAのシンボルが描かれた旗を、勢い良く天に掲げながらムジカは新時代(ルフィ)に宣言した。

 

 ──歌の勇者エンド





時間軸的にはドフラミンゴ編の最初です。

かつての魔王はもう居らず、魔王を倒した勇者はもう居ない。
されど、勇者の意思は未だ死なず。
その歌は新世界へと羽ばたくのだ。

名前:ムジカ
・詳細
ネムの知識と技術、ウタの楽曲。そのすべてを継承し、確かな自我を獲得したかつての歌の魔王。
トット(小さな、少量のという意味)の名はとうに捨て、ウタとは違う方法で人々を救う事を目指している。
しかし、真の意味で「人」ではない彼女は人の心を完全に理解することは出来ない。心を理解することはできても、共感は出来ないのだ。
故に彼女はコンパスを探す。彼女に相応しい王の器を。

・作者コメント
一応この先も書けるけど、どっち書く?アンケート下さい。
余談ですが、ウタの事は結構好きなのであまり殺したくはなかったのですが、ネムを殺さないと世界終わりかけるのでウタには犠牲になってもらいました。
……済まないとは思ってる。

書く?

  • 歌の勇者の旅路(ドフラミンゴ編)
  • 海軍編
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