仮面ライダーキマイラ✕ソウルハッカーズ2 作:ボルメテウスさん
キーボードに指を走らせると、画面の中で無数の文字列が躍る。その動きをじっと見つめながら、老人は唇を引き結んだ。
「やはり、このままでは危険か」
ぽつりと呟く。老人は手を止めてしばらく考え込み、やがて意を決したように立ち上がった。椅子の背もたれに掛けてあった白衣を羽織り、部屋を出る。そのまま地下の研究室へ向かうと、部屋の奥に設置された装置の前に立った。
老人がスイッチを入れると、共にそこに保管された2つのカプセルを見つめる。
「それが、最後のベルトなんだね」
そんな老人に話しかける声が響く。
「特別な人間ではなくても、悪魔を操る事ができるこの時代において、本当にこれは必要な物かね」
そう、老人は後ろに話しかけてきた少女に振り返りながら言う。
「これからの戦いで、普通のデビルサマナーだけでは対抗できない。
だからこそ、現存するベルトで、最も強力なベルトが必要だからね」
そう少女は老人が手にしているベルトを見つめる。
「そうか、だが、忘れるな。
このベルトは、使いこなさければ変身者を殺す。
そして、悪人が使えば、世界を滅亡させる危険な力だ」
「終焉に挑むんだ。
それぐらい、必要な事だよ」
少女の言葉に、老人は再び前を向いた。
老人の目の前には、2つのカプセルがある。
1つは、機械的なパイプのラインが特徴的なベルト。
もう1つのカプセルにはクリアオレンジの本体にはタラバガニとワニの意匠があるスタンプ。
「それで、適合者はいるのか?」
「あぁ、既にね。
それじゃ、これは預からせて貰うよ」
そう言いながら少女はカプセルからベルトとスタンプを手にすると、そのまま部屋から出ていく。
「皮肉な話だよ。
最後のベルトが、最後の希望になるなんてね。
そうだろ」
そう、老人、ジョージ・狩崎は呟く。
湯気が立ち上る暖かな空間は、一日の疲れを取る場所だ。
脱衣所では老若男女を問わず様々な人が思い思いの時間を過ごしている。
仕事帰りのサラリーマンが多い時間帯ではあるが、今日はまだ人が少ない方かもしれない。浴槽に浸かりながら天井を見上げれば、湯気が漂う。
ここ、しあわせ湯が創業したのは昭和46年であり、創業以来多くの客が利用している。
今となっては珍しくなった番台式になっており、今では珍しい自動ドアではない扉を開けるとそこには昔懐かしい光景が広がっていた。
脱衣所の隅にある扇風機の前では常連のおじさん達が世間話をしているし、お風呂上がりの牛乳を飲むために冷蔵庫の前には若い女の子達が集まっている。
そんな光景を見ながらも、その店の店主の息子である五十嵐式はそっとため息をつく。
別に嫌味とかそういうものではなく、ただ単純に自分がこの場に不釣り合いな人間だと思えて仕方がないのだ。
そう考えていると、1人の女性が入ってくる。
この辺では見かけない三角状のパネルが組み合わさった特徴的なジャケットを着ている緑髪の少女だ。
俺はその事に疑問に思っていると
「へぇ、ここが銭湯なのか。
情報では知っていたけど、実物を見るのは初めてなんだよね」
1人で呟く少女に俺は少し見つめている。
「あぁ、いけないいけない。
ここに来たのは例の彼を見つけないといけなかったからね」
はっとして周りをキョロキョロと見渡していた。
そして俺と目が合うと、こちらに近づいてくる。一体何の用なんだろうか?
そう思いながらも彼女を迎えるように待っていると彼女は突然、俺を見つめていた。
「君が五十嵐式で間違いないかい?」
「えっ?」
ただならぬ雰囲気に思わず驚きの声を上げてしまう。
なぜこの人は俺の名前を知っているんだろう。
「えっと、君は」
「私はリンゴ。
Aionからの使者で、今回は君に用があって来たんだ」
「Aionって、何?」
まさかの電波系か何かかな。
それとも最近流行りの痛い子ちゃんか。どっちにしろ関わりたくないなと思いながら話を続ける。それにしても、本当に何を言っているのか分からない。
とりあえず会話をしてみるしかないな。もしこれで変人だったら、警察にでも突き出せばいいだろうし。警察なら多分、対応してくれるだろう。
というわけでまずは普通に話しかけて
「あっ、君、今、私の事を電波系とか、痛い子だと思ったね」
「えっ!?」
まさに考えていたことをズバリ言い当てられてしまい、またも驚いてしまう。
そんな俺を見てか、目の前のリンゴはくすりと笑っていた。その笑顔はとても無邪気なものに見える。
ただその表情とは裏腹に、リンゴの目は真剣そのものという感じだった。だからなのか、その瞳から目を逸らすことができない。
まるで吸い込まれるような感覚を覚えてしまった。
そんな不思議な魅力を持っている女の子だと思う。
「まぁ、そう疑う気持ちはあるのは分かる。
けど、私としては、今回、ここに来たのは本当に君にある願いがあってね」
「俺に?
いや、俺はただの学生だが」
「君はただ単に気づいていないだけさ。
それに、そろそろ本格的に危険だからね」
「何を言って」
そう俺が疑問に思っていると、悲鳴が聞こえる。
何が起きたのか、見てみると、入り口にいたのは、悪魔だった。
「なっ、なんで、こんな所にっ」
「想定よりも早く来てしまったようだね」
その言葉と共にリンゴは懐から出した銃を悪魔達に向けて引き金を引く。
すると放たれた銃弾が悪魔の体を貫いた。どうやら普通の武器じゃないらしい。どういう原理か分からないが、とにかくすごい威力なのは確かだ。
一発で仕留めてしまうなんて。
「さて、色々と説明したい所だけど、どうやら、ぶっつけ本番みたいだね」
その言葉と共に彼女はそのまま俺に向けて、何かを投げた。
慌てて、俺は受け止める。
「これって」
そこにはベルトとバイスタンプの二つだった。
なぜ、こんなのが、ここに。
「君へのお願い。
それは、君に仮面ライダーになって、悪魔と戦って貰いたい」
「なっ、なんで俺にっ」
ただの一般人にそんなことを頼む理由が分からなかった。
「このままでは、ここの銭湯の客が犠牲になる。
君が戦わなかった場合、これは100%の確率でね」
そうリンゴは俺に問いかける。まるで断言するような言い方に思わず、納得しそうになる。
そして、それを証明するように、悪魔は客を襲おうとした。
「さぁ、君の力を見せてくれ」
『ツインキメラ!』
それと共に、俺は自然と手に持ったスタンプを起動させる。
スタンプから鳴り響く音声に疑問に思いながら、俺はそのままスタンプを腰に装着したベルトに装填する。
『キング! ダイル! Come on! キメラ! キメラ! キメラ!』
鳴り響く音声と共に、俺はゆっくりと目の前にいる悪魔に向けて、構える。
「変身!」
その叫び声と共に、俺はそのまま装填されていたスタンプを横に倒す。
『スクランブル!』
蟹の鋏と鰐の顎のエフェクトが形成され、同時に閉じると共に、俺の身体は大きく変わっていた。
『キングクラブ! クロコダイル! 仮面ライダーキマイラ! キマイラ!』
そう、ベルトから聞こえる音声と共に、ようやく俺が姿が変わった事に気づく。
オレンジや銀の装甲で、胸部はカニを模しており、右肩にはワニを模した装甲が施されている。
「これが」
「それこそが、君の悪魔の力。
仮面ライダーキマイラだ」
そう、リンゴからの言葉を聞きながら、戸惑いを隠せなかった。
「ほら、ぼさっとしない。
既に敵は襲い掛かってきているよ」
その言葉と共に、正面を見ると、俺を襲い掛かってきた悪魔の一体であるイッポンダタラがその手に持つ鉄槌を勢い良く振り下ろす。
その攻撃に対して、驚きを隠せず、思わず正面の攻撃を守るように両手を交差させる。
しかし、襲い掛かったのは痛みではなく、まるで鋼鉄で跳ね返るような音だった。
同時に襲い掛かっていた悪魔はそのまま後ろへと大きく下がっていた。
「はあぁぁぁ!!!」
困惑を隠せないが、それでも本能なのか。
俺はそのままイッポンダタラに向けて、そのまま一回転回し蹴りを放つ。
すると、先程まで脅威だと思っていた悪魔はそのまま壁へと激突し、そのまま消滅する。
「へぇ、カニの防御力と、ワニの攻撃力。
それらが合わさった姿という訳か」
そう、俺の戦闘を見ていたリンゴはまるで関心するように呟く。
「おい、これって、一体どうなっているんだ!!」
「質問は後で答えるよ。
それよりも、ほら、次の敵も来ているよ」
リンゴの言葉を聞くと共に見つめると、先程倒した悪魔以外にも、多くの悪魔達が既にこちらに迫っていた。
未だに聞きたい事が多くあるが、この脅威をどうにかしないと、話はできない。
「あとで、事情はちゃんと聞くからな!!」
「はいはい、いってらっしゃい」
そうリンゴの軽い言葉を聞きながら、俺はすぐに悪魔達に向かって行く。
迫り来る悪魔から銭湯の客を守る為に、集団で襲い掛かる悪魔を一気に外に追い出すように、俺はそのまま拳を振り上げた。
ただのパンチとは思えない程の轟音と共に、目の前の悪魔の体は一瞬にして消し飛び、更に周囲の敵を外へと吹き飛ばす。
同時に路地へと飛び出すと共に、俺の周囲を囲むように悪魔達が構える。はっきり言って、今の状況はかなり厳しい。
こうしている間にも、次々と迫ってくる悪魔達に対処しながら、銭湯にいるお客さんを守らないといけないからだ。
「俺が狙いならば、こっちに来い!!」
俺はそう、悪魔に叫ぶ。
その言葉と共に悪魔達は一斉に俺に襲い掛かり、そして、俺はそれを迎え撃つ。
2体の悪魔が左右から俺に掴みかかり、そして、2体同時に殴りつける。
1体目の悪魔はその衝撃によって後方へと吹き飛ばされるが、しかし、もう一体が俺に爪を立てようと腕を振るう。
俺はすぐに腕でその攻撃を受け流すと共に、そのまま流れるように蹴り上げを行う。蹴り上げられた悪魔の腹部には大きな穴が空き、そのまま消滅していく。
3体目が俺の背後から襲い掛かろうとした瞬間、俺の背中から大きなハサミが飛び出し、3体目の腕を切り裂き、そのまま地面に叩き落とす。
4体目は俺が放った前足による引っ掻き攻撃をまともに受け、そのまま後方に倒れ込むと同時に、そのまま消滅した。
「どんだけ来ているんだよ、こいつらはっ!!」
そうしながら、俺はなんとか攻撃を防ぎながら、未だに先の見えない悪魔の集団を睨む。
「式」
そうして、俺が目の前の悪魔を睨んでいると、共に聞こえたリンゴの声。
「今から銃弾を撃ち込む。
そこにライダーキックを叩き込め」
「銃弾って、どういう」
「諦めるのかい?」
「そんなつもりはない!!」
正論を言われて思わず声を上げる。
「だったら、合わせてくれよ」
その言葉と共にリンゴはそのまま銃を構える。
俺もそれと共にまるで身体がその動作を覚えているようにベルトを操作する。
『クロコダイルエッジ!』
同時に俺はそのまま跳び上がると共に、リンゴはそのまま銃弾を撃ち込む。
それは一体の悪魔だった。
俺はそのまま脚に纏ったワニのエフェクトと共に、真っ直ぐとその悪魔に向かって、蹴りつけた。
ワニのような顎が開き、悪魔を噛み砕く。
それと同時に、その悪魔を中心に地面は巨大な亀裂を作り出し、周辺にいた全ての悪魔を巻き込んで、爆散する。
ただでさえ、狭い路地裏は、爆風と砂煙により視界が遮られる。
見渡せば、既に悪魔がいない事がよく分かる。
「勝てたのか、にしても、疲れた」
これまで、喧嘩すらした事がなかったはずなのに、何故ここまで戦えたのか?
疑問はあるが今はそれよりも、銭湯のお客さんの安否を確認しないと。そう思いながら、俺はゆっくりと歩き出した。
「これは予測以上だね。
まさかライダーシステムをここまで使えるとはね」
「ライダーシステムって、もしかして50年前の」
「そう、骨董品と言っても良い。
けど、それがこの世界の終焉から救う為の重要なアイテムさ」
「それって、どういう」
「まぁ、話は後にしよう。
それよりも銭湯に入ってみたいんだよねぇ」
「ちょっ」
俺の疑問に答える訳ではなく、リンゴはそのまま銭湯へと入っていった。
一体、これから、どうなるんだ。
「プロテクト、限定解除。
私はリンゴ。Aionからの情報を伝達するね。
今回の情報は、バイスタンプ。
今から100年前に中南米の遺跡で発見された謎のスタンプを解析し、80年前に狩崎真澄が開発した代物だ。
ティラノサウルスや鷲など、現生種・絶滅種を問わず強力な生物の遺伝子情報を内包しており、押印した対象にその能力を授ける。
だがその本質は人間の体内に潜む悪魔を覚醒させ、遺伝子情報を取り込んだ悪魔獣として実体化させる悪魔召喚機なんだ。
けど、その生成される悪魔はほとんどがギフジュニアと呼ばれる悪魔ばかりで、実践向けではないとされており、現在は様々な悪魔を召喚ができるCOMPがほとんどのデビルサマナーが持っている。
けど、バイスタンプの本来の力を発揮できるシステムがあるらしいけど、今はほとんど残っていないらしいけど。
今回の情報はここまで。
そして、次回の情報。
私と出会った式君。
けど、未だに仮面ライダーという覚悟はできていないけど、そうしている間に次の事件が起きるようだよ。
果たして、どうなるのか。
覚悟を決めるのは、速攻にやった方が良いよ。
次回もお楽しみに」
デビルライダー達の戦いで描くのは
-
王蛇VSカリス
-
エターナルVSサソード
-
ソーサラーVSオーガ
-
デュークVSバロン
-
4号VSチェイサー
-
パールクスVSBLACKSUN