仮面ライダーキマイラ✕ソウルハッカーズ2 作:ボルメテウスさん
港町の中を歩く式とリンゴ。
リンゴの言う護衛対象を見つける為に歩くが、その人影はあまり見えない。
「本当にここに?」
「そうだね、早く見つけたい所だけど」
そうリンゴは周りを見渡していると共に共に倉庫の間にある小さな道を見つける。
疑問に思い、リンゴはその小さな道の中へと入っていく。
「……見つけた、けど」
「リンゴ?」
リンゴの一言を聞き、疑問に思った式だったが、リンゴの視線の先を見て、その答えが分かった。
そこには一人の若者がおり、年齢としては式に近い男性だった。
その手に持っていたと思われる銃が近くに落ちており、地面に倒れていた。
そう、彼は既に死んでいた。
それは、額にある銃弾の跡だと思われる穴がその証拠だった。
「あちゃぁ、これはとんだファーストコンタクトだねぇ」
リンゴは、その保護対象の様子を見て、困ったように首を傾げる。
「遅かったのか、それに人が」
同時に式は困惑するように目の前にある死体を見る。
式自身、これまでの日常生活ではほとんど無縁だった人殺しが、今、目の前に起きている。
それに式は思わず嘔吐を隠せなかった。
対して、リンゴはそんな式とは裏腹に、これまで通りの普通の態度で見つめる。
「繋ぐね。見える?
β君はご覧の通り。
死因はわざわざ挙げるまでもないね、銃で撃たれている。脳天を一発」
そう、どこかに現状の状況を伝えるリンゴ。
「さてと。
式、悪いけど、周囲を警戒してくれる」
「リンゴ?」
そうしている間にも、リンゴはそのまま青年の前に屈む。
「ソウルハックを使ってみる。
魂がまだ残留しているなら、彼をかき集められるはず」
「ソウルハック?
それは一体」
「まぁ簡単に言えば、魂に直接繋がる方法かな?
正直に言うと未だに不明な所があるけど、この状況だからね。
有効活用しない手はないでしょ」
「リンゴ」
「という事で、お願いね。
式、あなたが守ってくれる事を、私は信じているから」
そう言ったリンゴは不適な笑みを浮かべる。
「あぁ、分かった。
こっちは任せろ」
その言葉と共に、リンゴの言葉に頷く。
そう、先程出会ったばかりだが、なぜか信用できた。
同時に式はそのまま腰にキメラドライバーをつけて、何時でも戦えるように準備をした。
「非常事態時における特例を適用。
自己規定を暫定的に改変。セルフチェックのプロセスを省略」
そうリンゴが呟くと共に、リンゴの瞳は赤く輝く。
「プロテクト限定開放。
術式、ソウルハック」
その一言と共に、周りの空間は一瞬だけ、まるで宇宙のように暗くなる。
何が起きたのか分からず、困惑している式を余所にリンゴはそのまま動き続ける。
「シーケンス開始」
その言葉と共に、リンゴはそのまま目の前にいる青年に対して何かを行い続ける。
見つめる先で起きているのは、まるで幻想的で思わず見惚れてしまっていた。
やがて、それらが全て終わる頃には、式の目の前には信じられない光景があった。
「嘘、だろ」
明らかに致命傷だったはずの額の穴は塞がっていた。
やがて、何事もなかったように勢い良く、青年は起き上がる。
「おかえり」
そんな青年に対して、リンゴは軽口を叩くように聞いていく。
「もしもーし? 魂入ってる?」
「あんたはリンゴ。Aionのリンゴ」
「よかった。うまくいったみたいだね」
そう、リンゴは上手く行った事に安堵していた。
「リンゴ、これは一体」
何か助かる方法があるとは聞いていたが、それでも式は目の前に起きた出来事に困惑していた。
それは生き返っていた青年も同じだった。
「君は一体」
「彼は五十嵐式。
私の協力者だよ」
「五十嵐?
まさか、あの五十嵐なのか!」
そう式の名字を聞くと青年は驚きを隠せなかった。
「へぇ、やっぱり有名人みたいだね」
「当たり前だ。
五十嵐家はかつて世界を救った英雄だからな。
何よりも現在もブルーバードとヤタガラスは協力関係にあるからな」
「それって、確か大二さんが活動している」
五十嵐大二に関しては、式もよく知っている。
50年前から活動している組織であり、様々な超常犯罪から人々を守り、さらには更生活動を行っていた組織としても有名だ。
その功績もあって、人々からは強い信頼が置かれている組織である。
「全部、夢じゃないんだよな」
「夢なんかじゃないよ。全部現実。
脳天を打ち抜かれて、ぶっ倒れていたアロウ君はAionの超パワーで見事に生き返りました」
「そこまでの力が」
そう、式は思わず呟いてしまう。
「まぁ、傷に関しては魂の復元の副次的な効果だけどね。
形を保とうとする作用であるホメオスタシス。生命が持つ当たり前の力なんだけどね。
まぁ、ソウルハックで魂の潜在能力を引き出せば、そんな事もできちゃうって事」
そうリンゴは言ったけど、式にはいまいち理解できなかった。
ただ、式が理解できたのはリンゴの力が規格外という事だけだった。
『いやぁ、本当にとんでもない少女ですね』
「あぁそうっ」
そう、式の言葉に同意するような声が聞こえる。
式は思わず、振り向いた。
しかし、そこには誰も居なかった。
「んっ?」
「どうかしたんだい、式?」
そんな式の様子が可笑しい事に疑問に思ったリンゴは首を傾げた。それにつられて式も首を傾げる。どうにもおかしい。確かに聞こえたのだ。
誰かの声が。なのにその姿が見えない。
「それよりも式、聞いていたかい?
これからミレディという女性を探しに行くんだよ」
「あっあぁ、そうか」
上の空だった式だったが、その言葉には素直に反応した。
今はとにかく、動くが先決だ。
幸い、今は特に問題もない様子だった。
ただ問題は……。
チラリと式は自分の隣を見た。
そこには相変わらずリンゴの姿がある。彼女は何故か式の腕にしがみついていた。
「えっと、リンゴ」
「ふむ、式、先程何か感じなかったか?」
「えっ、うぅん、確かに何か感じたように思ったけど」
……何だろう、この違和感は。まるで自分の中にもう1人別の自分がいるような感覚だ。
「……ふむ」
「えっと、リンゴ、いきなり何を」
「いやいや、なんでもないよ」
はぐらかす様に笑うとリンゴはそのまま歩き出した。
その動きに合わせて式も歩く。
彼女の歩幅に合わせるようにして、式は足を進めた。
「先程、触った時に感じた気配。
悪魔なのは、間違いない。
という事は、たぶん」
そうしながら、リンゴはそのまま式を見つめていると。
「アロウっお前!
カブラギさんが殺ったはずじゃっ! 情報の行き違いがあったのか!?」
そうしていると、柄の悪い男が式達の前に立っていた。
「彼は? お友達?」
「ファントムソサエティのデビルサマナーだ。
奴らもミレディを追ってここまで!」
「ファントムソサエティ?」
まるで聞いた事のない単語に、式は首を傾げる。
「ふぅん、敵っていう事ね」
「この野郎、今度は俺が仕留めてやる!!」
その言葉と共に、柄の悪い男はその手に槍型のCOMPを構える。
「二人共、サマナー戦の経験は!」
「ない」
「俺はそもそもサマナーじゃないからな」
アロウは慌てて、式とリンゴに聞くが、即答で答えた。
「だったら、ここは下がって」
「大丈夫。戦いながら覚えるから。
何よりも式君はサマナーじゃないから、その必要はないけど、フォローよろしくね、先輩」
「サマナーじゃないって、一体」
「ごちゃごちゃ五月蠅ぇ!」
同時に柄の悪い男はそのままもう片方の手にはバイスタンプが握り絞められていた。
「まったく、バイスタンプって、もうほとんどないんじゃなかったのかなぁ?」
「ファントムソサエティはデッドマンズにも深い繋がりがあった組織だ。
ギフが大いなる存在に使者だと考え、協力していた事もあって、ファントムソサエティにも大量のバイスタンプが流れていた」
「なるほどねぇ」
「このバイスタンプは使用する人間によってはただの役立たずになるが、俺だったら!!」その言葉と共にバイスタンプをそのまま身体に押し込む。
同時に柄の悪い男から飛び出したのは蟻型のデットマンだった。
「蟻のデットマンか」
「こいつは幾らでもすぐに呼び出す事ができる。
持ち主次第で、幾らでも強くなるのが、バイスタンプの良い所だぜぇ!!」
「それには賛成かもね。
けど、悪いけど、その程度の奴だったら、十分かな」
それと共にリンゴもまた、構える。
「悪魔召喚プログラム、ブーストアップ」
同時にリンゴの足にあった入れ墨は実体化し、刀となった。
「へっ、そんな武器じゃ」
「あぁ、こっちを見ていると、終わっちゃうよ」
「何を『キングクラブ! クロコダイル! 仮面ライダーキマイラ! キマイラ!』へっ」そうしている間にも柄の悪い男が召喚したデットマンは瞬く間に吹き飛ばされる。
それはキマイラに既に変身していた式の拳によって、吹き飛ばされたからだ。
「なっ、あれは」
「仮面ライダーだとっ!?
馬鹿な、量産型はこの前の作戦で全て破壊されたはずっ!!」
「いやぁ、これは特注品でね。
キメラドライバー、現存する悪魔の力を使う最後のベルト。
その力は、見ての通り」
そう不適な笑みを浮かべるリンゴ。
「ちっ、この野郎!!」
そうしている間に柄の悪い男は槍を式に向けて、振り下ろす。
だが、その瞬間、槍は何かに吹き飛ばされ、同時に男も凄い勢いで吹き飛ばされる。
二つの衝撃に、驚きを隠せない男は吹き飛ばされてしまい、戦いは終わった。
「あぁ、もぅあっさりと終わっちゃたじゃないか」
「まさか、ここまですぐに終わるとは、思わなくて」
そう言いながら、式は未だに感じる違和感に首を傾げる。
「アロウ、それで、んっ?」
そうしていると、アロウは銃を構えていた。
「アロウ、何をしているんだい?」
「悪いが、そいつは一体何なんだ」
「何って、式だけど?
変身して、姿が変わったから少し混乱している?」
そうリンゴは呆れたように言うが
「俺が聞いているのは式の方じゃない。
その後ろにいる奴だ」
「「っ」」
式とリンゴはその言葉を聞いて、すぐに振り返る。
先程、男を吹き飛ばしたのが、アロウが放った弾丸だと思っていたからこそ、その言葉には驚きを隠せなかった。
二人はすぐに振り向くと、そこにはワニを思わせる斧と蟹を思わせるハンマーが地面に突き刺さった。
同時にその二つはゆっくりと宙に浮かぶと、その姿は変わる。
そこには黒いボディに尖った耳、地面まで届くワニを思わせる長い尻尾、白いオールバックの髪、仮面ライダーのような黄色い複眼が特徴な存在だった。
「こいつは一体」
「ふむっ」
それと共に、その存在はゆっくりと式達を見つめる。
それと共に周りを見渡す。
「……えっと、誰の事を言っているんですか?」
「いや、お前だよっ!!」
それと共にアロウは思わず叫ぶ。
「えっまさか、吾輩!!
いやいや、吾輩、ずっと一緒にいたよ!!」
「ずっとだと、そんな訳は」
「もしかしてだけど、お前、俺の悪魔か」
そう、式は思わず質問してしまう。
「その通り!
では、ここで自己紹介させて貰おう!
私は、私は」
そう言っていると、目の前にいる悪魔は言葉に止める。
「私の名前、なんでしょう」
そう悪魔は少し間抜けな質問をする。
「名前がないの?」
「えぇ、実は意識がはっきりしたのは、つい最近ですから。
具体的には、式さんがキメラドライバーを使い始めたぐらいですからね」
「なるほど、その時からか。
それじゃ、名前は、マイラでどうかな?」
「マイラ、それはどういう意味ですか?」
「マイラは、キマイラから取らせて貰ったよ。
リバイとバイス、二人合わせてリバイスだから、それに合わせてね」
「マイラですか、なかなかに良いですね。
とりあえず」
それと共にマイラはゆっくりとリンゴに近づく。
「リンゴさん」
「何かな?」
「パンツ 見せて貰っ「アウト!」おっとぉ!!」
マイラが呟こうとした一言を、式が止める。
「プロテクト、限定解除。
私はリンゴ。Aionからの情報を伝達するね。
今回の情報は、マイラ。
式の体内に潜む悪魔で、その容姿は過去に仮面ライダーリバイスとして活躍したバイスやベイルにとても似ている。
違いとしては彼らとは違い黄色になっているのが特徴的だ。
性格は非常に陽気でおおらかな、大抵のことは笑って許せる器の大きいようだけど、性欲に対しては「バカ」が付くほど正直な様子だね。
彼の一面がこうとは少しびっくりだけど、果たしてマイラはどんな活躍をしてくれうるのかな?
そして、次回は本格的にマイラと協力していくそうだ。
彼の事もどうやら、お知らせがあるらしいからね、皆も楽しみにね」
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