この時期にあれこれの装備があったかは気にしてはいけない
掲示板:関東定例会スレ
【情報】関東地方定例会スレ【雑談】61発目
61:名無しの鯖ゲーマー
最近田舎物騒だけどどうなってんの?
今日行くはずだったフィールド、付近に熊がでたとかで急遽定例会中止になってんだけど
62:名無しの鯖ゲーマー
あー最近結構あるね
フィールドあるの田舎が多いから困るよな
63:名無しの鯖ゲーマー
警察は何してんだよ、こういうときになんとかするのも仕事でしょ
64:名無しの鯖ゲーマー
そこは猟友会じゃねーの
65:名無しの鯖ゲーマー
でもここ数年、田舎じゃ熊なんかの野生動物に殺されるとか行方不明とか増えてんぜ?
66:名無しの鯖ゲーマー
都会じゃあんまきかねーな、田舎特有のなんかじゃね
67:名無しの鯖ゲーマー
田舎馬鹿にすんなし
68:名無しの鯖ゲーマー
今日も警察が出張る事件あったぽいし、やーねー
ttp://wahooo.com/xxxxxxxx
69:名無しの鯖ゲーマー
サバゲも盛り上がってきてるのに水さすこういう事件困るよな
70:名無しの鯖ゲーマー
今日千葉のFESフィールド行ったんだけど
めっちゃ可愛い子きて眼福だった
71:名無しの鯖ゲーマー
下半身直結野郎かよ……
72:名無しの鯖ゲーマー
ちゃんと接待した?
73:名無しの鯖ゲーマー
最近女子もサバゲするんすねぇ
74:名無しの鯖ゲーマー
雑誌なんかも女子へ流行らせようといろいろ画策してるぽいしなぁ
75:名無しの鯖ゲーマー
可愛い=実際にはそこまででもない、だろ目が腐ってんだよ
76:名無しの鯖ゲーマー
野郎ばっかり学校の小数女子みたいなもんだろ
引きこもってないで街にでろよ
77:名無しの鯖ゲーマー
いやまじ可愛かったって、顔も整ってたしスタイルも良く
なにより髪の毛が白かった
78:名無しの鯖ゲーマー
髪の毛が白いとか、病気かコスプレガチ勢かなんかかな
79:名無しの鯖ゲーマー
アルビノってやつ?
80:名無しの鯖ゲーマー
おばーちゃんなんですかね(呆
81:名無しの鯖ゲーマー
髪の毛の根元黒くなかった?
82:名無しの鯖ゲーマー
おっぱい、おっぱいはどうだったの!?
83:名無しの鯖ゲーマー
胸部装甲の厚さには興味がありますねぇ
84:名無しの鯖ゲーマー
これだから性欲で生きている野郎は……
85:名無しの鯖ゲーマー
>>84
興味ないの?
86:名無しの鯖ゲーマー
ありまーーす!!
87:名無しの鯖ゲーマー
素直でよろしい
88:名無しの鯖ゲーマー
草
で、一人で来てたの?それとも友達と?
そこんとこどうなのよ
89:>>70
肩まで伸ばした綺麗な白髪と若干たれ目っぽい感じが眼福でございました
服装もふわふわしてお嬢様っぽかった
>>80 年寄りの髪とは違ってきれいだったよ。なんだろう光り輝いてるみたいな?
>>82 服の上から確認できるほどでしたのでそれなりにあると愚考する次第です。
90:名無しの鯖ゲーマー
ふわふわってなんだよ
91:名無しの鯖ゲーマー
胸部装甲には期待できそうですねぇ
92:名無しの鯖ゲーマー
あまりにもひどいファッション感
ファッション雑誌みて勉強してもろていいですか
93:名無しの鯖ゲーマー
これだから男子の服装感は……
94:名無しの鯖ゲーマー
なんでお嬢様みたいのがサバゲフィールドにくるんです?
普通こねーだろ
95:名無しの鯖ゲーマー
ちょっと場違いっぽいけどなんだろ、見た目だけで行動が破天荒だったり?
96:名無しの鯖ゲーマー
俺もその場にいればなー声かけたのになー
97:名無しの鯖ゲーマー
>>96 どうせキョドッて無理だろwww
98:名無しの鯖ゲーマー
>>97 はぁ?できるし
99:>>70
>>94 彼氏と思わしき若い男と一緒に車できてた
100:名無しの鯖ゲーマー
>>彼氏
はい解散
101:名無しの鯖ゲーマー
なんだよ、彼氏付きかよ、
>>99 あっ、君帰っていいよ
102:名無しの鯖ゲーマー
解散すんなし
103:名無しの鯖ゲーマー
彼氏と一緒となると、趣味に付き合わされてるのかな、かわいそ
104:名無しの鯖ゲーマー
時々いるよね、つまんなさそうだけどさ
105:名無しの鯖ゲーマー
そうすると男のほうがイケメンだったのか?
106:>>70
いや彼女さん参加したし、装備もガチだったよ
>>105 顔は普通だったかなぁ、ただ体が大分鍛えられてたね
107:名無しの鯖ゲーマー
まじかよ
108:名無しの鯖ゲーマー
ウホッ
109:名無しの鯖ゲーマー
ホモは帰れw
110:名無しの鯖ゲーマー
これはもしかして彼女の趣味に付き合わされる系男子の可能性が?
111:名無しの鯖ゲーマー
二人の装備どうだったの?
気になってきた
112:名無しの鯖ゲーマー
装備だけガチなコスプレ勢かもしれん
113:>>70
女の子のほうは
下はカーゴパンツにごついブーツ、上はジャケットの上にプレキャリ着て、髪の毛をポニテ?にして帽子にイヤーマフ
あ、ゴーグルとフェイスガードも付けてた
銃はM4カービンに伸縮式ストック、拳銃もあってベレッタだった
男の方はほぼ陸自コスプレ
陸自迷彩に防弾チョッキ2型とヘルメットと半長靴、89式小銃にガバメント
114:名無しの鯖ゲーマー
装備金掛かってていいなぁ
115:名無しの鯖ゲーマー
男の方陸自マンなんか、それとも装備ガチ勢か、どっちにしろ金ありそうでいいなぁ
116:名無しの鯖ゲーマー
まあ装備よくてもサバゲ上手いかは別だから
117:名無しの鯖ゲーマー
時々装備ガチ勢おるしな
この前WW1フランス兵な人おってビビったわw
118:名無しの鯖ゲーマー
車乗ってて装備に金掛けられるとかちね
119:名無しの鯖ゲーマー
嫉妬マン乙
120:名無しの鯖ゲーマー
自分で金稼げよ。稼いだ分だけ使えるぞ
121:名無しの鯖ゲーマー
男の方実は若そうに見えてそこそこ行ってる?
じゃないとなかなか金掛けられないっしょ
122:名無しの鯖ゲーマー
で、フィールドではどうだったんよ
装備だけの見掛け倒しだったの?それとも俊敏に動いてた?
123:>>70
めっちゃ動き良かった。
なんなら映画みたいだった
124:名無しの鯖ゲーマー
嘘やろ
125:名無しの鯖ゲーマー
男のほうが?
126:名無しの鯖ゲーマー
装備だけでなく動きもガチであったか
127:>>70
いや女の子のほうも
128:名無しの鯖ゲーマー
いやいやいや、ないやろ
129:名無しの鯖ゲーマー
動画とか取ってないの?ちょっと信じられんけど
130:名無しの鯖ゲーマー
見目良くてサバゲも動けるとか天は2物を与えるんやな
131:名無しの鯖ゲーマー
サバゲが2物目でいいんですかね
132:名無しの鯖ゲーマー
そこは運動神経だろw
133:名無しの鯖ゲーマー
画像まだー(チンチン
134:>>70
写真撮って良いですかって聞いたらNGだった
135:名無しの鯖ゲーマー
えー
136:名無しの鯖ゲーマー
根性なしめ
137:名無しの鯖ゲーマー
隠し撮りの一つもないんかい!
138:名無しの鯖ゲーマー
>>137 いや犯罪じゃねーかw
139:>>70
まあでも、さすがに集合写真には写ってる……な
フィールドのホムペには1枚乗ってた
ttp://FES-field/xxxxxxx
この左端っこの方
140:名無しの鯖ゲーマー
あーこれか、確かに装備ガチだな
141:名無しの鯖ゲーマー
画像があらすぎて拡大したら顔わかんねーじゃねえかよ!
142:名無しの鯖ゲーマー
身長もデカ目なんだな二人とも
もしかして男180で女の子170くらいねえか?
143:名無しの鯖ゲーマー
確かに髪の毛白っぽいな
144:>>70
>>142 たしかに女子にしてはデカかった、俺170なんだけど俺と同じかもしかしたらデカいまである
で、フィールド上の動きだけど、まじ映画の特殊部隊っぽかった
銃口はビシッと上下に動かないし、頭も動いてなかった
俺と仲間は女の子の敵チームだったんだけど、一番最初の雰囲気は『顔には当てないようにしないとなー ハハハ』
な感じだったが、1ゲーム目に無双されてふっとんだからな
145:名無しの鯖ゲーマー
おいおいまじかよ、ちょっと信じらんねーぜ
146:名無しの鯖ゲーマー
お前さんが下手っぴだったんじゃないの?
147:名無しの鯖ゲーマー
接待もすぎると嫌味だよ?
148:名無しの鯖ゲーマー
動画まだー
149:名無しの鯖ゲーマー
動画無理だろwww でもそこまで言われるとちょっと見たいな
来週また来てくれないかな
150:>>70
>>146 俺たちがそんなに上手くないのは否定できないが、あっちが上手すぎるんだって
フィールドの人も焦ってバランス取り苦労してたで
でも流石に無傷とはいかなかったみたいで、俺たちが超絶弾幕はったら倒せることもあった
特に男の方はガタイがでかいせいか割りと当たってた
151:名無しの鯖ゲーマー
いやーさすがに大人げなくねえか?
152:名無しの鯖ゲーマー
でも流石に無双するやつには10人くらいでかからね?
ほっとくとそれだけで負けるしさ
153:名無しの鯖ゲーマー
突出して強い人の扱い結構困るよな
154:名無しの鯖ゲーマー
でもそんな人ほぼいなくね?俺当たったことないぜ
155:>>70
そういや他のチームで着てた人が動画取ってたよ
156:名無しの鯖ゲーマー
まじか……でもこんな場末の掲示板にくるわけねえよな
157:名無しの鯖ゲーマー
声かけなかったん?
158:名無しの鯖ゲーマー
you○ubeにアップされてないか探してみるか
159:名無しの鯖ゲーマー
nico○icoのほうかもしれんぞ
160:名無しの鯖ゲーマー
動画取ってた人マダァ?(・∀・ )っ/凵⌒☆チンチン
161:名無しの鯖ゲーマー
どうも動画取ってたチームです
162:名無しの鯖ゲーマー
草
163:名無しの鯖ゲーマー
来たのかよw ウッソだろw
164:名無しの鯖ゲーマー
>>161 まってたぜ!
165:>>70
>>161
あっどうも、今日はお疲れ様でした
いやー女の子強かったですね
166:>>161
>>165 どうもどうも、いやほんと見た目とは裏腹にクソ強かったですね
動画ですけど、アップしました
一応うちのチームの見直し用だから、女の子が写ってるのは20分後くらいのところからです
女の子からクレームきたら消しますが、気づかれるかはわかんないですね
ttp://ようつべ/xxxxxxxx
167:名無しの鯖ゲーマー
のりこめー^^
168:名無しの鯖ゲーマー
あざっす!
169:名無しの鯖ゲーマー
俺も見てみよ
170:名無しの鯖ゲーマー
ちょっとわくわくするな
・
・
・
(動画鑑賞中)
・
・
・
201:名無しの鯖ゲーマー
これやべーな
202:名無しの鯖ゲーマー
動き素早すぎねえか
203:名無しの鯖ゲーマー
スローで見てるけど、物陰から体を出すときにもう銃口が敵の方向向いてるし
体戻すのも速いから、体幹相当鍛えるね
204:名無しの鯖ゲーマー
男のほうとのコンビネーションが映画っぽいな
リロード時にスイッチして移動と攻撃が途切れねえ
つか、弾リアカン*1だろこれ、30発くらいでリロードしてるじゃん
205:名無しの鯖ゲーマー
リアカンでこれとかどう倒せばいいんだ
206:名無しの鯖ゲーマー
弾以上の数で襲えばおk
207:名無しの鯖ゲーマー
そんなの人いねーよwww
208:名無しの鯖ゲーマー
最後の方、角で接敵する時とっさに自分の銃を離して
相手の銃口を左手ですくい上げて、右手でハンドガン抜いて撃ってるんだが
実はまじものの軍人さんだったりしねえ?
209:名無しの鯖ゲーマー
その後素になって「あら、ごめんなさい」がかわいい^^
210:名無しの鯖ゲーマー
動きがかわいくねーよw
211:名無しの鯖ゲーマー
マジ何者なんだよ、自衛隊の特殊部隊の人間かなんかか
212:名無しの鯖ゲーマー
実はサイボーグ説を提唱したいね
213:名無しの鯖ゲーマー
じゃあ俺は人造人間
見た目が良すぎるのが証拠だね
214:名無しの鯖ゲーマー
じゃあ俺は魔法生物で
215:名無しの鯖ゲーマー
じゃあじゃあ俺は異世界人で
216:名無しの鯖ゲーマー
どれもねーだろwww
217:>>70
一応ゲーム終了後に男のほうにあれこれ聞いてみたんだけど
男の方大学生だけどいろいろ忙しいから次いつサバゲにこれるか分からないって言ってた
218:名無しの鯖ゲーマー
>>大学生
うっそだろwww なんで車持ってんです?
219:名無しの鯖ゲーマー
金持ちのボンボンかよちね
( ゚д゚)、ペッ
220:名無しの鯖ゲーマー
金あるところにはあるんやなぁ
俺なんて学生のころ勉強で、それどころじゃなかったぜ
221:名無しの鯖ゲーマー
車はレンタルかもしれんし……
いやでも苦しんで死なねえかな
222:名無しの鯖ゲーマー
>>221
その掌返し、好きだぜ
223:>>70
男の方にフィールドに来てた女子が話しかけてたけど
受け答えしてる最中にすすっと女の子がよってきて圧かけてたな
ついでに尻つねられてるのが見えました
224:名無しの鯖ゲーマー
大草原
225:名無しの鯖ゲーマー
ざまぁw
226:名無しの鯖ゲーマー
女の嫉妬こわいわー
227:名無しの鯖ゲーマー
そのまま別れろ
228:名無しの鯖ゲーマー
男の嫉妬も怖いわ
229:名無しの鯖ゲーマー
はーでも残念だな、俺が行ってるフィールドに来てくれねえかな
230:名無しの鯖ゲーマー
男の方は忙しっぽいから女の子だけでいいぞ
231:名無しの鯖ゲーマー
それな
232:名無しの鯖ゲーマー
来てくれたら最高やなって
233:>>70
つか二人共体力が半端なくてさ、こちらは昼飯食ってぐったりしてるのに
連れてきた犬と遊んでるんだぜ、信じられなかったよ
234:名無しの鯖ゲーマー
若いっていいなぁ
235:名無しの鯖ゲーマー
小学生並みの体力だな、うらやましい
236:名無しの鯖ゲーマー
おじさんはそんなことしたら膝こわれちゃう~
237:名無しの鯖ゲーマー
そのまえに仕事中筋肉痛になるだろ
238:名無しの鯖ゲーマー
それで夜もハッスルってか
239:名無しの鯖ゲーマー
嫉妬乙
240:名無しの鯖ゲーマー
来週ワンちゃんかけて行ってみるかな俺もな~
241:名無しの鯖ゲーマー
まあ行って絶望してくればいいんじゃないの
242:名無しの鯖ゲーマー
それよりさ、他のフィールドのスタッフが死んだってニュースが
ttp://wahooo.com/xxxxxxxx
243:名無しの鯖ゲーマー
げーまじかよ、あそこ先週いったんだけど
244:名無しの鯖ゲーマー
ほんと最近物騒やな
いつまで遊べるかなぁサバゲ
245:名無しの鯖ゲーマー
不吉なこと言うなよ
重く苦しい空気が公民館の中に広がる。
今年3回目の決壊が発生したためだ。
先年まではそんな事なかったはずの湖が溢れるのだ。台風が来たわけでも大雨が降ったわけでもない、例年通りの雨のはずなのに。
あるものは改良工事が足りないと言い、あるものは手抜き工事があったのだと、さらにあるものは祟だと言う。
ここいらの再開発で龍神様の祠をいじったから怒っているのだと……
あの周辺の工事は10年前のことだし、第一問題があるならもっと昔から問題が起きていただろう。
もしかして本当に祟……? いやまさか、もう21世紀だ。
物思いに耽るワシを現実に引き戻す声がかけられる。
「なあ、赤石さんや、もう東藤さんとこへ陳情しにいかんか?」
「東藤さんとこへか?いや土木の話は県と直接だろ……ちょっと失礼なんじゃないか」
「いや……もうなんだかわかんねえからさ、一発相談してみるのもいいんじゃないかと思ってな」
まあ確かに、原因さえつかめない状態じゃどうにもならない。
頼るべきは地域のドンか……
「たしかにな、こんなときは使えるものはなんでもつかうか」
「そうだ、そうすっべ」「ああ、それがいいな」
黙っていた他のものも同意の声を上げる。みなこらえようのない不安を抱えていたのだ。別に問題が解決していないというのにそれぞれの顔には晴れやかなものが浮かぶ。おいおい大丈夫かとも思うが、何もしないよりは動いていたほうが不安が紛れるか。
・
・
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「それでウチに来られたと」
「ええ、なんとかなりませんでしょうか」
眼の前の男性は東藤 草治さんだ。お父上は国会議員に転身し、息子さんへ最近代替わりした。
評判は……悪くないが、ワシのような年寄はまだこの方のお父さんのほうがこの地方のドンというイメージが強い。
だが、我々の話を我慢強く聞いてくださった。さすがに祟りという話になると変な顔をなさっていたが、まあこのご時世に祟りなどというオカルトの話をふられれば微妙な顔にもなるか。
「そうですねぇ……土木のほうにはもう話されているということで、一つ試しに確認したほうが良いところがありますね」
「試し……ですか」
「ええ、祟りという話。案外本物かもしれませんよ?」
その顔には年に似合わないいたずらっ子のようなものが浮かんでいた。
・
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・
後日、ウチの村にきたのは見知った顔だった。
「えーと、東藤さんを経由して依頼されたのはこちら……おじさんじゃないですか」
「玲治君、君がきたのかい……? えぇ……」
困惑した。東藤さんからガイア連合という名の退魔組織?から人が行くとの話は聞いていたが、来るのが又甥とは聞いてない。
遠縁だし、甥は入婿した子だったから、更に縁が薄い。最後に合ったのは数年前の兄の葬式だったか。
ガイア連合なる怪しげな組織に所属してるのは……親戚としては心配なんじゃが。
「ええまあ、依頼受けたらここだったってだけで、まさか伯父さんが関わってるとは思いませんでしたよ」
「ああ、まあ仕事してくれればええけど……。それで、そちらのお嬢さんは?」
玲治君は一人で来たわけではなく、女性と犬一匹を連れてきていた。女性の方は髪の毛が真っ白だが、年を取った結果という風でなく、可憐な少女ではある。
「ああ、彼女は「玲治さんのパートナーです」」
笑顔で彼の言葉に被せてきた。彼女さんなのだろうが、実は尻に敷かれているのではないだろうか。
ウチと一緒だなと思うと少しおかしくなってくる。兄貴も同じだったし、そういう女に好かれる質なのだろうか。
「ああ、どうもはじめまして赤石 宗一郎と申します。彼の大叔父というんですかね、彼の父方の祖父の弟です。」
「はじめまして、東藤 春華と申します。以後昵懇にお願い致します」
頭を下げ合うが、東藤……まさかな。
「いや、玲治君もこんな彼女をつれてくるとは、やるねぇ」
「別に彼女を紹介しに来たわけじゃないんだから……仕事でしょ、ね。
話によれば、祟りって言う人もいるとかで、なんかここ数年であったの?」
まったく、照れなくてもいいのに。仕事が優先とは若い割に真面目だねぇ。
「ああ、うん。このへんはな、昔からな、向こう側に見える湖に龍神様が住むという伝承があったんや
そんでな、龍神様は勝手に住み着く人間を邪魔だと言って水で押し流しておったそうな。
で、都から偉いお坊さんが来てな、龍神様と問答をして人間を流しさるのを止めてもらったそうな。
だが、水をくださる龍神様に感謝するために祠を設け、年に一回、感謝の祭りをする。そういう言い伝え、伝説よ」
そう伝説。普通に考えれば龍神が水を押し流すのは改修されていない湖や川は容易に氾濫を起こす隠喩。
当時の土木工事が行われたのをわかりやすい形で残したのだろう。
「これはまじかもしれないなぁ」
「ん、なんか言うたか?」
「いや、なんでもないよ。その祠に行くことはできるかい?」
「ああ、こちらだ、ついてきなさい」
彼らを祠に連れて行く。祠は真新しい公園の一角に移されている。昔はもっと湖のそばにあり、その周りも森だった。再開発するにあたって移された。当時は反対も合ったが、祭りをするにも不便だった場所だったし、祠周りも積み重なったあれこれのせいでゴチャついてたから、村の大多数は賛成だった。
「ここじゃよ」
「ありがとう叔父さん。ちょっと見て回るね」
そういうと玲治君は祠の周りを歩きながらなにかを確認している。
「なあ春華、ここリンク切れてるように感じないか」
「ええ、あるはずのリンクがないみたい。多分もとの祠の所に残されているのかもしれません」
「やっぱりそうかなぁ、湖からも霊力感じるし、伯父さんの言ってた伝説、ほぼマジなんだろうなぁ。
なあ小次郎、なんか感じるか?」
「クーン……」
彼らがなにか話しながら探しているが……なにかが見えるのだろうか。
見えちゃいけないものが見えてるのであればやっぱり心配なんじゃが……
「あー伯父さん、祠が元あった場所もいける?」
「ああ、かまわんよ、こっちじゃ」
移設された公園から徒歩15分ほどの開発から取り残された湖畔、そこが元祠が合った場所。さすに移設されてから10年も立つと周りの木々や下草も伸びてきており、昔の踏み固められた地ではなくなっている。
「ここだが、なにかわかるんかい?」
「あー、これは当たりかな」
なにがあたりなのか。ワシには何も見えずに困惑だけが広がる。
「その……なにか見えるのかい?」
集中している玲治君は、聞こえていないようだ。彼が探っている辺りは確かに祠があった辺りだし、そこから湖の方を目で追っている。なにか線みたいなものがある……?
玲治君の手を見ていると、空間を弄り、そして手が消えた?
なんだろう空中に見えない穴があり、そこに手を入れたような動きをしている……手品でなければこれはいったい
「伯父さん、俺ちょっと荷物とってきて、探ってくるからさ家に戻って待っててよ」
「え、ああ。探るってなにをだい」
「んー、伯父さんの言ってた伝説ってやつの真実かなぁ」
言うが速いが、もと来た道をダッシュで戻っていった。いや速いよ、ワシの又甥がオリンピック金メダルを取れそうな勢いで走っていく。残されたワシと玲治君の彼女とその飼い犬。
「その、春華さんや。玲治君はいつからこんな仕事を?」
ワシは何を聞いているのだ、手持ち無沙汰だからといって聞くことではない。
「そうですね、確か4年前くらいかと。フフ、私もその仕事の一環で助けられておりますのよ。ああ、あの時の玲治さんはかっこよかったですわ」
「そ、そうなのか」
なにか目がキマっている気がする……我が又甥よ、こんなお嬢さんでいいのか。大伯父さん心配だぞ。
心なしか一緒にいる犬すら引いている気がする。目と目が合った瞬間心が通じたのは気の所為ではないと思う。
「おまたせ、装備持ってきたよ。ほら春華、装備な。小次郎も装備つけるからじっとしてろよ」
彼らはなにかしらの装備を身に纏っていく。いわゆるコスプレ?とかいうヤツなんじゃろか。普通はお目にかかれないような姿形になっておる。
理解はできないが、なんらかの仕事道具なのか?
「じゃあ行ってくるよ伯父さん」
「あ、ああ。気をつけて……」
そういうと彼らは空間を潜っていった。眼の前で見ていたのにもかかわらず信じられなかった。人が数人消えるなどという不思議をみて冷静にいられる人間がおろうか?ワシは茫然自失となっていた。だが鳥の鳴き声で自分取り戻す。彼らは行ってしまったが待つか……戻るか。
いや戻ろう。待っててくれと言ったのだから時間はかかるのだろう。
・
・
・
・
・
家に戻り数時間。落ち着かない数時間だ。村の衆が入れ替わりうちに確認にきたが、今仕事してもらっていると言うしか無かった。誰が空間に消えたと言えるか。ワシがおかしくなったと思われてしまう。
「なあ、赤石さん。来た若い奴は大丈夫なんかいね」
「まー、信じるしかないだろう。東藤さんの口利きだ、変につっつくよりは何もなかったと言われたほうがマシだ」
「そうなんだが……こう、なんもないととにかく落ち着かねぇ」
「そりゃ……」
ワシが言葉を出す時、湖が光った。
「お、おいありゃあ」
皆が庭に靴も履かずに走り出していく。光る湖に目を奪われていると、一層光った後何かが上空に高速で登っていく。
「ま、まさか龍神様か!? ほ、ほんとうにおったんか!???」
「そ、そうとしか見えんが、嘘じゃろ!」
驚く皆を横目で見ながら、ワシの又甥は見事やってのけたと自分のことでもないのに誇らしかった。
だが、この世の中にオカルトというのは確かに存在するということで、それはそれで喜べる話でもなかった。
テレビの向こう側だけの話が、今ワシ達の側にあるということがこうして証明されてしまったということだ。
そして我が又甥よ、一体どんな人間になっちまったんだ。甥の教育はどうなってるんだ。
上空に登っていった光は、今度は高速で落ちてくる。落ちた先は、新しい祠あたりに見えるがどうだろうか。
「ありゃあ、祠のほうだ。」
「そうだな、行ってみるべ」
「そうだな」
「待ておまえら、靴くらい履いていけ」
靴も履かずに行こうとする皆を呼び止める。あまりに驚くことが起こっているためか靴を履いていないことを忘れているようだ。
さすがに恥ずかしいのか、頭や頬をかいて誤魔化そうとしている。
我々が祠に到着すると、彼らもいた。そして祠が薄っすら青く光っている。
「叔父さんに、皆さんも来られたんですね」
「あ、ああ、なにかしたんか?その祠はどういうことなんじゃ?」「龍神様はおったんか?」「あの光はなんなんじゃ?」
皆次々と自分の疑問を投げかける。
「みなさん落ち着いてください。お答えしますので。ただその前に龍神様のお言葉をどうぞ」
『人の子らよ、人で言う10年前より約束した我への祈りが届かなくなり、我への感謝を忘れたかとおもうたぞ』
正体不明の存在が放つ言葉には圧がある。この偉大な存在はやはり龍神様なのか。あの伝説は本当だったのか。そんなオカルトな話が本当に?
「い、いやそんなことありません。我らは代々祭りを通して感謝してまいりました」
来ていた村長が震えながら答える。
『分かっておる、その子に聞いた。だが努々忘れるな。人の子らの祈りによって我は大人しくすると誓ったのだ。誓いが果たされなくなったとき、我の制約は破棄される』
そういうと、薄く見えていた姿が消えていった。ふう、死ぬかと思った。冗談で無く偉大な存在が目の前に来た時、人なんて薄紙のように吹き飛びそうだと理解させられた。
「まあ、そんなわけで、祠を移動させるときに話を通していなかったみたいで、怒ってらっしゃったみたいです。あと、移動前の場所の地下になにか埋まってるらしいので、掘り起こして移築したほうがいいみたいですよ」
「そ、そうなのか。ああ、分かったすぐ確認する」
村長も気圧されているのか、素直に言うことを聞いている。とはいえワシも魂消たわ。
これからはオカルト話が現実だと認識して生きていくしかないか。
「なんちゅうか、寿命が10年短くなったわい」
「はっ、赤石さんが10年短くなったら骨になっとるわい」
「ちがいねぇ」
みなの声色は明るい。少なくとも冗談は言える程度には回復したのかもしれん。いや、冗談をいって心をごまかしてるのかもしれんな。
「まあ、解決したみたいだし……宴会じゃな!」
「おうよ」
「見事やってくれた六道君に乾杯よ、君も飲んでくじゃろ?」
「え、いや私は仕事で来ましたし、お金もらいますし、運転もするんで……」
「きにすんなし!飲め、飲め」
ノリのいいやつらに又甥が引っ張られていく。あーあ、大丈夫かのぉ。つぶされなきゃいいが。彼女さんも苦笑しながら着いていく。
「なあ赤石さんや、やっぱり東藤さんに相談したのは正解じゃったな」
たしかにな。持つべきものは地域のドンというわけだ。代々やってこれるには訳があるというわけか。
「そうじゃな、さすが顔も懐も広いわ」
ワシは笑顔でそう言い切った。
・
・
・
・
・
その後、”れいじ”君が帰った後に元の祠を掘り返したところ、杖が埋まっていた。これが龍神様との繋がりの証なのかもしれん。
その年の祭りはいつもより金をかけたものとなった。村内の大多数はあの日の事件を目撃しており、反対の声は無かった。
その後は水が溢れることは無くなった。
弊社は自動販売機を製造しているだけのなんてことない製造業であり、業界に何社――といってもそう多くないが――もある内の一社である。
世相は物騒になりつつあるが――やれ人食い熊が出ただの、誰それが行方不明になっただの――サラリーマンの私は今日も今日とて仕事に精を出すしかないのである。
私、矢崎はその自動販売機製造企業の技術部の課長である。
そして弊社はめでたくあの超巨大企業グループのガイアグループの一員、100%子会社になったのである……なんで?
いや、正直うちの会社を買収する理由がさっぱり分からない。業界内ではトップで無く、かといってもドンケツでも無し。じゃあなにか特別な技術があるかというと特にない。飲料水以外の自動販売機も作っているのが、あえてあげる特徴か。だが別に他の会社もいろいろ製造してるからそこ目当てとも考えがたい。
それに、創業者一族が株の3割を、銀行が3割、市中その他だったはずなのに、全部抑えられる理由がよくわからん。銀行ならともかく創業者一族が手放すのは考えにくい。さすがに圧力がかかったとは思いたくないが…
そして子会社化したのにも関わらず社長の交代もなかった……分からん。正直ガイアグループが何を考えてうちの会社を買収したのか、時が経つにつれて頭にハテナが浮かぶ。ガイアの社長が、『ちょっと自動販売機製造企業が欲しくなったから買おう!』ってなったわけでもあるまいし……
疑問は尽きないが、目の前の仕事は減ってくれないのでいままで通り仕事を継続し数か月、部長から声を掛けられる。
「矢崎君、急ですまないが明日打合せ入ったから、10時から大会議室ね」
「はぁ、かまいませんが、何の会議です?定例会議は先ですし、営業が新規案件もってきたんですか?」
「
「分かりました。」
製品開発なんて文章で通達すればいいだろうに、なんでまた打合せの場を設けたのか。そして呼び出しではなくこちらに来るのはさらに解せない。とはいえそこはサラリーマン、疑問はあれど従うしか無い。私はできるだけの資料を用意し会議の場に臨むのであった。
当日、会議室に入ってみれば人数はさほどでも無かった。うちからは社長も参加しているようだが、他の取締役や部長クラスは居ないようだ。最終的なわが社からの参加者は私と技術部長、社長のみとなっていた。
名刺交換してみればこの3人が、ガイアサービス㈱、ガイアテック㈱、ガイア製鋼㈱から来ていることが分かった。
ガイアテックは半導体製造、ガイア製鋼は鉄などの金属材料供給を行う企業だが、うちは従来の企業との取引を優先しているためか、付き合いは無い。
最後のガイアサービスは……名刺には六道 玲治 -社長- とあった……どうして社長が直接くるのか分からない。
いやガイアグループはわからないことだらけな企業グループだが、社長がこの場にやってくるのはどういうことなのか。そこいらの零細企業ではないはずなのだが……
いや製造業をやっていればそう多くの従業員を抱えていない企業の社長が営業を兼務することはある。だがそんな小さな企業ではないはずだが……
そしてその風貌は……若い。うちに入ってくる新人のような若々しさを持っている。うちの社長と並べてみたら祖父と孫のように見えるだろう。
もしかしてガイアグループは縁故企業なのだろうか*2
そんな事を仮面の奥底に隠しながらお決まりの挨拶を交わす。
「どうも不二開発、技術課長の矢崎です」
「どうもガイアサービスの六道です」
「その不躾ですが、お若いですね。社長ともなると、大抵それなりに年がいっているものかと」
「ああ、それは」
「矢崎くん」
社長からたしなめられるが、ガイア側の六道氏が静止する。
「いや、いいんですよ。確かに私は若いですからね。
はは、
うーん、近くで見ても若い。もちろんそれなりのスーツに身を包み、それなりの所作を身に着けているように見受けられるが、どちらかというとスタートアップ企業やベンチャー企業の社長ですと紹介されたほうが、よっぽどそれらしい。
だが、まあお互い仕事だ。向こうの社長が若かろうともこちらは仕事をするだけか。とはいえどんな無理難題を言ってくるやら。
お互い割り当てられた席に座ると早速切り出してきた。
「本日の打ち合わせは、こちらの要求する仕様に基づいた自動販売機の製造をしていただくことと、それに関しての質疑応答が主となります。まずは、こちら書類をごらんください」
手元に配られた資料には、要求する仕様や数量など諸々が記載されており、一番目を引くのは指定材料の欄だ。
今回来たガイア側のガイアテックのICとガイア製鋼の指定型番の鋼材を使用することだ。
また、ワイヤハーネスなどを含む製品製造を日本国内だけで完結しろとの仰せだ。
「材料や使用ICについてはわかりましたが、この国内だけで製造を完結させろということは値段に跳ね返りますが大丈夫ですか?
試算しないと細かい値段についてはわかりませんが、下手をすれば1.5~2倍になりますよ」
「その部分については大丈夫です、こちらとしては織り込み済みです。国内だけで完結することが今後必要と考えております。」
国内だけでサプライチェーンを回す……まさか国外の状況は私が知っている以上に悪いのか?
ガイアグループは国際的な企業だ、日本国内で暮らしている私と違ってそのあたりの情報を持っているのかもしれん。
「分かりました。では……最初に指定されました、弊社の現行製品をベースにこのICと鋼材を使用した製品の納入についてです、材料サンプルはいつから手に入りますか?」
「ICについては本日サンプルを持ってきてます。材料については……どう?北村さん」
「問題ありません、サンプル用に数十トン用意しております。
材料データは資料の後ろの方に記載しておりますが、打ち合わせ前に貰っていました御社使用中の材料と比べますと、スペック上は同等品です。」
「分かりました。では問題なさそうです」
手回しがいいな。そんなに早く進めなければならない案件なのか?
そう思っていると六道氏からの質問があった。
「逆にお聞きしたいのですが、いつごろから納入開始できそうですか?」
納入開始時期か……材料から変わるとなると試験が結構やりなおしだし……少なくとも半年はかかるか。
「そうですねぇ……試作機制作に2ヶ月、試験全体が終わるのが6~9ヶ月かと思われます」
「やはりその程度かかりますか……しょうがありませんな」
日程を聞いて詰めてくる顧客でなくてよかったが、逆になんでそこまで気にするのか。
もう設置などが決まっているのか?それともグループ全体の割当計画でもあるのか。
まあどうせこの場の話だ、聞いてしまおう。
「その失礼ですが、何か焦っておられるよう見受けられます、なにか理由があるのですか?
この業界、新製品が出るというより安定した製品供給がメインですので、ここまで速い動きを望まれるのはなかなかありません。
……この2段階、3段階目の仕様も早めの調達開始を望んでおられるようですが……」
「……」
六道氏は困ったような、悩んでいるような顔をしている。
その場にいる他の二人も似たようなものだ。
「そうですね……わかりました。」
そういうとやおら書類を取り出してくる。
「この秘密保持契約書にサイン頂ければお話いたしますよ」
「は、はぁ」
ここでNDAか、やるなら最初からサインさせると思うが……まあ確かに事業展開について話すともなるとそうなるか。インサイダー取引もできそうだしな。
それにガイアグループの秘密を知りたい企業は多いだろう。
だが回ってきた書類は少々……いや大分変わっていた。
特に『秘密事項を本契約書への捺印者以外に”開示できない”』ときた。普通なら情報を使用してはならない。や、したときのペナルティについて書かれているのに何故”できない”なのか。まさかガイア連合がNDAの作り方がわからないはずもなし。
それに紙質も普通ではないな。肌触りとしては和紙に近い。なにからなにまで分からない事だらけだが、話を聞くにはサインするしかない。
まあ、契約破っていきなり死ぬということもあるまい。
「サインしました……返しますね」
「ええ、頂きました。……他の方のも全員いただきましたのでお話いたします。
まず、ガイアグループとしては、今後数年間で海外が危機的状況に陥ると判断しております」
危機的状況とは穏やかじゃないな。戦争でも起こるのか?それとも災害?
「そして、日常は崩壊し、悪魔と呼ばれる存在が闊歩する世の中になり。物理法則も崩壊する……」
何を言っているんだ?ちょっとやばいおくすりを決めてしまった人間のようだ。
だがこの目と態度は本当のことを言っているようにみえる。
だが、だが自動販売機と何が関係するんだ?
「はは、まあそんな目で見ないでください。分かってますよ、変なことを言っている自覚はあります。
でもね、我々ガイアはそんな事が起こると信じて備えようとしているのですよ。あなた方に要求している仕様は、そのような事になった際への保険です。」
「その……なんと言いますか、そんなテレビか映画みたいな事が起こると信じて?」
言わざるをえない、そんな馬鹿な話が実際に起こるなどとは信じがたい。
「ええ、そうですねぇ……多分数年後くらいでサプライチェーンが寸断される形で世の中が変わっていくことが分かるんじゃないですかね。
世界がやばくなり、日本もやばくなる可能性がある……まあ信じなくてもいいですよ、我々が望んでいるのは仕事をしていただくことですから。
そのために御社を買ったんですし。」
まあこんな事を普通に言われたら、下手すれば仕事を断るな……。
ふぅ、まあ仕方ない、ガイアグループの上層部が中二病に罹患したとして仕事をするしかないか。
「まあ、わかりました。信じがたいことですが、私は与えられた仕事を全うします」
「よろしくお願いしますね」
その後、数点の質疑応答をし、打ち合わせは解散となった。
指定された部材等は値段も現行とほぼ変わらなかったので、あとは国内生産費用の算出するだけだ。
ガイアグループ側を見送った後、同席していた部長に声をかけられる。
「なんか、やばい企業に買収されたみたいだな……」
「ええ、なんというか、その、個性的な理念でしたね」
「別に気を使わなくてもいいんだぞ、ここには俺たちしか居ないよ」
苦笑する。確かに気を使った表現だった。もっとストレートにキ○ガイとでも言えば良かったかな。
「まあ、でも仕事はこちらに任せていただけるんです。細かい話をして値段詰めてくるわけでもなし、やりやすそうですけどね」
「そこはまあ、そうだなぁ。あーあ、なんで俺がいるうちにこんなことになっちゃったのかなぁ」
「部長はそろそろ定年でしたね」
昼行灯風味な部長は、めんどくさいことを避ける人だった。若い頃はバリバリ仕事をしていたみたいだが、ポッキリとやる気が折れた事件があったらしい。
特大の面倒事なこの案件をどう扱っていいか困惑しているようだ。
「そうさ、大過なく過ごせればよかったし、ガイアグループ入したら退職金上がらないかなってちょっとは喜んだんだぜ」
「それが、こんな事に付き合う羽目に、ですか」
「まあ、そういうこった。仕事の難易度自体は高くなさそうだし、普通にやろうか。あの御高説は飲んで忘れちまえ」
「そうですね、まあ差し当たっては試験機の作成と内部の打ち合わせですかね」
我々は日々の仕事という日常に帰っていく。幸い?なのかあの社長が来ることはその後無く、ガイアグループ側の担当者とやり取りをすることとなった。
打ち合わせ後にわかったことだが、あのNDAは効力を発揮した。なにせ部下達に詳細を話そうとしたらいきなり口が回らなくなったのだ。
その場はごまかしたものの、背筋にうすら寒いものを感じる……。
それに、数年後に海外からの部品供給に問題が発生し、ガイアグループ以外の会社への納品に問題が発生するようになってしまった。あのときの話は多分こういうことなのかもしれない。幸いガイアグループの部材は他社向け製品にも適用してよいとのことだったので、ウチはなんとかなったが、他社では大分問題になったそうだ。
ガイアグループ、本当に薄気味悪い企業だ……。
次話のネタがいまいち思い浮かばないので少々掛かる可能性が