案外ゴロゴロしていると時間というものは早く過ぎていって現在は陽射しも弱まって来た頃、遂にダイヤ姐さんにお願いしていた稽古が始まった。とはいえ、
『最初から私が相手しても良かったんだけどね、手加減っていうか相手に合わせるのはラキの方が得意だから今回はお願いしたよ。』
『そういう事でよろしくお願いしますね、モモンくん。』
『あ、はい。こちらこそよろしくお願いします!!』
今回はラキさんが相手だそうだ。
正直言って最初からダイヤ姐さんっていうのは手加減されるの加味してもちょっと怖かったので有難い話である。
仮に勢い余ってもハピナスの物理攻撃なら凄く痛い思いする程度で済みそうだし。特殊技は知らん。
『とりあえず今回はどっちも技使うのは無しで。普通に体当たりしたり噛み付くなりは良いけど技としてのたいあたりだったりかみつくは無しって感じ。モモンはこれで何時でも攻撃に移ったり回避に移れるような姿勢と判断を覚えることを目標にするから。これに慣れてるのといないのとだと技の撃ち合いで技の出が変わってきたりするからな。』
なんでも技っていうのは案外自由の幅は狭いらしく、無理な姿勢だったりからだと技の出が遅くなったりあまり力が乗らなかったりするそうで。そういうのは人間の格闘技とかでも似たような感じだしそういった事なのだろう。
『じゃあ始め!』
という訳で始まりました稽古。
何はともあれ、まずは距離がある以上接近するしか無いわけで。
……そしてここからどうすれば?
体当たり……体格差あり過ぎるのと跳ね返された時の後隙大きいから論外。
殴る、蹴る……この翼と針金のような脚で?いや、鞭のようにしならせて使うなら蹴りは有りか?
かみつく……これが1番理想かつ現実的。とはいえここからほぼゼロ距離までどうやって近付くのか。
改めて見ると手足は短いから素早く裏とれないかなぁ……。
とりあえず多少脚でぺちぺち牽制しながら距離測っているが……。
全くもってガンスルーされている。そりゃ当然か、この程度目を狙わなければ気にするまでもないだろうからね。
そんなことを少し続けるとラキさんに少し隙が生まれたように思う。
勿論誘い込んで迎撃を狙っているだろうけどこちらとしてもこのままだと打開出来ないのば事実なので素直に乗る事にする。
縦回転で脚ぺちした後、飛び越える様に背後をとる。
そのまま噛み付こうと思ったら
ラキさんがこっち向いていた。
そして右側に衝撃が走る。
姿勢制御する間もなく吹っ飛ばされ、地面に叩きつけられた。
……くっそ痛い。
『はい、そこまで。
正直、ズバットの特訓なんてつけたこと無かったけど……、まあ間合いとかは測れてたしそこまで酷そうじゃ無くて安心したよ。』
とりあえずは及第点くらいは貰えたみたい。
『とはいえあそこで釣られる短慮さとそもそもの身体の使い方をどうにかしないといけないけどね。』
……いや、まあはい。正直、攻めあぐねていたが故のあれだしなぁ。何処かに焦りとかがあったのだろうか。自分でも気付いていない程の事だしちょっと不安材料である。
『とりあえずラキはどう思う?』
『そうですね、基本的なところはダイヤさんと同じですが1つ気になったのは1箇所に腰据える様に戦っていた事でしょうか。私やダイヤさんのような素早くないポケモンなら特に問題無いと思いますが、ズバットと言う事は、クロバットになる事を考えると飛び回って撹乱するように戦える様になるべきかなと。』
『あぁ、それは確かにね。じゃあその辺も加味してこれから頑張っていこうか。』