ナイトさんvsタナカさんの激闘(?)の翌朝の事である。
俺はミントさんが割と朝早くから厩舎を出ていくところを見て……は無いな。あくまでエコーロケーションで察知しただけだ。
ふと気になったのでとりあえずミントさんに声を掛けてみることにした。
『おはようございます、ミントさん。
まだ割と朝早いですけど何処か行くんですか?』
『あ、モモンくんおはよう(*´∀`)ノ
そろそろアザミさんが洗濯物を干す時間帯だからお手伝いに行くんだよ( *´꒳`*)』
ミントさん洗濯物干す手伝いしてるんだ、偉いなぁ……。
それになんか機嫌が良い?って言っても昨日顔合わせしてからミントさんずっとこんな感じな気がするけれども。割と穏やかでニコニコしてるタイプの方なのだろうか。ダイヤさんは姐さんって感じだけど、ミントさんはお姉さんって感じがする。
……それはそれとしてやっぱりこの顔文字は謎である。別に括弧とかクォーテーションとかそんなこと言って無いのに会話文にスっと顔文字が出てくるのである。もはやテレパシーの域に片足突っ込んでない?モジャンボエスパータイプ付いてないよね?わけがわからないよ。
『多分何も出来ないですけれども着いて行っていいですかね?』
『全然大丈夫だよ( *´꒳`*)
あ、でも物干し竿にはぶら下がっちゃ駄目だよ。干す場所無くなっちゃうからね(・ω・`;)』
あ、ちょっと違う顔文字見えた。いや、会話だから俺で無くとも見える筈はないからその発言は可笑しいのだけれども。
とりあえず慌てるというか狼狽える顔文字という事はそれとなくわかった。
『それはもちろん分かってますよ。
それに出来ればお嬢に挨拶出来たらなぁ、っていうのもあるので。
流石にこの後すぐにゴルバットに進化とはならないと思いますけど、あまりピンク色のクロバット姿になるのを楽しみにしてるお嬢を待たせる訳にはいかないのでこういう細かな交流から信頼を築こうかなと。』
『クロバットに進化するにはミカちゃんのことを心から信頼する事が必要だからね( *´꒳`* )
モモンくんファイトだよ!( •̀ᄇ• ́)ﻭ✧』
また新しい顔文字だ。結構表情というかレパートリーあるのかな?
それとしれっと重要情報言ってなかった今?
クロバットの場合お嬢に懐くだけじゃ駄目なの?
いや、まあ分からない話でも無い……のか?わざわざゴルバットから歩行機能というか足で立つという機能を切り捨ててまで飛行能力に特化させてると考えると、相応のリターンは得られるものの食事やら水分補給のことを考えると決して易易と手放して良い機能では無いと思うのだ。
そう考えると共存共栄の覚悟を決めたゴルバットがクロバットに進化するのだろう、多分。適当な事言ってるから違ってたらゴメン。
『そうですね、お嬢と頑張って強くならないといけないなって今改めて思いました。』
『そうだね、きっとモモンくんだけが頑張ってもクロバットにはなれないからね(`・ω・´)
と言うことはミカちゃんもトレーナーになるのかな、だとしたらどんな感じになるか少し楽しみかも(っ ॑꒳ ॑c)
っていけない、早く洗濯物干すの手伝わないとヾ(・ω・`;)ノ』
『あ、そうですね!
引き止めててすみません、急いで行きましょうか!』
とは言っても厩舎出て家の南側に回ればすぐである。
大きくせり出した軒下に物干し竿があり、そこには洗濯物を入れた籠を持って来たママさんとお嬢が居た。
「ミントちゃん、モモンちゃんおはよう。今日はモモンちゃんも一緒にお手伝い?」
「ミントちゃん、モモンちゃんおはようございます!」
『アザミさん、ミカちゃんおはようございます(*´∀`*)ノ』
『ママさん、お嬢おはようございます。』
何はともあれ挨拶。
それはそれとしてママさん、お手伝いは少し厳しいかもしれないですね……。いや、ハンガーを物干し竿に掛ける位は出来るか……?お嬢が洗濯物をハンガーに通して俺がそれを物干し竿に掛けるなら多少はお手伝い出来そうだ。
意気揚々とお嬢が洗濯物をハンガーに掛けるのを待っていると、自分の隣で洗濯物が舞っていた。違った、ミントさんが器用に洗濯物を干していた。4つ同時に。腕と3対の蔓を使っているのでまあ早い。明らかに手慣れている動きである。
あ、お嬢その洗濯物干すの手伝いますので渡していただけますか?かなり退化しているズバットの足だが、洗濯物を物干し竿に掛ける位は問題ない。その間にお嬢が新たな洗濯物をハンガーに通している。
とは言え、実質4人分の働きをするミントさんのお陰ですぐに終わってしまった。早すぎて自分とお嬢は3着しか手伝えなかった。
「ミントちゃん、今日もお手伝いお疲れ様。
みぃちゃんもモモンちゃんもお疲れ様、お手伝い助かったよ。」
ママさんがお礼を言ってくれたけどほとんど手伝えていないから個人的には逆にこれでお礼を言って貰って申し訳なくなってしまう……。いや、手伝おうとする意思にママさんは感謝してるんだな。そういう事が教育には必要なのだろう、多分。でも、お嬢にだけでいいですよママさん。
あ、そろそろ陽射しが強くなってきた。一旦厩舎に戻ろう、じゃないと日焼けで火傷してしまう……。それにそろそろご飯の時間ではないだろうか。
『そういう?訳でそろそろ戻ります、ミントさんはどうします?』
『そうだね、私もそろそろ戻ろうかな( *´꒳`*)
それじゃあお疲れ様ですアザミさん、ミカちゃん(。・ω・)ノ゙』
『お疲れ様ですママさん、お嬢。恐らくまた後ほど。』