まのはなよ
さいてくれるな
このいまは
わかこころには
まよいあるゆえ
悪魔の花(西行妖)よ、今だけは咲かないでくれ。私の心には全てを壊してまで咲かせる勇気がないから。
魔(間)の花(華)よ
咲いてくれるな
この今は
我が心には
迷いある故
間(会話の空白)に咲く言の華よ、今だけは咲かないでくれ。私には彼を惑わせる決心がないから。
一一一一一一一一一一
妖夢との一悶着の後、そのまま白玉楼で夕飯を頂くことになった。今は夕食を食べ終え、一息ついている。
一一一一一一一一一一
「そういえば。」
「ん?どうかしたか?」
「貴方、内の庭師で遊んだらしいわね。」
「あぁ、妖夢のことか……。反応が面白いからついな。」
「その気持ち、分かるわよ。あの子には苛めたくなるようなオーラがあるものね。」
「あぁ、あぁいうのは見つけると、つい遊んでしまうんだよな。」
「ところで、1つのお話をしましょう。」
「ん?なんだ?」
「昔々あるところに、素直なお爺さんがいました。そのお爺さんの隣には幸運を与える白犬を飼っているお爺さんがいました……」
「それって『花咲か爺さん』だろう?幼稚園で何回も聞かされたよ。」
「こういうときは黙って聞くものよ。『一人前』ならね♪……ある日お爺さんは自分にも幸運を分けてもらおうと、白犬を借りることにしました。しかし強欲な隣のお爺さんはその犬を手放そうとはしません。そこで半ば強引ではありますが、仕方なくその犬をお爺さんのいない間に借りることにしました。そして早く返さなければいけないという焦りからお爺さんは少し強い口調で犬に当たるようになりました。すると、犬が自ら釜戸の火の中に飛び込みました。犬は断末魔を上げながら燃えていきます。お爺さんはどうすることもできず、泣き崩れてしまいました。」
「いつまで続くんだ?」
「もう少しよ。……隣のお爺さんが帰って来ました。お爺さんは犬がいないことに気付き大声で呼びます。そこにお爺さんが来て理由を説明しました。しかしお爺さんはこの泥棒めが!!の一点張りで聞く耳を持ちません。お爺さんはせめてもの償いとして犬が燃えた灰をお爺さんに渡しました。しかしお爺さんはいらないとだけ答えて地面に叩きつけました。そして風が吹き灰が空に舞います。するとどうでしょう!?近くに生えていた枯れた桜の木に花が咲き乱れたではありませんか。そこにたまたまお殿様が通りかかりました。殿様は桜の木を大層気に入り咲かせたものは誰か?と訪ねました。すると強欲な隣のお爺さんがはいはいと殿様の前に躍り出ました。そして、隣のお爺さんは家が一杯になる程の褒美を受け取り、幸せに余生を過ごし、お爺さんは、今まで通り、貧しい暮らしを続けましたとさ。おしまい。」
「何が言いたいんだ。」
「これが私が見た『花咲か爺さん』の真実よ。 」
「教訓も何も無いな。あるとしたら、『二兎追うものだけが二兎を得る』くらいか。」
「そうでもないわよ。」
「ん?」
「物事はいろんな見方をしないと中々真の意味にたどり着けないものよ。」
「短歌と一緒ってことか?」
「そうね。いろんな角度で見ないと、本当に伝えたいことは見えないものよ。」
「なるほどな。……それにしても……」
「どうしたの?」
「さすがに長すぎだ。もう少し簡潔に纏められただろう?」
「私は会話の間が嫌いなのよ。何を話していいかわからない時間がね。」
「それを楽しむのも会話の楽しみだと思うがな。」
「わかってないのね。物事にはうらの意味がある前提で考えないと、いい女を逃すわよ。」
「難しい話だな。」
「そうかも知れないわね。」
花咲か爺さん長すぎましたね……