煙草の煙は無責任だ。それを知りながら吸う俺はさらに無責任だ。
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紅魔館へ向かうため、魔法の森を抜けていく。その途中、魔理沙に会った。
魔理沙と共に魔法の森を歩いていく。もちろん煙草を吸いながら。
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「お前、それ臭いから止めろよ。」
「嫌だ。お子様の魔理沙にはこの良さがわからないんだよ。」
「言いやがったな。一本寄越せ、私が大人なところを見せてやる。」
「わかったよ。きつくなったらすぐ捨てろよ。」
「わかってる。」
「ほらよ。茶色いところをくわえて、白い方の先に火をつけるんだぞ。」
「そんなのお前を見てるからわかってるんだよ。」カチッ
「……」
「……おい」
「どうした。」
「つかないぞ。」
「火を近づけたら息を吸うんだよ。そうしたら中まで火が着く。」
「……知ってたよ……。」
「わかってるよ。」
「……」カチッ スゥーッ
「むせないか?」
「……これくらいの火大丈夫だ。いつものマスパと比べたらこんなの天日干しした布団より温いな……。」
「涙目で言っても説得力ないぞ。ほら、貸せ。」
「……うん。」
「ありがとな。お蔭で火をつける手間が省けた。」
「って、なんでお前が吸ってるんだよ?」
「これか?だって持ったいねーだろ?」
「けど、それって……所謂……それって……。」
「間接キスか?気にするなよ。親子くらい離れてるお前に興奮なんてしないからな。」
「なんでそういうことを平然とやってのけるんだよ。」
「そこに痺れるか?憧れるか?」
「そんなわけないだろ。少しは恥じらいの気持ちを持ってってことだ!」
「お前にそれを言われてもな。それに『利用できるものはとことん利用しろ』って言ったのお前だろ?」
「それはそうだけど……。」
「それなら、この煙草お前が責任もって最後まで吸うか?」
「でもこれ、お前が口つけて……。」
「だから、親子くらい年離れてるのにそんなの気にするなっていってるだろ?それとも魔理沙ちゃんは間接キスくらいでドキドキしちゃうくらい乙女なのか?」
「わかったよ。吸ってやるよ。私が、責任もって、お前が口つけた煙草を……最後まで……吸って……やる……。」
「なんでそう考えるかな?」
「いいだろう。私は花も恥じらう乙女だぞ。」
「わかった、わかった。ほら。」
「おう。」
「……」
「……なぁ。」
「どうした?」
「煙草って美味しくないな。」
「俺もそう思うよ。」
「ならどうして吸うんだよ。」
「格好つけたいからだよ。そのために外見から入ったんだよ。」
「そうなのか?」
「あぁ、だから魔理沙と同じだな。」
「どこがだよ。」
「魔理沙だって形から入るタイプだろ?」
「それはそうだけど……。」
「それでいいんだよ。どんなに中身がいいやつでも外から見てダメな奴はとことんダメだからな。」
「……煙草も格好悪いぞ。」
「わかってるよ。」