他人を許すのは強さであると誰かが言った
しかし、許さないのも己のなかにある強さゆえのものだと思う
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長い小町への説教のあと、四季様がこちらを睨み付ける。逃げ場はない。
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「ところで……」
「なんだ?」
「貴方は何故ここに来たのですか?」
「香霖堂に売る道具を探しに来たんだよ。そこで寝ている小町とあった。」
「そうですか。」
「何かあったのか?」
「いえ、小町の話ではいつも通り一所懸命に働いているところに貴方が現れて連れ去られたとのことでしたので、確認をと思いまして。」
「安心してくれ、お前の考えている通りだから。」
「はい、浄玻璃の鏡で確認したので聞く必要もなかったんですけど、念には念をと思っただけです。初めから貴方は疑ってませんよ。」
「それならよかった。」
「それでは、隣失礼しますね。」スワル
「仕事はいいのか?」
「はい、もうノルマは達成したので。」
「じゃあ何で座ったんだ?」
「貴方が以前話していた外の司法機関について少し話を伺いたいと思いましてね。」
「そうか。俺はどこまで話したんだ?」
「外では裁判官と呼ばれる私と似た立場の人間が複数人で判決を下す。というところまでですね。」
「不思議か?」
「ええ、外にはしっかりとした法もあり証拠なども十分に揃えられると聞きます。それなら判決を下すのは一人で十分なのではないのでしょうか?」
「そうかもしれないな。」
「ですよね。なら何故態々無駄に人数を登用するのでしょうか?」
「それは人間が完璧ではないからだよ四季様と違って外では過去の過ちを全て見ることはできない。それに、四季様みたいな能力もないからな。一人て他人の人生を動かせるほどの力を人間は持ってないんだよ。」
「私の能力は能力と呼べるような代物ではありませんよ。人がその道のなかで積んできた善行、悪行を自分の中の判断をもとに判決を下すだけです。私が悪だと感じれば善行であっても悪行になりますし、善だと感じれば悪行であっても善行になってしまいます。」
「自信がないのか?」
「もちろんありますよ。これまで閻魔として誤った判決を下したことは一度もありません。」
「それならいいんじゃねぇの?」
「しかし、私の偏見で許されるべき魂が許されない様なことがあるのでは……」
「そんなこと考えてもしょうがないたろ?生きてりゃ誰だって大なり小なり間違いは犯すんだよ。それよりも犯してしまった間違いを悔い改めることが大事なんじゃないのか?閻魔様。それにな……」
「それに?」
「それに、閻魔の言うことは絶対なんだよ。誰も逆らいはしねぇよ。」
「まさか、地獄行き確定の貴方から懺悔について教えを頂くとは思いませんでした。貴方の地獄行きも少し考え直さなければなりませんね。」
「よろしく頼むよ。」
「もっと善行を積んでから言ってください。」
「わかってるよ。」
しばらく風神録には入りません。