東方友煙記(完結済)   作:まっまっマグロ!

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リリー・ホワイトの場合

落ち込むとき、慰められることすら疎ましく思う。

 

自分を理解できるのは自分自身だけである。

 

一一一一一一一一一一

 

春の木漏れ日の中煙草を吹かす。空白の時間だが、その空白さえ生きていく上では大切だと思う。

 

一一一一一一一一一一

 

「春ですかー?」

 

「リリーか……」

 

「そうですよ~。春ですよ~。私ですよ~。」

 

「そうだな。もう春なんだな。」

 

「何かあったのですか?」

 

「いや、俺の知る人がまた一人居なくなっただけだ。少し一人にしてくれないか?」

 

「一人はダメですよ。それに春は別れの季節。出会いがあれば別れがある。それが春ですよ。」

 

「それなら、俺はまた誰かと出会うのか?別れのために。」

 

「そうですよ。」

 

「俺が嫌だと言ったら?」

 

「人も妖怪も出会い、別れ、また出会い……。そうやって生きていくのですよ。それから逃れることはできないのですよ。」

 

「辛いものだな。」

 

「……石の話をしましょう。」

 

「どうしたんだ?」

 

「地球から産み出された岩は川によって流されます。岩は川を転がる最中に他の岩などとぶつかり合い、丸くなり海へと流されていくのです。人の人生と同じですよ。」

 

「人は他人と関わりを持つことでその性質をより丸く変えていくということか?」

 

「そうですよ~。人は他人と関わることで、その性格の角をなくしていき、やがて老いる頃には丸く滑らかな性格になっていくのです。」

 

「なるほどな。」

 

「と言うことで、あなたもいろんな人と出会い別れることでいい人になってくださいね。」

 

「……けど、おかしくないか?」

 

「どうしたんですか?」

 

「お前の話の通りなら、年を取るにつれて性格が丸く、小さくなっていくことにならないか?つまり、器の小さい人間になっていくんじゃないのか?」

 

「……えーっと、それはですね……だから……」

 

「いいよ。お前の言いたいことはわかってたから。」

 

「そうですか?」

 

「あぁ、少しだけ遊ばせてもらったよ。」

 

「あなたはひどい人ですね。」

 

「よく言われるよ。」

 

「あなたはずるい人ですね。」

 

「よく言われるよ。」

 

「あなたは……ずるいですよ……。」

 

「……そうかもしれないな。」

 

「別れは辛いですか?」

 

「あぁ。」

 

「別れの春は嫌いですか?」

 

「いや、春は出会いの季節でもあるからな。ただ別れるだけなら辛いかもしれない。けど、新しい出会いもあればそれを乗り越えられるのかもしれない。その証拠に今日お前と会えた。そして、落ち込んでいた俺を励ましてくれた。」

 

「やっぱりずるいです。」

 

「あぁ、そうだな。」




JASRACが面倒くさいそうなので改訂しておきます
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