鴉天狗は空を駆ける。自分が自分であることを知らしめるために。
空を駆けることを忘れた鴉天狗は何を残すのか。
一一一一一一一一一一
はたての家に行きました。
一一一一一一一一一一
「あら、何しに来たの?貴方が来るなんて珍しいわね。」
「昨日、海棠の花を見つけてな。」
「それで、私に合いたくなったのかしら?」
「いや、最近会ってなかったからな。」
「そういうことね。何か手土産はあるの?」
「霖之助のところから酒を持ってきた。これでいいか?」
「えぇ、十分よ。」
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「だーかーらー、私があいつに負けてるわけがないっての!!」
「あぁ、そうだな。」
「そうでしょ!あんたもそう思うでしょ!」
「あぁ、そうだな。」
「自分の方が少し年上だからっていい気になって私の新聞にケチつけるんじゃないわよ!」
「あぁ、そうだな。」
「ちゃんと話聞いてるの!?」
「あぁ、そうだな。」
「それなら、よし!許してあげる。」
「それはよかったな。」
「それにね、私の名前わかってる!?」
「姫海棠だろう?」
「そうよ、姫海棠よ!妖艶で艶麗で温和な姫海棠なのよ!」
「妖艶と艶麗は知らないが、温和ではないと思うぞ。」
「何言ってるのよ!?私は、あの人のことを考えない馬鹿と違って、優しいのよ!温和なのよ!」
「それもそうだな。」
「それなら、よし!!許してあげる。」
「あぁ、助かるよ。」
「それなのに、あの馬鹿は、人のことを引きこもりだとか、根暗だとか言いたい放題言いやがって……」
「……。」
「私だってね……私だって頑張ってるのに……。皆に真実を伝えられるように頑張ってるのに……。」
「……。」
「頑張ってるんだもん……。それにしても、煙草!!」
「ん?終わったか?」
「あんた、臭いのよ!吸うんなら家主に一言いってから吸いなさいよ!!」
「いいじゃないか。お前の愚痴を聞く身にもなってくれ。」
「何よ。私の話が退屈なの?」
「さんざん怒鳴られて、次は泣かれて……。静かに飲ませてくれないのか?」
「いいじゃない。あんたも私も普段一人酒が多いんだから。人と飲むときくらい楽しく飲みなさいよ。」
「楽しく飲むのは構わんが……。」
「そうね。少し話し疲れたわね。」
「しばらく静かに飲ませてくれ。」
「ええ、いいわよ。私もその方がいい気がしてきたし……。」
「……。」
「……少し眠くなってきたわね。」
「寝るか?遅いから俺も帰るとするか。」
「……帰るの?それなら文か椛に送るようにいった方がいい?」
「いや、いい。もう日が昇り始めているからな。」
「……そう?それなら私はもう寝る……zzz」
「こんなところで寝たら風邪引くぞ」ウワギカケル
「……zzz」
「『美人の眠り』ってところか……」
というわけで、『美しい花には刺がある』話でした。因みに姫海棠は薔薇科の植物らしいです。
あと、時系列には突っ込まないでください。