父は子を支える。
押してはいけない。
引っ張ってもいけない。
傾かないように手を添えてやるだけだ。
一一一一一一一一一一
必要なものがあったので霧雨店へと行く。
帰りに呼び止められた。
一一一一一一一一一一
「おい、万屋。」
「ん?」
「ここ最近、魔法の森に若い魔法使い見習いが出るらしいからそっちの方に行くときは気をつけて行けよ。」
「はいよ。けど、魔法使い見習いってことは人間なんだよな?」
「だろうな。」
「人の子が魔法の森に入って大丈夫なのか?」
「さぁな。しかし、魔法使い見習いを名乗るのだからそこらの木っ端妖怪なら相手にならんのだろう。」
「そういうもんかね。」
「力も持たん癖に妖怪相手に商売するお前もどうかしてるがな。」
「まぁ、そうだな。そういえば……」
「どうした?」
「その見習いとやらは煙草の臭いが嫌いらしい。もし、仲良くなりたいなら煙草をやめてから会いにいった方がいいかもな。」
「よしてくれよ。なんで俺が魔法使い見習いと仲良くなりたがるんだよ。」
「万が一の話だ。もし、仲良くなりたいと思う日が来たら思い出してくれ。」
「そうだな。しかと覚えておくよ。」
「そうしてくれ。」
「ということは、お前も仲良くなりたいんなら煙草をやめないといけないな。」
「あんなじゃじゃ馬と仲良くなるよりも一人で煙草吸っていた方がよっぽど俺のためになるさ。」
「……。」
「まぁ気を落とすなよ。たかが魔法使い見習いをじゃじゃ馬と呼んだだけだろう?」
「……あぁ、そうだな。」
「そういえば近い先に魔法の森の方で仕事があるな。」
「そうなのか?」
「あぁ、そのときにでも魔法使い見習いがどれだけ可愛いかくらいは見てくるとするかな。」
「そうか。」
「で、親父さんにそのときの様子でも話してやるよ。」
「なんで俺が魔法使い見習いの様子なんて知る必要があるんだよ。」
「なら、代わりにどこか飲みに行くか?」
「そうだな。ただ、男同士の酒のつまみは仕事と美人の話と決まっているんだが?」
「そうだな。そのときには魔法の森で見かけた金髪の絶世の美女の話でいいか?」
(魔理沙はじゃじゃ馬だから美人とは……。アリスは綺麗だし親父さんも食いつくだろう。)
「それでいいな。」
「そう言ってくれると思ったよ。」
「ところで、その美女は健康なのか?どんなに美しくても、健康で気立てのいい女の方でないとその美しさが半減してしまうからな。」
「あぁ、健康だよ。それに心配りもできている。まぁ、ときには無茶(俺にピエロの着ぐるみを着せる)もするけどいい女だよ。」
「飯は食えているのか?」
「そこは問題ないと思うぞ(アイツ飯食う必要ねぇし)。」
「そうか、ところで部屋の掃除とかはできているのか?」
「まぁ、(人形で)散らかってるところもあるけど、基本的には清潔だと思うぞ。」
「そうか……。それならよかった。」
「満足したのか?」
「あぁ、また今度酒の席で聞かせてもらうぞ。」
「任せておけ。」