キスメとヤマメ
燐とさとり
ご了承ください
恨み殺され、社会から捨てられ、そうして人は弱くなっていく
一一一一一一一一一一
地底の入り口へ地上を散策中のヤマメに頼んだ。
好んで地上に出るとは不思議な妖怪もいたものだな
一一一一一一一一一一
「土蜘蛛が地上に何の用だ。」
「いきなり失礼ね。私はただ散策していただけさ。」
「土蜘蛛が現れたら恐いだろ。地下に封印された妖怪は恐ろしいと聞いているからな。」
「今時そんなことするような輩は地下にもいないでしょ。人に恐れられなくなって消える心配がなくなった。しかも、年間5万以上の死体が外から送られてきて食事にも困らない。これで満足しないやつがいるかい?」
「満足していてもイメージというものがあるだろ。」
「そのイメージとやらがどれ程恐ろしいものかわかっているつもりさ。……少なくとも私はね。」
「俺もわかっているさ。一度の失言、一度の暴言、これでどれだけ人に疎まれてきたことか……。」
「私も地下に追いやられたからねぇ。わからないもんではないのさ。」
「お前はまだいいじゃないか。地下に追いやられても今に満足なら。」
「何かあったのかい?」
「社会的に殺された?とでも言うのか……。」
「訳ありか……。聞いてもいいかい?」
「いいが……楽しくないぞ。」
「それならやめだね。これから暗い穴を通ろうというのに暗い話なんて聞けるかい?」
「だろうな。」
「話したいなら地下にいる勇儀のところに行きな。あいつならどんな話でも酒の肴にしちまうからね。」
「そうさせてもらうよ。ところで……」
「ん?」
「ヤマメの話を聞かせてもらおうか。」
「暗い話になるけどいいのかい?」
「いいさ。煙草でも吸いながら話し半分に聞くからな。」
「それは失礼だと思わないのか?」
「思わないな。相手が話したくないことは聞かないか話し半分に聞くのがいいって知り合いが言っていたもんでね。」
「いい人じゃない。何で貴方の知り合いなのか理解に苦しむよ。」
「どうでもいいだろ。で、話すのか?」
「話してやるよ。」
「楽しませてくれよ。」
「面白いのは期待するなよ。話をするのは下手なんだからな。」
「そうするよ。」
「私はね、大昔に封印されてから人間を恨んできた。力もないくせにこんなことしやがってってね。でも、ここで起きた異変のときに霊夢たちに負けたんだよ。そのときは地上も変わった、私を受け入れてくれるかもしれない。って思ったんだよ。まぁ、無駄だったけどね。」
「悔しいか?」
「そうでもないのよ。わかってたはずのことだからね……。」
「悔しいのか?」
「……そりゃあ悔しいさ。後ろ指差されて逃げてきたのに……。時代が変わっても人は変わらないのかね……」
「そう簡単に変われるのなら、俺も苦労してないさ。」
「悔しいかい。」
「いや、俺を捨ててきたあいつ等の方が俺を失った大きさを感じて悔しがっているだろうな。」
「神経が図太い上に性格が悪いとは……貴方は手遅れかもね。」
「わかってるよ。」
あらすじの欄でも説明させて頂いてますが漸夜様の東方職人録にてコラボさせていただいたことに決まりました。
私は苦手なので書けませんが読者から見て主人公の相模友人がどのように映っているのか知りたくて参加させていただくことに決めました。
投稿は年末頃になるそうなのでぜひ見てください。