腹を割って話をしましょう。私の前ではどんな建前も意味がありません。
貴方の全てを教えてください。
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お燐の案内でとりあえず館の主の元へと来た。
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コンコン
「鍵はかかってないので勝手に入っていいですよ。相模さん。」
「初対面だろ?」
「はい。しかし私には全てわかる……というより、わかってしまうのです。貴方の名前も、住まいも、どこから来たのかも、何を愛煙しているのかも、貴方が何故幻想郷にいるかも。」
「そうか、じゃあ俺が何をしにここに来たのかもわかっているんだろうな。」
「勿論です。罪滅ぼしですね。」
「そうだな。罪滅ぼしだな。」
「過去に起こした悲しい出来事を自らの過ちだと思っているんでしょうね。」
「だろうな。」
「忘れようとしても消えないのでしょうね。」
「それはわからないな。」
「トラウマというものはとても厄介で一度心に焼き付くと中々消せないものなのです。」
「だろうな。物事は時間でしか解決できないと言うしな。」
「けど、時間ですら解決を放棄するようなトラウマもあります。今回のトラウマはそれのようです。」
「そんなことまでわかるのか?」
「いえ、これは私の経験と勘からの考察にすぎません。今回のような心の傷は放置していてもいつか治る気がしただけです。」
「そうか……。傷の主は昔のようになれると思うか?」
「なれないでしょう。大きな傷というのはすぐ開くものです。何をきっかけに爆発するかわからないような爆弾を持ち歩くようなものだと思います。」
「大変なんだな……。」
「ええ、恐らく辛い人生を送るでしょうね。」
「お前にも……」
「……。」
「何か辛い経験はあるのか?」
「なぜ、そう思いますか?」
「何となくお前の言葉が自分に言い聞かせるような言い方だったんでな。」
「中途半端に人の心に踏み込もうとすると痛い目を見ますよ。」
「だろうな。」
「それでも聞きますか?」
「聞いて俺が得するならな。」
「得なんてありませんよ。徳のない人間に相談なんか時間の無駄だとは思いますけどね。」
「だろうな。俺でも俺自身に相談なんて頼まれてもしねぇよ」
「それは本心ですね。」
「俺は嘘をつかねぇよ。」
「その言葉事態が嘘なのですけどね。」
「バレてるんだな。」
「私は貴方の全てがわかると言ったはずですよ。」
「隠し事もできないな。」
「ええ、貴方の建前も本音も全てわかります。」
「……」
「昔の話ですね。」
「あぁ、建前は大事なものと交換して手にいれたものなんだよ。そう簡単には返して貰えないさ。」
「聞いてほしそうなので一応聞きますが、何と交換したんですか?」
「肉まんか、ベルトだったと思うんだが……」
「やはり万屋さんは変態さんなのですね。」