人は無知だ。
なにかを守るためになにかを見失う。
なにかを産み出すためになにかを捨てる
そして、それに気付かない。
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霧の湖で釣りをする。
竿に手応えがあったから思いっきり引き揚げる。
人魚がつれた。
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「久し振り~」ヒラヒラ
「大丈夫か?」
「大丈夫よ。そんな安い餌に食いついたりしないもの」
「酷い言われ方だな」
「あら、空っぽのバケツを抱えて何を偉そうなこと言ってるのかしら?」
「はいはい、どうせボウズだよ」
「ボウズになるのも当たり前よ。貴方、ここにどんな魚がいるか知ってるの?」
「知らねぇよ」
「あのね、ここに魚はほとんどいないわよ。釣れないのは当たり前。ただし、化物みたいな魚はいるからそれが釣れなかったことをその安い餌に感謝すべきね」
「これだけでかいんだから何か釣れるかと思ったんだがな」
「紅い悪魔がお隣さんだなんて魚もお断りなんでしょ」
「そんなもんなのか」
「そんなもんなのよ。まず第一に怖がることを忘れた人間よりも動物の方がそういうことには鋭いのよ」
「なるほどな」
「ネズミは船が沈む前に逃げ出すし、リュウグウノツカイは地震が来る前に水面に上がってくるのよ」
「虫の知らせとも言うしな」
「そういうこと。人間も生物らしく自然を享受すればいいのに……。何で自然から逃げ出すのかしら」
「便利なものを作ってみたら便利になりすぎた。ただそれだけだろ」
「その便利さのために一体どれだけの土地が砂漠のなったのかしら?」
「一般的な砂漠化は人のせいではないだろ。元々雨が降らない土地なんだから干上がって当然。正式な意味での砂漠化は人間の仕業でもあるがな」
「それじゃあ、一体いくつの森が消えたのかしら?」
「それには反論できないな」
「元々反論する意味がないでしょ。言い訳にしか聞こえないわよ」
「理屈臭い、屁理屈……誉め言葉じゃないか?」
「どこがよ」
「つまり、質問者が考えていた質問に対する答えを論理的に確かな知識をもって反論できるということだからな。討論会なんかでは最高の誉め言葉だろ」
「日常生活は討論会じゃないのよ?」
「間違いは訂正するものじゃないのか?そんなんだからマイナスイオンとかプラズマクラスターとか水素水なんかが広まるんだよ」
「貴方、そういうの嫌いそうだものね」
「大嫌いだよ。マイナスイオンを全身に浴びたいならコンセントにシャー芯突っ込んでたらいいんだよ」
「マイナスイオンじゃなくて癒し効果位の言葉にしておけば文句も言われないんでしょうけどね」
「滝に癒しを求めても騒音でイライラするだけだ」
「貴方は幻想郷に来て正解だったわね。心からそう思うわ」
「そうだな。来れてよかったよ。いろんな人に出会えた。それだけで俺の運命が変わったからな」
え?コラーゲン鍋でお肌プルプルになった?
トランシーバー効果だよ!!