あいあむそーくーるがーる。
あんど、あいあむべりーきゅーと
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甘味処で羊羮を買ってその帰り、赤いマントをはためかせ、彼女がやって来た
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「ん?赤蛮奇か」
「私がいちゃ悪いか?私だって人里にすんでるんだ、いつか遇うさ」
「それもそうか」カチッスゥー
「……」ジー
「ん?どうした?」
「……」(身体中のポケットを漁る)
「忘れもんか?」
「忘れた」
「何を?」
「一本欲しい」
「お前、吸ってたか?まぁいいか、ほれ」
「礼を言う」(指先から火を出す)シュボッスゥー
「便利だな。」
「妖力があれば誰でも出来る。自慢するようなことじゃない」
「いやいや、小さいときから憧れてたぞ。指パッチンして火を出そうと悪戦苦闘していたこともある」
「……」
「……そういうのなんと言うか、格好いいよな……」
「……こういうことも出来る」
「おぉ、凄いな」
「私は妖怪だから、ただそれだけ。特に力も強い訳じゃないし」
「人間の俺には真似できそうにないな。……ところで……」
「ん?」
「お前、さっきからくわえてるだけじゃねぇか、吹かしてもいいことねぇだろ。肺まで煙入れねぇと」
「……よゆー」
「余裕って無理はしなくていいんだぞ」
「私は妖怪だから貴方よりも心肺機能も身体も丈夫。たとえ、煙草を煎じて飲んだとしてもよゆー。だって、指から火も出せるし……」スゥーーハァーー
「大丈夫か?」
「よゆー……ゲホッゴホッ」
「だから、無理はするなって言ったんだよ」背中叩く
「私は妖怪だから貴方よりも強い」
「無理して吸っても旨くねぇだろ。ほら、捨てていいから」
「私は煙草になんか負けない」
「何と戦ってんだよ……。ほら貸せ」
「はい」
「プライド高いのもいいがある程度に留めておけよ」
「この間、紅魔館のメイドにもらったやつは美味しかったのにこれは美味しくない。苦いし、辛い」
「こっちが本物だよ。香り高く、芳醇。舌に刺さる辛味も喉にかかる苦味も全部煙草の味なんだよ」
「本物、芳醇……」
「どうした?」
「なんかかっこいいわね。ワインを一口飲んでフランスの山脈を思い出してる人達みたい」
「馬鹿にしてないか?」
「してない。一口にそれだけのことを語ることが出来るのはそれだけそれを愛しているということ、それは純粋に凄いことだと思う」
「それはどうも。もう一本いるか?」
「貰うわ。本物とやらを味わいたいもの」
「ほら」
「ありがとう」
「どうだ?」
「苦いわね。けど、この鼻孔を擽るこの芳醇な香り、まるでドイツの高貴な軍人を思わせるわ」
「その煙草はアメリカの先住民のものを意識して創られたらしいぞ」
「……」
「不味いか?」
「そうね。未開人の粗削りで発展しきれてない……そんな味ね」
「まぁ、旨けりゃ何でもいいんだよ」
ばんきっきかわいいよ
ドヤ顔でキャスターワンを吸っているところに「同じウィンストンだから似たようなものだよ」って言いながらキャビンマイルドを吸わせて噎せさせて無言で睨むも、涙目でそんなばんきっきをニヤニヤしたいくらいかわいいよ