月に向かって咆哮し、野山を風の如く走り抜ける。
銀の毛並みは鏡のごとく、月の光を反射し輝く。
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永遠亭で薬をもらった帰り、妹紅の案内で竹林を歩く。
突然の物音に振り返ると、黒い影が駆け抜けた。
妹紅によるとそれは人狼らしく、紹介された。
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「どうも今泉さん、里で万屋をやっている相模といいます」
「どうも相模さん、竹林で狼女をやっている今泉といいます」
藤「あんたたち、なんでそんなに他人行儀なのさ」
「だって他人ですし、ねぇ影狼さん」
「はい、友人さん」
藤「はぁ~。私はもう帰るから、あとは影狼に案内してもらってね」
「ここまで悪かったな、助かったよ」
藤「いいよ、趣味だからね」
「ちょっと!なんで、私が案内することが確定してるのよ!?」
藤「たまには人の役にたった方がいいわよ。弱小妖怪らしくね」
「ぐぬぬ……」
「ここまで助かった。礼は漬け物でいいか?」
藤「助かるよ。肉や筍はいくらでも手に入るけどそれ以外の野菜はなかなか手に入らないからね。じゃあね」
「あっ、ちょっと……」
「まぁまぁ、竹林の出口はそう遠くないんだ、少し付き合ってくれ」
「わかったわよ」
「なぁ、人狼」
「私は満月の夜だけ狼の姿になる狼女、毎晩一人だけ貪る人狼とは違うのよ」
「なるほどな……。で、」
「で?」
「どの狼だ?狼と一言にいっても多種多様だろう?」
「見た目の通り日本にいた狼よ。」
「……」
「何よ。マジマジと見て」
「次の満月はいつかと思ってな」
「変身した姿は見られたくないの。わかるでしょう?」
「ニホンオオカミか……剥製とクローン以外で見るのは初めてだな、色々とデータを録らないとな」
「聞いてる?」
「生理学の発展のための礎になりたいんだろ?わかってるよ」
「噂以上の変態ね」
「変態とは失礼だな。これはニホンオオカミと出会ったときの正しい反応だろ?」
「だから人間は嫌いなのよ。自らの社会を発展させるために払われる犠牲を一切省みない。リョコウバトはどうなった?オオウミガラスは?ステラーカイギュウは?」
「昔は確かに何も考えずに発展させてきたからな。でもな、そういった失敗を重ねて今では種の保存に動こうとしているんだから、過程は間違っていても結果はいい方向に向いているんじゃないのか?」
「スポーツ感覚で殺されたリョコウバトの前でもそう言えるなら大したものね」
「再びリョコウバトが空を飛ぶ日が来るなら何度でも反省するさ。」
「反省ならサルでもネズミでもするわ。電気ショックを与えればね」
「いいことを教えてやるよ」
「何かしら?」
「ヒトは過ちを反省して後世に伝えることのできる唯一の動物なんだよ」
「じゃあ、体に悪いことが判っている煙草をいつまでも後世に残しているのは何故かしら?」
「ヒトも動物だからな、100%じゃないんだよ」
なんとなくあらすじを変えてみました。