二年前の話
霞がかった月を見て煙を吐き人を恨む
吐き出された煙を見て社会を恨む
社会を恨む自分を見て自身を恨む
一一一一一一一一一一
すんでいるマンションの屋上、時計は既に朝の2時を指していた。
一一一一一一一一一一
「さてと……」
俺は吸っていた煙草の火をコンクリートに擦り付けて消す。紅い火の粉が飛び散った。
季節は既に桜も散って夏に入っていたいた。夏に月が見れるとは運がいい。
俺は呑んでいたウィスキーの瓶を置く。コンクリートとガラスの軽く高い音が響く。
俺は靴を揃え、遺書を置き、花を添える。近くの花屋で竜胆を買ってしまった。
メモを取りだし明日の予定を確認する。明日、俺がいなくなったら困るだろうなと思いながらほくそ笑む。相変わらず性格が悪い。
風が吹き抜け、スーツを揺らす。新しい年度に備えて3月に買ったがこんなにも早く着なくなるとは思っていなかった。
こんな時間なら皆夢の中だろう。子供ならヒーローになりきっている時間帯だ。
俺が死んだらどこへ行くのだろうか。天国か地獄か……。やっぱり地獄だろうな。
星の瞬きを見ながらもう一本取りだし火をつける。膝も笑っているしビビっているのだろう。
第三次世界大戦も終わり平和になったはずなのにな……。俺の周りに平和はなかなか来てくれないもんだな。
そういえば、霊って言うのは自分が生前いったことがある場所にしか行けないらしい。大学にいれば会えるだろ……。
死ぬ前に校長と教頭の頭ぶっ叩けば良かったかな……。何が「長いものには巻かれることも大切」だよ。胡麻すり供が……。
思い返せば人生茨の道だったな。大学4年の夏休みからだったっけな。
そういえばB○○K・○FFに本返してねぇな。
……まぁいいか。
「今晩は、相模さん。」
「誰だ?」
「しがない一匹の妖怪です。」
「俺の死体でも食いに来たのか?」
「そんなことしませんよ。それに……驚かないんですね。」
「若い頃に二人ミサキに絡まれていたからな。それに、今から死ぬんだから自暴自棄なのかもな。」
「二人ミサキに絡まれる人生は楽しそうですね。」
「愉しかったよ。……あの頃はな。」
「ところで」
「ん?」
「今日で丁度998年です。 」
「何がだ?」
「とある約束をしてから丁度998年経ちました」
「長生きなんだな。」
「妖怪ですからね。」
「なるほどな。」
「死ぬんですか?」
「そうだな。」
「死ぬのなら死に場所を与えましょうか?」
「何でそんなことをしてくれるんだ?」
「私が貴方に生きて欲しいと考えているからです。」
「妖怪に好かれるとは俺の人生も捨てたもんじゃないかもな。」
「そうですね。」
「連れていってもらえるか?」
「はい♪それでは改めて……」
「死に場所を探しているなら付いてきなさい。」
「言い直す必要はあるのか?」
「こういうのは雰囲気が大切なんですよ。で、どうしますか?付いてくれば誰にも迷惑をかけずに死ぬことができますよ。」
「……お前、俺の性格を知ってて言ってるだろ。」
「さぁ?只一つヒントを言うなら私は多くのことを知っていますが全知全能の神ではないってことですね。」
「なるほどな。」
「で、どうしますか?付いてきますか?ここで死にますか?」
「付いていくよ。」
「では、1名様御案内♪」
「ところでお前、名前は?」
「私は幻想郷の賢者、スキマ妖怪の『八雲紫』と申します。以後、お見知りおきを……」
ここで意識が途切れた。
以前から宣伝していた漸夜様の『東方職人録』へのコラボ話が、今日『東方職人録』にて投稿されました。
よろしければご覧ください。
そして漸夜様、こんなにもコラボしにくい作品は他にはないと思いますがコラボしてくださりありがとうございました。