「蓮子、こんな時間にどうしたの?」
「ちょっと冒険をしようと思ったの。」
「どうしたの?」
「先輩が来なかったから土産話でもしてあげようと思ってね。」
「そんなことで私を連れ出したの!?」
「いいじゃん、いいじゃん。先輩へのお土産が鉄輪だけっていうのも寂しいしね。」
「そうだけど……。」
「それなら、早く行こうよ。」
「うん……。」
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「夜の神社と言うのは風情があっていいですな~。」
「そうね……。」
「どったの、メリー?」
「何でもない。ただ……」
「ただ?」
「……ううん。やっぱり何でもない。」
「ふーん……。変なメリー。」
ガサッ!!
「何かいる!?」
「風か動物でしょ?気にしない、気にしない。」
「うん……。」
「さてと……。先輩に電話してやろうかな。」
「何で?」
「何でって羨ましがるかなぁって思ってね。真夜中の神社、美女と二人っきり。こんなシチュエーション喜ばない男はいないよ。」
「美女と一緒にいるのが女じゃなかったらの話でしょ?」
「まぁね。……あれ?」
「どうしたの?」
「先輩でないな~。」
「何時だと思ってるのよ。とっくに寝てるんでしょ。」
「いや、男子大学生が夏休みの深夜2時に寝ているはずがない。」
「どうして言い切れるのよ。」
「先輩普段からこの時間起きてるんだもん。自堕落になる夏休みに普段より早く寝るはずがない。」
「何であなたが知っているの?」
「だって、たまに授業のこととかでこの時間帯に先輩んちに行ってるから……ね。」
「それなら、先輩に話しても羨ましがらないんじゃないの?」
「何で?」
「だって普段から深夜、密室、美女と二人きりっていうシチュエーションを楽しんでるんでしょ?」
「なるほど。つーか、美女とか言うな。」
「何でよ。」
「私ってそういうタイプじゃないし……何か小恥ずかしいじゃん。」
「私は事実を言ったつもりよ。」
「まず第一、美女って言うのはメリーみたいなふわふわ御嬢様系のことを言うの。私みたいなタイプは似合わないって。」
「確かに美女とは違うかもね。」
「でしょ!?私はそういうタイプじゃ……」
「美女というより美人の方が似合うわね。」
「だから、そう言わないでって!! 」
「クスクス……」
「今日のメリーはどうも調子狂うな……。いつも以上にいじってくるし……。」
「『いいだろ?俺にだってこういうときもあるんだよ。』」
「先輩のまね?」
「そう。」
「似てないな~。」
「そう?」
「先輩はもっとダルそうに話すんじゃない?『いぃだろ?』ってな具合でね。」
「お~。」パチパチ
「まぁまぁ。」
「よく先輩のこと見てるのね。」
「本当に今日のメリーは調子が狂うよ……。」