まれびとの旅   作:サブレ.

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第十三話

第一試合、クリリンvsバクテリアン。

不潔な男だな……つーか武闘じゃないし。いいのか!?実戦でならどんな手を使おうと何も言わないけど、天下一武闘会がこれでいいのか!?飯を食べ終わってて良かった。

 

「立てよクリリンっ!そんなやつに負けるなっ!クリリン!よく考えてみろっ!臭いのは気のせいだっ!匂うわけないだろっ!お前には鼻がないじゃないか!」

「はいィ!?」

 

えっクリリン鼻ないの?ほんとに地球人?

ていうかクリリンって鼻なかったんだ……前世でアニメ見てたはずなのに初めて知った。面白い事実が続々出てくるの、ドラゴンボールの世界だな……って感じがする。

なおクリリンは屁の臭さで勝ってた。だからそれでいいのかと。

思ってたよりゆるいな天下一武闘会。

 

 

第二試合は、ヤムチャvsジャッキー・チュンの二人。気を探ると分かる、これはジャッキーチュンの勝ちだなって。ヤムチャもなかなか強いんだけど、経験値の差というか、荒々しさと洗練の違いというか。

経験積んだ上で基礎で押し切るのと、ただがむしゃらしか知らないのは違うしな。

 

「第二試合、はじめっ!」

 

試合運びは予想通りの展開になった。ヤムチャに一回も触ることなく、ジャッキーチュンは手で風を生み出して場外まで吹き飛ばす。

なるほど、直接殴ったり蹴ったり斬ったりするほかに、ああいうふうに勝つ手段もあるのか。

武闘会って感じがする。殺し合いとはまた別の戦いの極地の一つ。ん?そうなるとさっきの、臭いで戦うのも『殺し合いじゃない戦い』って部類だからオーケーなのか?

わかんなくなってきた。

 

「じょ、場外っ!ジャッキー・チュン選手の勝ちですーーーっ!」

 

会場は大盛り上がり。いやあ見事な戦いだったので俺も熱い拍手を送る。

亀仙人、本当に武天老師だったんだな……ようやく実感した。

 

 

第三試合はランファンという女選手がいわゆるぶりっ子で試合展開した、かと思いきやナムの方が一枚上手で、まあだろうなというかなんというか。動きは良かったんだけど、いざというときの切り札がアレってのはな、通用せんよな。

というか、色仕掛けを使うなよ……なんで脱いだ。そしてなんで亀仙人は役得とばかりに触ろうとしてんだ。だからエロジジイ言われるんだぞ。

さっきの尊敬メーターが再び下がったのは、俺のせいじゃないはずだ。

 

+++++

 

第四試合、おまちかね悟空の試合だ。対戦相手は恐竜、というか怪獣?ギランっていう名前らしい。

つーか悟空どこいった?

 

「おーい悟空っ!おまえの番だぞどこいったんだーっ!」

 

クリリンはじめ全選手で探し回っているので、俺も気を探ってみる……ん?だいぶ近くにいるな?別選手が近くにいるからたぶん見つかるとは思うんだが。

しかしあんな近くにいんのになんで集まらないんだか。悟空その辺はちゃんとしてるはずなんだけどなー。

 

『ど、どうも!孫悟空選手はお昼寝をしていました……!』

「こんにちはー!オラ孫悟空でーす!」

「いや食休みかよっ!」

 

自由かお前はっ!

気を取り直して第四試合が開始した。順当に行けば悟空の勝ちなんだろうけど、怪獣、というか人間以外ってなんらかの特殊能力持ってたりするから、搦手がどう作用するか、だな。

不意打ちに引っかかるあたり、搦手は苦手そうだけど。

 

「悟空!がんばれよ!」

 

壁に叩きつけられたくらいじゃ参ってない。そうそう、そうじゃないとな。つーかこれでダウンしてたらサイヤ人の名折れにも程がある。

改めて悟空とギランが正面からぶつかり合う。実力は完全に悟空が上。これは予想通り。殴りつけた勢いのまま尻尾を担ぎ上げると、場外を狙って一気に投げ飛ばしにかかる。

 

「せぇーの……どええええ〜〜〜っ!!!」

 

これで決まれば悟空の勝ちだ。決まれば。

空中へと放り投げられたギランは、案の定自前の翼をはためかせて武闘台へと逆戻り。うーん、これは場外狙いはキツいか。

前世でじーちゃんがテレビの向こうの野球試合に色々ブツブツ言ってた理由がちょっとわかった気がする。訳の分からないものを見る目でいてごめん。

そんなことを思っていると、ガムでぐるぐる巻きにされた悟空が空中に放り投げられて、筋斗雲で復帰していた。一回限りのセーフ判定にホッとする。

 

「悟空、後ないぞ!飛ばされるなよ!」

 

とりあえず野次、もとい応援を飛ばしておこう。ギランはもちろん、二度目の追撃に容赦がない。悟空はギリギリのところでなんとかかわそうとして──

 

「シッポだ!シッポがまた生えたー!」

「あっ」

 

尻尾生えた。

えっ、今月齢いくつ?

 

「ひーふー、えっと前の満月が……もしかして今日か?」

 

どうしよう、と思ったけど考えるのをやめた。

大猿になってからでいいか。悟空試合中だし。

現実逃避ではない、断じて。

 

「悟空っ!そんなガム破ってやれ!」

「ぐぬぬぬぬぬぬ〜っ!」

「き、きさま人間じゃないのか……?」

 

いいとこついたな、ギラン。孫悟空は宇宙最強の戦闘民族の生き残りだ。まああとちょっとしか残ってないんだけどな。

ブチィ!っと音を立ててガムを破った悟空は、体を軽く動かすとくるりと背後を振り返って、腕試しと言わんばかりに壁をぶち抜いた。

おお、確実に尻尾生えてない頃より調子良くなってる。

 

「では、反撃開始だーっ!」

「まいった」

「ありゃ」

 

やる気満々!となったところで降伏宣言、そりゃ悟空もギャグ漫画みたいにひっくり返る。ちょっと離れた場所のブルマたちはそんなことより次の満月に戦々恐々してるけどな。

予想外の結末とはいえ実力で勝ち取った勝利なので、悟空もどこか嬉しそうだ。うん、見に来てよかった。悟空がVサインを送ってきたので、こちらも人差し指を空にむけて返した。

 

『ここでちょっと二人にインタビューしてみたいと思います!クリリン選手もご登場してください!』

 

お、インタビューだ。二人並ぶと兄弟弟子って感じがするなあ。弟子入りタイミング的には双子なのかもしれない。二人の関係を見てるとそう感じる。

つーかお前、十一の次は十四だと思ってたんかい。十二と十三どこやった。くそ、同居のとき勉強教えとけばよかった。クリリンとの会話はコントにしか見えなくて観客はドッと湧いている。俺もちょっと面白い。

まあいいや、誰も彼も楽しそうだし。それはそれとして、今度亀仙人にはお礼を言っておくべきなのかもしれない。

次の試合はクリリンvsジャッキー・チュンか。さて、どんな試合になるのかな。

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