まれびとの旅   作:サブレ.

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第二十二話

桃白白との初戦から三日後。

舞い戻ってきた桃白白と孫悟空の二戦目は、まあ悟空が勝利した。ふははは、どうだ悟空は強いだろう。と、胸の中で勝ち誇っておく。あと不意打ち爆弾使ってまで負けたのは単純にダサい。下手に武器を使わず〜なんて言わず最初からあらゆる手段を用いる、って言っとけばダサくならずに済んだのに。

 

「やったー!悟空さんすごいっ!」

「まさかこれほどまでとは……」

「ギイ!」

 

ウパと仙豆で怪我が治ったボラは驚いたり感心したり、そしてサイバイマン一族は踊り狂って喜んでいる。なんか愉快だなこいつら。ついでに俺もそいつらとグータッチしておいた。

桃白白は一件落着。さてどうするか。

ここまで好き勝手やっといて放置するのもなんだかなあ。

 

「よーし、オラこれからレッドリボンのやつらの家に行って、みんなやっつけてくる!行こうぜにいちゃん!」

「あ、当然のように俺もなんだ?」

「行かないのか?」

「行くけど」

 

ドラゴンレーダーで場所を確認。二つほどドラゴンボールが集まってる場所がある。つまりこの辺りにレッドリボン軍の秘密基地があるということ。

 

「じゃあ行ってくる!」

「世話になったな」

 

筋斗雲を呼んで乗り込む。二人とたくさんに手を振って出発進行。時々ドラゴンレーダーを確認しながら空を駆けていると、途中で小さなカメラ付きの飛行物体と出くわした。

 

「なんだこれ」

「レッドリボンの偵察機……ではないな。マークがないし」 

 

あのバイオーム人間とやらにもマークがあったのに、機械にないのはおかしい。しかしどこから来たんだこれ。

やがて偵察機はどっかに飛んでいってしまった。なんだったんだあいつ。

 

「なんだろなあいつ」

「さあ」

 

お互いに首を傾げつつ、しばらく進めばあった、レッドリボン軍の秘密基地。空を飛んでる戦闘機を撃墜しつつ敷地内に降り立つと、バイオーム人間が一斉に俺に向かってきた。

マレビトの肉体には二つの魂が入っているせいか、それとも一つが異世界産であるからか、神様や仙人のような魂を感知できる存在には「ええ……なにこいつ怖……」みたいなリアクションをされることがままある。バイオーム人間もオリジナルは聖地の生き物だから、そういう魂と肉体の不自然さみたいなのが目について、結果俺が印象に残りやすいのだろう。基本俺に向かってくるのもそれがきっと原因だ。

 

「じゃ、悟空。俺はこいつら適当に相手しとくから」

 

戦力差ざっくり見積もったけど、悟空一人でまあなんとかなるだろう。というわけで、俺は邪魔なこいつらを片っ端から切って行く作業に集中する。いや、マジで作業だわ。聖地の奴らと違って自我っぽい自我ないし、強さの差がありすぎるし。淡々と切って蹴飛ばしてを繰り返して、バイオーム人間を全滅させた頃には、悟空は非常に無駄のない動きでレッドリボン軍を壊滅状態にまで追い込んでいた。

仕事早いな。なんかこの辺は星の地上げ屋やってたサイヤ人の片鱗を感じる。

 

 

「にいちゃん」

「おつかれ。どうかしたか」

「ドラゴンレーダー壊れた」

「またか!」

 

今回の旅で何回壊れたんだろうドラゴンレーダー。悟空は抜け目なく残りのドラゴンボールを回収してきたので、残りはひとつだ。受け取ってカチカチボタンを押すけど、確かに何も映らない。うーん。

 

「とりあえず今回はドラゴンボール探し終わりにするか?」

「?しねえよ。にいちゃん、ドラゴンボールで叶えたい願いがあるって言ってただろ」

「あ?そういえば前回のドラゴンボール探しでそんなこと言ったな」

「だから最後のひとつも探すよ」

 

よく覚えてたな。だからレッドリボン軍本部やっつけるとか言い出したのか。別に急ぎじゃないんだけど、ちょっと嬉しい。

なら、とりあえずやるべきはレーダー修理かな。筋斗雲呼んで西の都の方向を確認してややゆっくりめに飛んでいると、下から俺たちを呼ぶ声が聞こえてきた。

 

「孫くん!」

「マレビトー!」

「あれ!?みんなーっ!」

「てことはあの偵察機はブルマのか」

 

気を読み逃したのは反省点。背中痛いのは言い訳にならないからな。とりあえず下降して合流。修理のために一旦カメハウスまで向かうことになった。

 

 

流石に汚れたのでシャワーを借りてざっくり汚れを落とす。ついでに包帯を変えて、ホイポイカプセルに入れてた着替えに着替える。さっぱりして出てくると、ブルマが不思議そうに分解したドラゴンレーダーを見ていた。

 

「おかしいわねえ……どこも壊れてないわ……」

「でも残りの一つが映らないじゃないか」

「途中まで七個全部映ってたんだろ?」

 

ドラゴンレーダーは故障していない。それを踏まえた結論は、何者かがドラゴンボールを飲み込んでしまったのでは?というものだった。なるほど、そういうパターンもあるのか。

しかしそうなったら、どうやって探そう?ドラゴンボールの気を探るのとか流石に無理だからな。

みんなでうんうん唸ってたら、亀仙人がうらないババという助け舟を出してくれた。食中毒で死んだ不死鳥といいなんでもありだなこの世界の地球。

そんなわけでうらないババとやらの元に出発、の前に、悟空の道着を作り直すことになった。俺は着替え持ってたけど、悟空持ってないしな。

 

 

「オラやだよ〜こんなの〜」

「似合ってるぞ?……ふはっ」

「あー、にいちゃん笑ってる!」

「はははははっ!」

「似合うじゃないか!お坊っちゃんみたいだぞ!」

 

若干の悪ふざけで着せてみたおぼっちゃまスタイルが面白すぎた。悟空のムッとした表情がじわじわくる。いや、買わないよ。それはそれとして着せたかっただけだし。

無難に同じ大きさの道着を作ってもらうことにして、暇な一時間は茶屋でのんびり過ごすことにした。

 

「甘くて美味しいなこれ、おかわり」

「いやこれ嗜好品だから。腹を満たすものじゃなくてゆっくり飲むものなんだよ」

 

あっという間に飲み干したので流石にツッコミを入れる。抹茶オレが気に入ったのは良かったけど飲むの早くない?

 

「ヤムチャとクリリンも好きなの頼んでいいよ」

「ありがとうございます!」

「いやあ、悪いな」

 

まあ俺、金は割とたくさん持ってるし。

そんなこんなで時間を潰して、占いババの館へ。先に並んでいた猛者が何があったか大怪我してほうほうのていで出てくるのを見るに、なんかカラクリがあるような。

前の集団がはけて、次の俺たちの番になった。

 

「おやまあ、みんなずいぶんと若いのう」

 

ごめん、たぶん俺うらないババより歳上。

言わないけど。

 

「あのさあ、探してほしいものがあるんだけど」

「いいとも。一千万ゼニーお出し」

「それ、今すぐキャッシュじゃなきゃダメ?」

「もちろんじゃ」

 

あー、じゃあダメだ。流石に日常的に一千万は持ち歩いてない。だが、さすがにその辺りはうらないババも折り込み済みであったらしい。良かった。

うらないババに連れられて、やってきたのは外に設置された、丸い、闘技場にも似た舞台だった。ここでうらないババの用意した選手五人に勝てばいいらしい。

 

「ただし、格闘でない戦いはダメじゃ。つまりそこのマレビトのように刀を持っている者は参加を認めん」

「ええっ!」

「あ、天下一武闘会みたいなルールなのか」

 

じゃあ俺はプーアルと観戦だな。五対三か、まあ行けなくもないだろ。頑張ってもらおう。ある意味一番の当事者なのに、他人事のように観戦する態勢に入った。

 

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