まれびとの旅   作:サブレ.

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第五十七話

なんやかんやで超サイヤ人を安定させることには成功した。しかし強化倍率はぶっちゃけ臨気鎧装とそう変わらない。

だが、臨気鎧装はどちらかというと耐久に振ってあり、超サイヤ人は凶暴性とか攻撃力が強くなる傾向がある。ので、二つの形態をスムーズに切り替えられるようにした。超サイヤ人にはまだ上の段階があるのでこちらを疎かにする訳にもいかないしな。

修業は今はここまでが限界だった。超サイヤ人をさらに進化させるには気の消耗がデカすぎた。サイヤ人みんなこの消耗で戦ってんの?嘘でしょ?

 

 

「マレビト、本当に超サイヤ人になってんのに気が全然感じられねえな」

「そりゃその為に開発した技だし?それに人造人間だって同じだろ」

「それはそうだが」

「御託はいい、さっさと始めやがれ」

 

そんなわけで、超サイヤ人化に成功したので約束通り鬼ごっこ兼かくれんぼの時間だ。ベジータも断られるかなーと思いつつ誘ったら予想外にやって来た。逃げるのは俺、追っかけるのが悟空とラディッツとベジータ。三十秒数えてから三人はスタート、三十分以内に捕まえたら俺の負け。周囲一帯の破壊は禁止。

単純な子供の遊びだ。ちなみにこれは俺の超サイヤ人のコントロール訓練も兼ねてる。

簡単なタイマーを使って三十秒間のカウントを待っている間に一度超化して隠れる。

さて、俺は逃げ隠れするのは得意だが、三人はどうかな。

 

「!来た来た」

 

真っ先に向かってきたこの気は……ベジータだな。悟空とラディッツは微妙にズレてる。が、これはたまたまと見ていいだろう。何故なら感じ取れる気配がやたらと苛立ってるから。これまでの侵攻は適当に周囲を更地にすれば良かったんだろうし、ストレス溜まるだろうなー。

それに対して悟空は確実に俺に接近してきてる。一番不利なのはラディッツだろうか。ここは山育ちかどうかってのが効いてそうだな。市街地だと悟空もここまでスムーズかどうか。

隠し持っていた小石を指弾の応用でちょっと遠くに飛ばす。草の陰に突っ込んでガサっと大きな音を立てた。

 

「そこかっ!」

 

得意げにベジータが叫んであらぬ方向へと転換した。一瞬気弾を発射しようと手を上げかけたのを確認、こえーよ。一応市街地戦想定してのルールだからな?

さて、悟空も対処せねば……と思ったら、上から大量の土が降ってきた。誰だこんなことするのは、と思いつつ咄嗟に臨気鎧装と切り替える。表面に薄く気を張ってるので、多少の土埃をカットできるのが強みでもある。いやー便利。しかし超サイヤ人の訓練にならないのでまた切り替えて超化し直す。

目潰しして動揺誘うつもりだったか?このバーダックを思い出させる手段の選ばなさ、さてはラディッツだな?

 

「っしゃ、こいこい」

 

簡単に捕まると思うなよ。

 

 

で、三十分後。

なんやかんやで俺の勝ち。年上の面目が保たれたなギリギリだったけど。

慣れない動きだったのか三人揃って地面に転がってへばってるのはちょっと笑える光景だ。この三人、悟空とラディッツはともかく、ベジータとの関係はそこまで良くも悪くもないしな。そう考えると愉快な光景だ。王族、上級、下級が仲良く並んでて、それをサダラ世代のサイヤ人が眺めているとな。

にしても、サイヤ人の尻尾は今ではラディッツにしか生えてないのは、生まれつき尻尾なしの俺から見ると不思議だ。ラディッツは台所で作業する時に第三の手の代わりに使っているのをよく見た。それでいいのか。

 

「ふぃ〜、疲れたあ」

「人造人間は常時こんな感じだと思えばいいんじゃないか」

「確かに、有意義だったな」

「逃げ隠れする実力だけは本物か」

「お褒めに預かり恐悦至極」

 

これで超サイヤ人が四人揃ったことになる。

が、問題は、未来で悟空が倒れたにしても、これとほぼ同一の実力を持っていたに違いないラディッツとベジータでさえ倒れたということだ。

が、なにせまだ現れてない敵であるので、実力と厄介さがまるで想像がつかない。

できることをやって、できないことに対応して、待つしかないか。

 

+++++

 

未来悟飯が予言した日がやってきた。

この日に合わせて仕事の調整もおっけー。体調もまあまあ悪くない。悟空はどうだか知らんけど。

あとこれは余談だけど、ブルマとヤムチャが別れた。そしてブルマとベジータとの間に子供が産まれた。なんでさ。

でもベジータがブルマのことを気に入ってたのは納得。気が強い女を好きになる傾向にあるもんなサイヤ人。

俺は仕事の関係とかでCCと付き合いあるから早い段階で知ってたけど、悟空、ラディッツ、悟飯はこの日初めて知ったのでえええええ!?みたいな反応になってた。わかる。

 

「お、お前な……」

「おでれえた……」

「お名前は、なんていうんですか?」

「トランクスよ」

「そっかあ」

「こんにちは、トランクス!」

 

なんか聞き覚えあるようなないような。まあいっか、思い出したところで多分そこまで重要じゃない。悟飯はこんな時でさえなければ、自分以来となるサイヤ人ハーフに興味津々だったに違いないだろうに。

いやーそれにしてもブリーフ博士にとうとう初孫だよ。めでたいなあ。人造人間とかいう奴らのことを考えなければよりお祝いできたのにな。

と、これは前に会った時に思ったことだな。

そして、スカイカーに乗ってヤジロベーもやって来た。カリン様からお使いに来たヤジロベーは仙豆を受け渡して帰って行った。

あ、ただのお使いだったのね。

 

「おいおい、あいつ戦わねえのかよ」

「やる気の問題じゃないか?」

 

嫌がる人に無理やり戦わせても、ってな。

というわけで、剣を抜いた。時間的にももうそろそろ、人造人間が現れてもいい頃合だ。気を纏わせて万が一にも壊れないようにしてから、スカイカーからちょっとずらした場所にぶん投げる。

瞬間、真横でエネルギー弾が剣に着弾した。よし。

 

「!」

「マレビトの言った通りだな、気が全然感じられねえ」

「もう既に人造人間は現れてるってことだな」

 

一度空を飛んで落下してる剣を回収……よっしゃ全然傷ついてない!ガタも来てない!わあい!

で、ついでにヤジロベーのスカイカーに合流。

 

「すまん、ちょっとブルマとトランクスに付いててくれない!?」

「お前かよ!嫌だよ!」

「頼むって!差し入れするから!」

 

なんか前にもこんなやり取りしたような。ヤジロベーは盛大にため息ついたあと了承してくれた。ありがと!

改めて街を見下ろすと、二人組の人造人間が街のど真ん中で佇んでいた。太った白い肌の男と、しわがれたお爺ちゃんの二人組であることが俯瞰風景に映る。

 

「…………?ん、ん?」

 

なんか、違和感?じゃないけど、俺のなけなしの転生者知識というか、すずめの涙ほどのドラゴンボール知識が警鐘を鳴らして来る。

俺のドラゴンボール知識って孫悟空と、オープニングと、各章ボスと、未来からやってきたカッコいい新キャラがいるってことと、二人組の人造人間だ。

で、やはり好きになるキャラクターにも傾向があるわけで。好きになった理由が弟の影響だった指輪の魔法使いを除けば、黒獅子と、天の道を往き全てを司る男であることを考えると……この二人が例の人造人間とは考えにくい。

だってこいつらがその人造人間なら、俺はまるっと忘れてる。ラディッツとかナッパとかみたいに。あの二人、多分原作にも登場してるんだろうけどまるで覚えてなかったし。

 

「なんなんだろう?」

 

ただ重要なのは、これから先さらに追加で人造人間が現れる可能性が高いことか。

とりあえず、上方向に気弾花火を打ってから地面に降り立つ。召集準備ヨシ。

ギロリと二人の視線が俺に向いた。

 

「マレビトだな」

「よくご存知で、人造人間さん」

「まさかすぐに見つかるとは。いや、自ら乗り込んできたと言うのが正しいか」

 

周囲から気が集まって来るが、注目が集まるし、なによりここだと周囲を巻き込みかねない。まずは場所を変えることから始めないと。

まあごちゃごちゃ文句言っても仕方ない。

 

「さて、やるか」

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