まれびとの旅   作:サブレ.

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第六話

ボートに乗って河を進む。助手席に座って襲ってくる動物が居ないか気配を探るのが今の俺の役割だ。パンパンして怒られている悟空とウーロンのやりとりは聞かなかったフリ。いつ治るんだこの癖は。

 

「次の行き先はどこだ?」

「フライパン山ね」

「なっ、なにーーー!!フライパン山!?あっあんなとこにいくつもりだったのか!?」

「でも、そこにドラゴンボールあるんだろ?じゃあ行くしかないじゃん」

「おまえら知らんのか!?フライパン山にはめ、めめ、めちゃくちゃ恐ろしい牛魔王がいるんだぜ!?」

「へー、そうなのか。面白そうだな、悟空」

「うん!」

「俺は嫌だぞっ!」

 

ウーロンは魚に変身した、かと思えば逃げ出した。ありゃま。悟空の身体能力から逃げられると思えねえけどなあ……と思ってたら、ブルマが脱ぎたてパンツで釣りあげていた。釣られる方も釣られる方だが、釣る方も釣る方だ。

悟空が引くって相当じゃないか?

 

「お前なに考えとるんだ……」

「痴女か」

「なによ悪い!?」

「悪いとは言ってないだろ」

 

本人が納得してるならそれはそれでいいんじゃねえのかな。理解はできんが。

そんなこんなでガソリンが切れたのでオールで漕ぎつつ目的地に到着。……カプセル落とした?まじか。そしてウーロンはPPキャンディの効果で逃げられなくなっていて……効果えげつねえ。フリーザにも効くのかなこれ。ちょっと試したくなってきた。こう、うまい具合に飯に仕込んで。

おっと、現実逃避している場合じゃない。

 

「じゃあ歩くか」

「あんたたちは筋斗雲に乗れるから良いわよね!」

「それ言い出したら仕方ねーじゃん」

 

まあ体力ある一番手二番手が筋斗雲乗れるのはバランス悪いけど、仕方ない。せめて荷物は請け負って、荒野をひたすらレーダー頼りに歩いていく。太陽が眩しい。

 

「おまえ達だらしないなー。オラたちもつきあって歩いてやってるのに……」

「わ、私は都会育ちなんですからね……!あ、あんた達みたいなイナカ育ちの野生児と一緒にしないでほしいわ……!」

 

俺の魂だけは都会生まれなんだけどなあ。とは口が裂けても言えない。体力の限界を迎えたブルマがギブアップしたので今日の進みはここまでか。わがまま叫んだ割に即座に爆睡したあたり、案外適応性はあるのかもしれない。

 

「じゃあ悟空、俺ちょっと食べられそうなものあるか探してくるから、ブルマとウーロン頼んだぞ」

「いいのか!?」

「いいって。腹へってるだろ?」

 

ちょっと離れた場所に気を二つ感じる。人間がいるなら、食糧も何かしら見つかるだろう。筋斗雲でちょっくら遠出。喉も乾くし、なにか果物とか生えてたらもいでこよう。

筋斗雲でさっきの川辺へひとっ飛び。でかい魚を捕まえて、ついでに果物もいくつかもいでおいた。なんかトラブル起こってるけど、気配探るかぎり大丈夫かな……あ、襲ってた方が逃げ出した。問題ないな。

 

 

「ただいまー。悟空ほら、魚だ」

「にいちゃんすげーや!」

「何かあったのか」

「ヤムチャってやつが襲ってきたんだよ!」

「ありゃーまじか。勝ったのか」

「いや、なんか急ににげてったぞ」

「なんだそりゃ?」

 

何がしたかったんだろう、そのヤムチャって人間は。ブルマはなんか一目惚れっぽくなってるので多分イケメンの類いではあったのだろうが。ギュルギュル鳴り響く悟空に腹の虫に苦笑して、ご飯ができるまでの繋ぎに果物を渡すとがっつき始めた。どんだけ腹減ってたんだ。

 

「それにしてもヤムチャ、なあ」

「あの人のこと知ってるの!?」

「知らんけど」

「知らねえのかよ!」

「会ったことないのに知ってるとか言えねえよ」

 

まあ、これは直感だけど、なんかまたやってくる気がする。負けるつもりはさらさらないが、ブルマの反応だけがちょっと気になった。

……ドラゴンボール使わなくても良さそうだな、なんか。

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