まれびとの旅   作:サブレ.

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マレビトとピッコロが駄弁ってるだけ


後日談 第4話

浅い眠りから覚めるとまだ昼過ぎだった。昨日ちょっと超化に関して色々試してたら発熱して寝込むというザマである。貰い物の体に文句言うのもなんだけど、やっぱポンコツだなあこの肉体。

16号には俺の仕事の打ち合わせ関係の代打のためカプセルコーポレーションに行ってもらった。悟空は今日はお休み。

そんなわけで、俺のベッドの横にはピッコロが座っている。圧が強い。

 

「んー、はよ……」

「起きたか」

「みず」

「ああ」

 

手慣れているのは、セルからブウにかけての七年間、16号や悟空と並んでピッコロも介護に参加してたからだ。あの時期はほんとキツかったなあ、今もそこそこキツいけど。

サイヤ人が飯を食うのも難儀するって相当だと思う。

そんな昔のことを思い出しながら体を一度起こして、ペットボトルの水を含んでようやくひと心地ついた。

 

「16号から連絡あったか」

「もうしばらくかかるらしい」

「りょーかい。こりゃ没くらいそうだなぁ」

 

まあ仕方あるまい。そんなこともある。

体を起こすのも辛いのでペットボトルをピッコロに返してベッドに逆戻り。マジで、よくセル編まで持ったなこの体。

 

「付き合わせて悪いな。寝てるだけだし、帰っててもいいぞ」

「構わん、今更だ」

「そうかあ」

「食べたいものはあるか」

「もも。キッチンの下にね、缶詰、いつものあるから」

「わかった」

 

七年間世話になった桃缶は今でも常備してある。ピッコロも何回も桃缶開けさせられたのでもう手慣れている。

やがて桃缶を皿に開けたやつを持ってピッコロが戻ってきた。これでも一応サイヤ人、そこそこ食べる方なので桃缶は丸ごと俺の胃の中に消える。なお桃缶一つで満足するのはサイヤ人として見るとびっくりするほど食が細い。もしも悟空がこれっぽっちしか食べなかったら何が起きたと大騒ぎすることは間違いない。

桃缶を食べ終わったので食器を返す。

 

「超サイヤ人さあ、最初なったときに、あっこれ無理だってなったんだよね。あの時の俺は気が回復しないから、消耗デカ過ぎて体が耐えきれないなあって。ウィザードローブで補助必須」

「そうか」

「でさ、治ったじゃん。一応。だからもしかしたらやれるかも、普通のスーパーサイヤ人になれる!って思ったから、超化してみたんだけど。第一段階はなんとかなったけどさ、強化倍率で言えばあんまり、使い物にならないわけでさ。超2を試したらこのザマだよ」

 

かっこいいって思ったし、憧れたんだよなあ。

テレビの前に座ってた子供としても、孫悟空の隣に立てるサイヤ人としても。

もう体質だし、ドラゴンボールでも治しきれなかったから、全宇宙放浪してもどうにもならない問題だ。家族のところに帰れないって諦めたのに比べたら気楽な問題ではあるんだけどさ。

こーいうの、サイヤ人の前では出せないもんなあ。悟空が休みだからってちゃんと休ませといて良かった。

ピッコロは、はあ、とため息をついた。いいじゃんかベッドの上でくらい無いものねだりしたってさあ。

 

「ブルマに頼んでみるか?」

「いや、いい。どうせ無理になったところで使い物にならんし……あ、これ悟空とか悟飯には漏らすなよ」

「分かっている」

「んー、ならいいや」

 

サイヤ人の、戦えば戦うほど強くなる戦闘民族の体質に散々苦しんでおいて超サイヤ人すらまともになれないのはどうかと思うけど。

体を貰えただけ良しとしなければ。稀人とはそういう生き物だ。

 

「すまん、寝る。寝て割り切るから」

「そうだな。休め、俺が見といてやる」

「ピッコロがそう言うなら大丈夫かなあ……寝言で何言うかわかんないから、サイヤ人は全員出入り禁止。誰がきても追い返して」

「それは朝に聞いた」

「そうだっけ」

 

朝は今以上に体調悪くて意識がふんわりしてたからな。

つーかやっぱ俺専用の強化形態作らなきゃだめだなあ。色々試行錯誤して形は見えてきた最中ではあるんだけど。

ぼんやり考え込みながら瞼を閉じた。起きたら16号も帰ってきてるだろうし、仕事に没頭して思考を洗い流そうと決意しながら。

 

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