妖従者と霊操者の現代録   作:謎の通行人 δ

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第一章
邂逅


「こんにちは」

 

「…?こんにちは」

病院。

ちょっと前に色々あって骨折したのの経過で病院に来ていると、一人の少女に声をかけられた。

見た感じだと小…いや、中学2年生位か?日本人にしてはちょっと珍しめのグレーの長髪に青眼だ。急に話しかけられたのは驚いたが、まあ礼儀正しいのはいい事か。…あ、ちなみに俺は高校生な。

 

「少し話があってきました」

あ、挨拶じゃなく。…けど、俺こんな子知らないぞ?

 

「…どっかで会ったっけか?」

 

「?…あぁ、私から一方的に知っていますが、そちらから知っているかは分かりませんね」

何でだよ。

ほぼ初対面みたいなもので話あるか?しかも高く見ても中2位の子から。…アニメがなにかに触発された…可能性もなくはないか。

 

「…何か失礼なことを考えられているようですが、私これでも18ですからね?」

 

「……え?」

え、年上の人?しかももう成人?

いや…え?マジ?背伸びしたい年頃…ではなさそうだな。目を見りゃ大体分かる、これマジだわ。…で、マジでどういうこと。色々一気に起こりすぎて頭がついて行ってねぇわ。

 

「…まあ、率直に聞きます。あなたに私はどう見えていますか?」

 

「は?」

あ、割と素の「は?」が出た。

いやだってよ、話の意図が全く見えてこねえんだが。まあ大人しく従ってみるか…えーどう見えてるか…ねぇ?

 

「…人間?」

少なくとも多分。

 

「…もう少し詳しく」

何がしたいんだこの人…詳しく、詳しくねぇ…

 

「身長150前後、灰髪青眼、いきなり妙なことを聞いてきた変な中学生位の人」

 

「な、中々な言われようですが…まあ良いです。あなたの目にはそういう容姿の人間に見えているわけですね?」

まぁそうだな。

…で?

 

「それが何か…?」

 

「とりあえず、少し協力してほしいことがありまして」

 

「待って話が見えない」

どこからそこに飛んだ?…駄目だ、俺の脳じゃこの人の言うことは理解できん…と、

 

「あ、呼ばれたんでちょっと」

 

「!ちょ待っ、」

とりあえず支払いが先である。

で、一通りの手続きを終え、出口に直行する。下手にあの子に会うと面倒になりそうだ。

と、

 

「どうも」

 

「何で先回りされてんのかねぇ」

すでに出口にいました。この人先読みしおった。

 

「で、話が…」

 

「少なくとも俺にはない」

 

「…幽霊」

と、その言葉に反応してしまった。

 

「やっぱり、あなた普通見えないものが見えますよね?」

 

「…何でそれを?」

俺の体質は誰にも話してないはずだ。どこからこいつはそれを持ってきた…?

 

「簡単です。私の容姿を訪ねたとき、あなたは灰髪青眼、と言いました。私は今ちょっとした術で姿を変えて、周囲の人に合わせて黒髪黒目に見えるようにしているのです。なのに、あなたは私の本来の容姿を言い当てた。つまり術やその他諸々に何らかの干渉、妨害ができるのでしょう。ですが、私の正体に気付いた訳ではないから妖怪が見えるわけではない。ならば消去法で幽霊でも見えているんじゃ、と考えたまでです」

 

「……」

…何言ってんだこいつ?

つまり言うと…()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()ってことか?それが…妖怪とやらの関連?何言ってんだ。痛い感じ…ではなさそうだが…んん?

 

「…何が言いたい?」

 

「簡単です、少し協力してほしいんです」

と、彼女はそのまま歩き始めた。

 

「付いてきてください」

 

「詳細ぐらいは話してほしいんだが」

 

「…そうですね…協力するもしないもあなたの自由ですが、口外だけはしないようにしてください。…そうなるとあなたの首をかき切らなければならなくなります」

と、彼女はこちらを向いて首に親指を添わせながら行った。…嘘じゃないんだろうな。

 

「まず、私が協力してほしいのは、出来る限り広い範囲の平定です」

 

「平定っていうと…」

平和にするとかそういう?ん?相変わらず読めんな…

 

「はい。とは言っても、人災やら自然災害は専門外です。そこら辺は警察の方々や病院の方々が頑張るでしょう。私達が治めなければならないのは、()()()()です」

 

「それ以外…?」

話の流れ的に言えば…その人災の起こした人の精神とか…いや違うか。うーん…あ、メディアとかそういう感じか?

 

「…違いますね。まあ、こちら的に言えば…人でないもの、と言えば分かるでしょうか」

 

「は?人でないって…ん?待てその前に。…お前今俺の考えてること読んだか?」

俺声出してないのに返答返ってきたんだが。

 

「そうですね。…あ、一つ言っておくと、おそらく返答を返すというよりは答えを返す、もしくは返答をする、のほうが正しいかと」

あぁ、マジで読めてら。

マジでどうなってんだ。

 

「で、協力というのは…と言いたいところですが、とりあえず路上で話をするのも何です、公園でも行きましょうか、長くなりそうですし」

…長くなるのか。まあ良いか。

ということで公園のベンチへ連れて行かれた。…連れて行かれた。

この人めっちゃ力強いんだわ、背丈も体重も俺の方が勝ってるはずなのになぁ…。

 

 

 

「…で、先程も申し上げた通り、広範囲に渡る平定の協力を」

 

「そこを詳しく。平定だけ聞かされても状況がわからんからどうとも言えん」

どういう状況なのかを聞かねえとな。

 

「分かりました。では、妖怪の説明からしましょう。その後でそちらから幽霊に関する話もしていただけると幸いです」

 

「まあ、それぐらいなら」

ということで、そこから20分ほど話を聞くことになった。

 

──────────

─────

要約するとこうだ。

妖怪とは人の恐怖や認識から生まれたもので、様々な種類がいる。例えば水への恐怖から河童が生まれ、力への認識から鬼が生まれた、みたいな感じ。

で、その妖怪達を束ねている、いわゆる妖怪総大将的な人がこの目の前の少女。少女というか…歳上だけど。

妖怪を束ねているとはいえ、その中でも漏れ出て悪さをする輩もかなりいるのでそれの解決を手伝ってほしい…というか普通に現在色々ピンチらしい。

 

とのこと。

なぜ俺が能力を持っているのが分かったのか、と聞くと、「何か嫌な感じがした」とのこと。…良かった、感じで済んでるってことは()()()の存在まではバレてないみたいだな。無害とはいえ混乱を生みかねんからな…。

で、彼女。彼女自身半分ぐらい妖怪とかなんとかで立ち位置が立ち位置なだけに色々なことができて、妖怪を従えるのも同じく、妖力とやらを集めて妖怪を呼び出したり、自分も妖怪の能力を使えたり、逆に妖怪の力を奪って消滅、弱体化させたりもできるそう。バケモンかよ。

 

「なるほどな…ある程度は分かった。」

ある程度は、だがな。

…というか、今更だが名前すら聞いてないよな…色々ありすぎて考える暇すら持ってなかったわ。

 

「おっと、私としたことが申し遅れました。私、百鬼(ひゃっき) 刹那(せつな)と申します。歳は18、特技として…」

と、一拍入れて、彼女は言った。

 

「先告通り、妖、すなわち妖怪を従えることができます。ちなみに、先程の心を読む、というのは覚の能力ですね、ご存知かと。」

妖怪か…覚…ねぇ。さっきの話同様、疑う気にはならない。まあ、何でって…

 

「そっちが言ったならこっちも名乗らないとな。日陰(ひかげ) 翡翠(ひすい)だ。歳は16、礼雄高校一年だ。特技…まあ、バレてるが、幽霊に対して触れる見える話せる聞こえる等々、よく祓ったりもしてるな。」

俺も似たような特異体質だからな。

 

「なるほど。…で?」

で?

 

「で…とは?」

で、って何だ。で、って。

 

「いえ、まだ続きがあるのでは?」

 

「無いが?」

続きも何も刹那と名乗るこの目の前の人と同じ内容しか話すつもり無かったんだが。

 

「いえいえ、あなたの中の()()について聞いているのですが。」

 

「!」

と、刹那は少し笑いつつこちらに手を指してきた。

バレてる…!?

 

「先程も言った通り、私は覚の力を今使っています。あなたの中に()()()2()()()あるのは気づいていますよ。」

…あちゃー…

 

「…はぁ…そうかよ。怨霊のリョウ。怨霊とは言うものの特出した害はないが、力という意味ではかなりの上位の怨霊。小1あたりのときに急に俺の中に侵入してきて居候してる。…元々俺は霊を見る、話す位しかできなかったが、触ったり祓ったりできるようになったのはこいつの持ってる霊力のおかげってことだ。あと、普段は非活性化状態だから多分今は寝てる。」

こいつの事は伏せときたかったんだがな…何せ一応悪霊の一部だからな。

霊っつーのは人の思いや未練がこの世に魂を留まらせたものだが、その中にはこれらの内の憎しみとか怒りといった負の感情が一定よりでかい霊もいる。それが悪霊、もしくは怨霊になる。

つまり他人に対して危害を加えて、怒りや憎しみを発散し尽くすまで暴走する霊だ。しかも、霊体だから普通の人は触ったりできないが霊力の密度が高すぎるため視認でき、向こうから触れることはできる。ちなみにだが、悪霊と怨霊は少し違い、悪霊はただ単に負の感情が大きく、人やら建物やらの、まあこの世界のものに害を及ぼす可能性のある霊。一般的に霊と呼ばれる整霊(せいりょう)の対になるものだ。で、怨霊は恨み辛みが更に積み重なって霊力が溢れに溢れた状態の悪霊のこと。つまり悪霊の中でも特に危険な部類に入るのが怨霊ってわけだ。

よくよく考えりゃこんなもんを内に秘めてる俺もなかなか爆弾だよなぁ…




はい、ということで謎存在です。
ここのところ投稿してなかったのは色々と書き貯めてたからでして。
まあ、今回のこれ然りアンテ然り書いてはいます。(進んでるとは一言も言ってない)
もう一個の方のオリジナルは…非表示にしてます。ちょっとこちらの都合上。

では最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
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