前・中・後の3話構成を予定しております。
これからも本作をよろしくお願いします。
「第・・・何回目か分からない閉店ボドゲ大会定員限定版スタ〜ト!!」
『・・・。』
「あれぇ?反応がない?」
千束をはじめとしたリコリコ店員達がテーブルを囲う中、店内に彼女の元気な声が響き渡る。
しかし店内にはその声に反応する者は居らず、普段ならノってくる駿やクルミまで静かになっていた。
そんな予想外の反応に困惑する千束、不思議そうに見渡す彼女へと駿は視線を向ける。
「千束・・・お前今何時だと思ってんだ?」
「えっ?・・・それは11時だね。」
「・・・確かに11時だがなぁ・・・
彼が声を上げながら壁に指を指すと皆の視線が集まる。
皆の視線の先には壁に掛けられた大型の時計があり、そこには11を指す小針と12を指す大針があり11時であることがわかるがその横にある窓から見える景色は暗闇に包まれていた。
「確かに明日は
「だって今日なら夜遅くまで起きてても遅刻しないしちょうどいいじゃん!」
「なら明日やる選択肢はないのか?その方が思う存分出来ると思うが・・・、」
「えぇ〜、明日はせっかくの休みだよ。寝てたいじゃん!」
「それお前の都合だろ!?」
立ち上がり取っ組み合う2人、それを見たミカはため息を吐き、たきなは2人を止めようとしながらどうすればいいのか分からず戸惑っていた。
「2人とも落ちつi、」
「お前は少しTPOを弁えろ!」
「そっちだってデリカシーないじゃん!」
「それ関係ねぇだろ!?てかそれお前もだろ、プライベートに首どころか全身突っ込みやがって!」
「そうしないとすぐにかk・・・、」
「ど、どうしましょうか・・・?」
「・・・落ち着くまで待つしかないだろう。」
たきなはどうにか2人を落ち着かせようとするが聞く耳を持たないためミカへと困った表情をしながら視線を向けるとそこには感情を無にした状態で座るミカの姿があり、彼の言葉を聞いたたきなはそれに習い席に着くと天井を見上げた。
「ま〜た、やってるよ・・・、」
「仲良いのは別に問題ないんじゃないか?」
「そりゃそうかも知らないけど・・・ムカつかない?」
「いいや、別に・・・ただ若いとは感じるな、」
「その見た目で言うか・・・てかアンタは乗り気なのね。」
「・・・いつも夜中起きてるからな、別に苦じゃない。」
2人の様子を見て酒を飲みながら愚痴るミズキは隣にいるクルミに言葉を投げかけるが彼女は特に気にすることなく返答するクルミ、せっせとボードゲームの準備をするクルミを見たミズキが揶揄うと彼女は視線を逸らしながら作業を続けた。
「「はぁはぁ・・・。」」
「「・・・やりおる。」」
「2人とも何してるんですか・・・準備出来ましたよ、始めましょう。」
「ありゃ?準備終わったの?」
「てかたきなも結構乗り気なんだな。」
「そうですか?」
「だってなぁ〜?」
「だねぇ〜?」
「2人だけで納得されても分かりません!」
「いや〜、だってたきな、少し前まで誘っても断ってたじゃん!」
「・・・それは、」
千束の言葉に気まずくなったのかたきなは顔を背けようとするが彼女に頬を挟むような抑えられてしまい強制的に千束へ顔を向けさせられる。
「楽しんでるなら別にいいだろ。」
「まあ、そっか!早くやろう!」
「・・・はぁ、さすがに遅いから1回だけだぞ、」
「そういえばボドゲって何するのよ。」
「これだ、」
「・・・げっ!」
ミズキの素朴な疑問にクルミはテーブルに広げたものであろうボードゲームの箱を彼女に見せる。
それを見たミズキは知らないタイトルだったのか首を傾げるが2人のやり取りを横目に見ていた駿が呻き声をあげた。
「寄りにもよってソレか・・・。」
「アンタがそんな反応するってそんなにヤバいの!?」
「・・・リアルファイトゲーですよ。それも某鉄道ゲークラスの、」
「・・・このメンバーでリアルファイトはまずくない?」
「千束は荒ぶりそうですね・・・それに俺もだった場合、」
「・・・生きていられるかしら?」
「自分で言うのもなんですが一応地雷は不殺コンビなんで流血沙汰は回避できると思いますよ・・・多分、」
「信用ならねぇ・・・。」
「駿もミズキもなにやってんの?もう始めるよ!」
クルミが持つ箱、そこには『ALTER WORLD Hell or Heaven』と書かれておりそれを見た彼の反応に嫌な予感がしたミズキは小声で彼に問いかけると予想通りの答えが帰ってくる。
それを聞いたミズキは冷や汗を書きながら彼に相談するが求めていた回答が帰ってくることはなく彼女の中で不安は膨らみ続けた。
「これ人数必要だから出来なかったやつだ!やってみたかったんだ!」
「ちょうど最低プレイ人数6人揃ってるからな、ちょうどいいと思ったんだ。」
「そんなに面白いんですか?」
「一時期話題なったんだよ!現実味あるけど現実味がない人生ゲームって、」
「・・・矛盾していませんか?」
「俺もやったことは無いが、なんでも子供編と大人編に分かれていて後者は一般的なものと流れは変わらないが前者は幼稚園からスタートらしくてそこから大学までの教育機関に対応してるらしくてな。」
「そこでどのルートに行くかで職業とかが変わるんだって!」
「あとはTRPGよろしくプレイヤーシートを作ってステータスを育てて進めていくらしい。・・・今更思うんだがこれ何時間で終わるんだ?」
「・・・確か平均3から4時間だな、」
「それ下手すると完徹になるんじゃね?」
「かかりすぎたら覚えといて今度やればいいじゃん!」
プレイ時間を聞き項垂れる駿を急かすように千束は彼にプレイヤーシートを渡してくる。そんな千束の目は輝いており今までの経験上から諦めさせることが出来ないと理解した彼はシートを受け取るとテーブルにあったサイコロを降り始めた。
「・・・駿さんがすごい顔してますけど大丈夫なんですか?」
「大丈夫、大丈〜夫!どうせ始まったらノリノリになるからだからたきなも早く書こ、私も手伝うから!」
表情の抜け落ちた駿を見て不安を感じた たきなは千束に問いかけるが彼女は気にすることなく自身のシートを書いていく。
それを見た たきなは考えることも無駄だと悟ったのか自身の目の前にあるシートへと目を向けると戸惑いながら書き始めた。
しかし彼女達は知らないこの後1人の人物の手によって店内が阿鼻叫喚の地獄絵図になるなことを、