「よ〜し、全員準備は出来たな。これからルール確認するぞ。」
「よろしくお願いします、クルミ先生!!」
「先生って・・・まあ、千束は置いておいて始めるぞ。まず基本的なルールはよくある人生ゲームと同じだ。全員わかるだろう?」
「・・・人生、ゲーム?」
「先生〜、たきなさんがわかってません!」
「お前もか・・・その、なんだ・・・これを呼んでくれ。」
「投げたよこの人・・・。」
皆がプレイヤーシートを書き終えると、それを確認したクルミがルールの確認を始めるが、このような遊びをしたことがないたきなは首を傾げる。それを見たクルミは一瞬悩む様子を見せると手に持っていた説明書をたきなに手渡し話を再開した。
「・・・話が逸れたが続きだ。まずこのゲームは人生ゲームにTRPGを混ぜた形式で・・・。」
たきなの一件を除きそつなく進められる説明、それを聞き終えると同時にたきなも説明書を読み終えたようでクルミに説明書を返す。
「少し不安なところがありますが概ね理解しました。」
「分からないことがあったらお姉さんに聞いてくれていいんだぞ〜。」
「・・・駿さん、分からない部分があったらお願いします。」
「わかった、遠慮なく聞きな。」
「・・・あれ〜、私は?」
「千束は勘違いが多そうなので駿さんの方がいいと思いました。」
「そんなことないよ!私そんなに頼りない!?」
「いえ、すごく頼りになりますよ?・・・ですが、姉という感じがしないので、」
「私、年上だよ!?」
たきなのスルーに千束が動揺する中、駿は口元を押えながら笑いだす。
「・・・お前、姉というより妹だろ?」
「いえ、どちらかと言うと犬かと?」
「妹!?イッヌ!?!?」
「はい、人懐っこい感じの。」
「ポメラニアンとか似てないか?」
「そう!それです!!」
「人をイッヌ扱いするな〜!!」
たきなの一言に驚愕する千束、それを見て駿は悪い笑みを浮かべるとたきなに合わせて千束を弄り始める。
それを聞いて怒り出す千束に駿は転げながら笑いだしているとたきなは何を思ったのか千束へと近寄ると頭を撫で始めた。
「なんで撫でるの!?」
「・・・。」
「ちょっと〜?」
「・・・。」
「たきなさ〜ん?」
「・・・はっ!私は何を?」
「千束の頭を撫で続けてたぞ。」
「そうだよ、本当にどうしちゃったの?」
「・・・えっと、なんだか千束の頭に犬耳が生えてるように見えてしまいそのまま・・・。」
「・・・耳!?」
「はい・・・あと撫でていると視界の先に白い何かが揺れていて?」
「それ完全に千束のこと犬扱いしてるだろ?」
たきなの発言に腹を押えながら蹲るように笑う駿、それな彼の姿を見た千束は顔を赤くすると彼の頭に噛み付いた。
「痛った!?マジで犬かよお前、さすがに噛むのはあk、痛っ!?!?」
「ガルルルル!!」
「威嚇の声まで出しやがった・・・ってマジでいっ!つやめろガッ!?本当にこれはヤバいっから!店内が血みどろ空間になっちゃうから!?」
「ガルルルル!!シュンノアタママルカジリ!!」
「もう齧ってるって!?てかなんでカタコト!?」
「シュン、ワタシヲイッヌアツカイユルサナイ!!」
「言葉までおかしくなってるから!?理性失ってないかコレ!?」
「アヤマッ、」
「謝るから!ごめんなさい。これからは犬扱いしないからマジで許して!」
「・・・テモユルサナイ!」
「・・・たきなさん、助けて、」
「・・・。」
「お〜い、たきなさん!」
「・・・。」
「・・・あっ、これダメなやつだ、」
怒りのあまり言語能力と理性を失う千束、そんな彼女に着いていけずフリーズしてしまうたきなに触らぬ神に祟りなしと言わんばかりに顔を逸らし続ける大人達、それを見た彼は助けがないことを悟った。
「・・・かくなる上は、千束?」
「ガルルルル・・・!?」
彼は覚悟を決めたように彼女に声をかけると左手で彼女の脇腹をくすぐったい。擽ったいのか表情を緩ませてしまう千束、その隙に彼は頭を彼女から離すと右手を掴み引き寄せる。
突然のことにバランスを崩してしまう千束、そんな彼女を彼は優しく受け止めると自身の膝に座らせると、片手で彼女の腹部を抑え頭を撫で始めた。
抵抗しようとするが抑えられてしまったため動けない彼女、しばらくすると抵抗をやめたのか全身の力を抜いたことを確認すると彼は頭を撫でながら言葉を紡ぎ始めた。
「ごめんな、嫌だったよな?」
「・・・。」
「調子乗ってごめん、もう言わないからさ。」
「・・・本当に?」
「本当に・・・俺がそういう約束破ったことあるか?」
「・・・ない。」
「だろ?大丈夫もう言わないから、だから機嫌直してくれよ。」
「・・・わかった。」
「ありがとう。」
「・・・千束?そ、そのごめんなさい。」
「いいよ、いいよ・・・どうせ私はイッヌみたいなんだから、」
「全然わかってないじゃん!?・・・ただ揶揄っただけだから!?」
「私も本当に千束をそう思ってませんから、元気出してください!?」
「・・・本当に?」
「「
「ならいいよ。」
2人の息のあった弄りにいじけ出す千束、それをどうにか宥めると彼女が元気を取り戻したためほっと息をつくと、背後から視線を感じたためそちらへと目を向ける。そこには優しそうな表情で3人を見るミカの姿があった。
「先生、どうしたの?」
「いや、成長したと思ってな?」
「確かに成長しましたね・・・斜め上に、」
「斜めってなに!?」
「・・・成長してるのでしょうか?」
「「
「そうですか?」
「してる、してる!リコリコに来てからすごく変わったよ!!」
「自分の成長なんて自分じゃ分からないもんだからな。自信持ちな。」
「・・・はい、」
ミカの一言に複雑な表情を見せるたきな、それを見た千束と駿がたきなを励ますと彼女は表情を緩め顔を赤くしながら俯く。
「そこ、イチャコラしてしてないでさっさと始めるわよ。」
「「「
「息ピッタリ・・・ってそこの2人、また酔っ払い言ったな!!」
「あの呑んだくれの酔っ払いがうるさくなる前に始めるぞ〜。」
「賛成〜!!」
「少し緊張します。」
「緊張なんてする必要ないから楽しめよ?」
「無視するな!・・・てか、クルミ貴様もか!?」
1人の叫び声と共に始まるゲーム、その様子に不安を覚えたミカだがそんなことお構い無しと言わんばかりにゲームは進行して行った。