TS少女はその恋に気付くのか? 作:愚者かくあるべし。ぺしぺし。
これは夏も中盤に差し掛かってきた八月某日の丑三つ時。
その少女は魘されていた。
声にならない声を出し、体は全体的に汗ばむという表現では弱いくらい汗に塗れていて、シャツは体に張り付いている。
その表情は苦悶に満ちており、実にいい気味…。ではなく、もしここに心配性な彼女の両親でもいれば今すぐにでも病院へと連れていくことだろう。
眺めているこちらまで苦しくなりそうだ。彼女は悪夢でも見ているのだろうか。
もしそうだとするならば、原因は
果たして、それとも——
◇◇◇◇◇
突然、その少女は目を開き寝台の上を勢いよく飛び起きた。
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——
—
視界の暗転後、意識が浮上する。
「ッ!はあ、はあ、はあ」
縮こまるように下を向く。
ドクン、ドクン、ドクン。心音は止まない。
心臓の鼓動が耳に響いてやけに五月蝿い。息は荒く思わず胸元の服をぎゅっと握る。
顔からはダラダラと汗が流れていて、被せられている布団の上にポタリ、ポタリと額から滴り落ちる。
周りを確認する前に大きく深呼吸をし、一言。
あれは…
「ゆ、め?」
だとしたら、妙に現実味のある夢だった。
…いや、そういう
「あ、あー。あ、あ。…ダメだ」
自分の聞き違いであることを願い何度か声出しをするが、直ぐにそれが悪あがきであることを悟る。
いや、まだ可能性は…何の可能性だ?
…頬を思い切り抓ってみよう
…痛い。
「夢、じゃ…ない?…は、はは。嘘だろ?」
あり得ない、と髪の毛をぐしゃりとかき上げる、と同時に髪の毛が視界に入ってきた。
思わず目を見開く。
明らかに日頃見慣れている髪色では無い。あの地味な黒ではなく、それこそ外国人でしか見ないような透き通るような金髪だ。
呆然の侭。刹那、顔を上げると、壁際——クローゼットの隣——にお誂え向きのような姿見がある事に気がついた。
急いで寝台を降り、駆け寄る。内装が変わっていることは一旦置いておく。
鏡を見ると、そこには——
「…お、女?」
僕が手で顔をぺたぺたと触ると、鏡の中の女も呼応するように同じ事をした。
その女は実に間抜けな表情をしていて——いや。
「…これが、僕?」
鏡の中の女も同じように不器用に口を動かしている。
僕は宇宙猫となった。
◇◇◇◇◇
「は、ははは…」
尻餅をつきながらも笑ってしまう。
信じられない事に、僕は女性…というには少し幼いか。見た目5、6才の女児になっていた。
とは言え、その年頃であれば女児も男児もそんなに大差はないので、一応有無を確認したが…。
残念な事に亡くなっていた。黙祷。
…人間、過度にありえない状況に陥れば逆に冷静になるものだという事を知った。
「…はあ」
思わずため息をつく。
…如何やらアレは死に際に見る幻覚やらの類ではなかったようだ。
……。
「あー。ダメだ」
左手で上半身を支えた侭、空いている右手で頭を掻く。
考えが全くと言って良い程纏まらない。
「あー…もう」
呻き声に近い何かを出す。再び両手で上半身を支え、思わず天を仰ぐ。が、無機質な天井に阻まれた。
先程冷静になったと言ったが、訂正する。単に何も考えられないだけだ。無理だ。冷静になれる筈が無い。
思考は既にグチャグチャで、論理性を保ってなどいない。
「…こんな冗談は創作の中だけにしてくれ」
もう一度目の前の姿見を見る。
前の野暮ったい容貌は全くと言って良い程残っておらず。ただただ可憐な少女だけがそこに居た。
その容貌は日本人離れしていて、国色天香、一顧傾城とまではいかないが、まだ幼いながらにかなりの美貌と輝きを有している。
一度間抜けと評したが…見方によれば愛嬌と捉えることも出来るだろう。
如何足掻いても、前の平々凡々な見た目の僕では無い。
……。
「創作…創作か」
独り心地にそう呟く。
アレとの邂逅を思い出す。
確か、アレは…。
「僕の事を玩具と言っていたな」
あれは比喩的に言ったのか?暇潰しに丁度いいと。
それとも…。
「自分の思うが侭に、遊べるという事なのか?」
だとしたら、僕の人生は正しくアレの創作だ。
じゃあ、あの時僕が死んだのは。
……本当にダメだ。話が飛躍しすぎていて、全くと言っていい程論理性がない。
ああ、もうグチャグチャだ。と癇癪を起こすことしか出来ない。
…一度寝よう。不能となった思考はただ悪戯に時間を食い荒らしていくだけだ。こんな思考も何もかも、3大欲求様の力で掻き消してくれるだろう。
もしかしたらこれもまた夢なのかもしれないという淡い期待を抱いて。
明日の僕に、期待しよう。
◇◇◇◇◇
結局。君はまた失敗したんだ。
粗方大筋は出来てるんですが、中々書けない…。これ、上手く整形できるかなぁ…。
流石に読みにくすぎるので、此れが書き直せたら次話投稿します。
あとソシャゲたのしー。