ルフィの母親が求道心、探究心溢れたプラント星出身のサイヤ人だった件 作:メカ好き
ウタの誘拐未遂事件から一ヶ月が経過した。あの事件によってウタの殆ど回復していた精神状態が悪化した。ルフィに一日中引っ付く様になり、彼の姿が見えなくなったり、人形を見たりするとパニックを起こすようになったのだ。その姿は余りにも痛々しく、サヤはマリンフォードとマリージョアを消し飛ばしたい衝動に何度も駆られたし、ルフィも自発的にウタから片時も離れなくなった。
こうなってしまうと鍛練にも影響が出るのだが、現在のルフィは軽い組手と瞑想以外を禁止されている。理由は事件後に現場に残っていた気の残滓から、ルフィがサヤの予想を遥かに超える力を持っている事が発覚したからだ。このままでは力に殺されかねないと判断し、力を伸ばすのではなく精神鍛錬を通してコントロールする修行にシフトしたのだ。
また、サヤはゴードンと相談し二人の自由時間を午後から日暮れまでに伸ばした。ウタの心に少しでもゆとりを作るためだ。音楽の勉強では没頭することで無意識な現実逃避を行ってしまう可能性がある。ルフィも無意識にその事を感じ取ったのか、ウタを色んな所へ連れ回した。
今日はルフィがウタを背負って空中散歩に洒落込んでいた。ここ数ヶ月でルフィに成長期が来たのか身体が大きくなり、ウタをしっかりと背負える程になっていた。
「ルフィ!今日は西に行こうよ!!!」
「いいぞ!そういやアイツ等に顔を出して無かったな・・・」
「ルフィ?」
「よし!ウタ、お前に会わせたいヤツ等が居るんだ!」
「え?私に?」
「ああ、ウタが海に出ている間に会ったんだ。一回しか会ってねえけど良いヤツ等だぞ」
そう言ってルフィが向かったのは王都囲むように出来た巨大なスラム街兼ゴミ捨て場『グレイターミナル』に近い森の中。その中でも先客が二人いる、そこそこ立派な木の上に降り立った。
「久し振りだな!!サボ、エース!!!」
「「ルフィ!!!」」
「お前!三ヶ月も何やってたんだよ!!」
「わりぃわりぃ、色々ゴタツイててよ。シシシシ」
「オイ、ルフィ。ソイツは誰だ?」
そう言ったのは黒髪そばかすの少年エースだ。初対面な為かウタに対して敵愾心を隠しもしない。
「こいつはウタ、おれの幼馴染みだ!」
「う、ウタだよ」
「・・・そんな事よりルフィ、約束忘れてねェだろうな?」
「約束?」
「おれたちを強くする約束だ!!!」
ルフィとこの二人の少年の出会いは暴力から始まった。宝の隠し場所をルフィに見られてしまったエースとサボは口封じしようと襲いかかったのだ。結果はルフィの圧勝。二人は一秒も持たなかった。その直後に騒ぎに気が付きやって来たブルージャム海賊団にも襲われるも返り討ちに。その光景を見た二人は夢である海賊になるためにルフィに自分達を強くするよう頼み込んだのだ。
「そんな約束、オレしたっけ?」
「友達になってやるって言っただろ!!!」
「ああ、そういやそうだった。でもオレ、まだガキだし母ちゃんみたいに頭良くないしな・・・・・・そうだ!!!」
落胆しかけたエースとサボは思い付いたと言わん限りに声を上げたルフィに視線を戻す。
「なあなあ、二人ともオレの母ちゃんに弟子入りしろよ!!!」
「「は?」」
ルフィの提案に唖然とする二人。そんな中、ウタはルフィの服の裾を強く握った。