ルフィの母親が求道心、探究心溢れたプラント星出身のサイヤ人だった件 作:メカ好き
ところ変わってフーシャ村。
シャンクス率いる赤髪海賊団は出航の準備を終えようとしていた。
「ホントに行くつもりかよ。意気地ねえな」
「辛辣だな、おい」
珍しく毒を吐くルフィに、シャンクスは思わず真面目に返してしまう。そして苦笑を浮かべながら空を見上げた。
「覆水盆に返らずってな。今ウタに会うのはアイツの為にならない。誰でもない、おれたちの行いでそうなっちまった以上、曲げるわけにはいかないのさ」
「ならよ、デカくなったらオレがウタを連れてシャンクスに会いに行ってやる!!」
「冒険のついででな!しししし」と笑うルフィにシャンクスは目を丸くする。
「お前、海賊になる気か?サヤさんが許すとは思えんが」
「海賊にはならねえ。オレさ、世界中を旅して色んなところを見て回って、冒険したいんだ。だから冒険家になる!!」
「何だ、海軍にびびってんのか?」
「いや、自分から海賊を名乗るなんてメイワクかけるような事はしねえよ。第一、海賊は自由ってシャンクス達は言うけどさ、海賊じゃなきゃ人は自由になれないのか?母ちゃんは海賊じゃねえけどメッチャ自由だぞ」
「いや、確かにそうだが・・・」
「他人の決めた枠組みに嵌まる必要なんてねェだろ?海賊やろうがやるまいが、やりたい事をガムシャラに目指すやつが一番自由さ」
「っ!」
「にっしししし」と笑うルフィの姿に、シャンクスは一瞬古巣の今は亡き船長を幻視した。
『やりてェ様にやらねェと海賊やってる意味がねェだろ?』
(ロジャー船長・・・)
「・・・ルフィ、この帽子をお前に預ける」
「っ!」
シャンクスは被っていた麦わら帽子をルフィの頭に被せた。驚くルフィ。彼は知っていた、この帽子をシャンクスが大切にしていた事を。
「おれの大切な帽子だ」
いつかきっと返しに来い
ウタと一緒にな
シャンクスはそう言い残し、レッド・フォース号に乗り込んだ。そんな彼に副船長のベン・ベックマンが楽しそうに声をかける。
「アイツは大きくなるぜ」
「当たり前だろ?なんせあのサヤさんの息子だ」
「ちげえねェ!」
「錨を上げろォ!!!帆をはれ!!!出発だ!!!」
「シャンクスーーーーーー!!!みんなーーーーーー!!!絶対にウタと会いに行くからなーーーーーー!!!死ぬんじゃねェぞーーーーーー!!!」
赤髪海賊団は旅立った、少年との約束に背を押され。
そして数日後
「なるほどね、それで収納タイプのホイポイカプセルが欲しいと言ったのかい」
「うん、ウタにまだこれを見られるはマズイし」
時はサヤがウタとエレジアの元王であるゴードンを連れて帰った日の夜。
「・・・いいだろう、収納処理をしておくからその帽子は預かるよ」
「ホントか?ありがとう母ちゃん!」
ルフィは笑って帽子をサヤに預けた。
「それじゃあ、話も終わった事だしさっさと寝な」
「・・・なあ母ちゃん、やっぱ別の部屋じゃ駄目なのか?」
「ダメだよ、アンタはウタと一緒に寝ること。あの娘たっての希望なんだから」
「う〜、分かった」
そう言いながら部屋を出るルフィ。その様子は嫌々と言うより戸惑いと言ったほうが正解だろう。そんな息子を笑顔で見送ったサヤは預かった麦わら帽子に目を向ける。
「それにしてもまさかこの帽子がアタシの息子に渡るだなんて、巡り合わせってヤツはホント面白いもんだねえ、ロジャー」