憑依転生した俺は『呂布奉先』(リメイク)   作:げんぶ二世

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お久しぶりです。
なんとか以前投稿していたところまで投稿したいと思いますのでよろしくお願いします。


プロローグ

RE:プロローグ

 「おのれぇ!!!」

 

 玉座に座りながら怨嗟の声を上げる男「董卓」。

 その視線の先には自身が義息子と呼び可愛がった男「呂布」の姿があった。

 

 「ここまで目を掛けてやったのに、この儂を裏切るか!!!」

 

 その怨嗟の声を聞きながら、呂布は冷めた目で目の前の男を見る。

 次の瞬間、手に持った槍を董卓に投げ放つ。

 呂布の手から放たれた槍は狙い違わず董卓の腹部に突き刺さる。

 

 「グ、ガァァァァァァ!!」

 

 天下無双と謳われる呂布の膂力で放たれた槍の前に董卓の厚い脂肪とその下にある筋肉は意味をなさず、その背まで突き破っていた。

 槍を抜こうと藻掻く董卓、それを見ながら呂布は腰に差していた七星剣を抜き放つ。

 そして、ゆっくりと苦しみ藻掻く董卓の元へと近づく。

 

 「やめ!……やめよ!」

 

 無表情で自身へと近づいてくる呂布の姿に本能からの恐怖を感じた董卓は意味のない制止の言葉を放つ。

 

 「今なら赦してやる!この槍を抜いて許しを請えば赦してやる!!!誰ぞ!誰ぞおらんかぁぁぁぁ!呂布の乱心ぞ!!」

 

 ここで董卓は玉座の間付近に控えている兵を呼ぼうと声を上げる。

 

 「無駄だ。貴様に付き従う兵はすべて殺した。今この城にいるのは俺の配下だ」

 「グゥ……、おの、れぇ!」

 

 董卓の目の前に立った呂布は七星剣を振りかぶる。

 

 「ま、待て!何でもする!土下座でも貴様の配下にでもなる!だから、命だけはたs」

 

 董卓の命乞いを最後まで聞かず、呂布は七星剣を董卓の眉間に突き立てた。

 身体を痙攣させた董卓の身体から力が抜ける。

 それを見届けると、呂布は踵を返し、玉座から離れる。

 玉座の間から出ようと扉に手をかけた呂布の動きが止まる。

 

 「奉先様!」

 「貂蝉か」

 

 呂布が振り返ると、そこには大陸一とも言われた美女「貂蝉」の姿があった。

 呂布を見る貂蝉の眼には不安の色が混じっていた。

 

 「お前も此処から脱出すると良い。俺たちも此処から出ていく。そうしたら、連合軍の奴らが入ってきて酷いことになるだろう」

 

 呂布は口の中で「獣の集まりだからな」と呟く。

 そんな呂布の左手を貂蝉は掴んだ。

 

 「奉先様、私も、私も連れて行ってください」

 「駄目だ」

 

 呂布は貂蝉の手をゆっくりと外すと、彼女の肩を抱いた。

 

 「俺は……、俺の夢を追い求める」

 「私も戦えます。奉先様の足手まといにはなりません!」

 「駄目だ」

 

 呂布に縋り付き、貂蝉は「何故」と叫んだ。

 

 「貂蝉。俺の、いや俺たちの行く道は過酷なものになる。…………それに俺は貂蝉、お前に死んでほしくはないのだ」

 「奉先様」

 

 そう言って、呂布は貂蝉の身体を離すと振り返った。

 

 「では、達者でな」

 

 扉を開け放ち、玉座の間を出ていく呂布。

 その後ろ姿を見つめる貂蝉の瞳には強い決意が宿っていた。

 

 「奉先様。必ず貴方様に追いついてみせます」

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 唐突だが、俺は『三國無双』シリーズでも最強と名高い武将「呂布」に憑依転生した男だ。

 死因は恐らく崖から足を滑らせて落ちたことだろう。

 気がつけば、俺の意識は呂布の身体に宿っていた。

 初めはこの時代の風習や食べ物に慣れなかったが、人間必死になれば何でも出来るのだと思い知った。

 どうせ呂布になったのだから、史実とは違い、この時代で力の限り生き、寿命で死のうと思った。

 その為に身体を鍛え、知識を蓄え、人脈を広げた。

 だが、歴史の激流に俺は巻き込まれ、すべての陣営と対立することになった。

 

 

〜下邳城〜

 

 「ここまでよく着いてきてくれた」

 (俺の終着点はやはり下邳か)

 

 史実の呂布も下邳の戦いにおいて、長期戦と味方からの裏切りによって敗北、そして曹操たちによって処刑される。

 史実の彼と違い俺は味方からの裏切りはないのだけが救いだった。

 

 「救援は来ない。食料も底をつく。最早我らに勝ち目はない」

 

 俺の言葉に場にいる全員がうつむく。

 

 「このままでは我らは飢えで死ぬ。これでいいのか?」

 

 古来より兵糧攻めを受けた側は悲惨な状態に陥る。

 食い物もなく、弱った仲間を殺してその肉を喰らい、脳をすする。

 実際に戦国時代に起きた事だ。

 だから、そうなるくらいならば、討って出て戰場で死にたい、俺はそう思った。

 

 「殿!!我ら一同!最期までお供いたします!」

 

 我が軍の一番槍、高順がそう声を上げた。

 高順の意気に感化された仲間たちが口々に「連合軍何するものぞ!」と気合を入れる。

 

 「俺は良い仲間を持った」

 

 俺はこのあと、大宴会を開き、大いに食らい、飲み、騒いだ。

 

 

 

 翌日明朝、俺は下邳城の門の前に立っていた。

 

 「さあ、皆、征こう」

 

 門がゆっくりと開くと、高順を筆頭とした騎馬隊が力の限り疾走する。

 続いて、俺も愛馬の赤兎と共に戦場へと飛び出した。

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 199年2月7日、後に曹操・劉備を筆頭に下邳の戦いに参戦した武将たちが口を噤むほどの戦い。

 2月7日明朝、下邳城から出陣した呂布軍の先陣により、先鋒に陣を構えていた劉備軍の部隊を蹴散らし、中軍に位置する袁術の軍を蹴散らした。

 中央の救援に向かおうとした左翼の軍を襲ったのは騎馬隊とともに回り込んだ高順の部隊だった。

 背後を突かれた形になった左翼は大損害を受けて潰走。

 残る右翼と主たる将のいる本軍で呂布軍の迎撃をすることとなった。

 ここから数刻、両軍入り乱れる激しい戦いになった。

 勇敢に戦った配下武将が連合軍の将に討ち取られ始めると、呂布軍は壊滅状態になり、最期まで戦っていた呂布・高順・陳宮は連合軍に捕縛され、2月7日夕刻、下邳の戦いは終りを迎えた。

 

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 「さて、呂布よ。我が軍門に降る気はあるか」

 

 縄で縛られ、曹操たちの前に引き出された俺に掛けられた一言目がこれだった。

 

 「っ、貴様も物好きだな……。普通ならば、問答無用で殺しているだろうに」

 「ふ、はははははは!面白いことを言う奴よ。生憎この曹孟徳、我が覇道の助けになる者ならば迎え入れる懐は持っておる」

 

 曹操、後世でも人材マニアとしても有名だった。

 史実ならば、この場に張遼もおり、張遼は醜く足掻く呂布に見切りをつけ、曹操陣営に降り、その後重用された。

 有能ならば敵だろうが使いこなすのが魏の王「曹操」だった。

 

 「生憎だったな、俺の主は帝のみよ!……それに生きていれば、俺は貴様の首を狙い続けるぞ!」

 「ふ、それは残念だ。ならば、最期に言い残すことはあるか」

 「曹操よ、貴様の覇道は叶わぬ。貴様の隣りにいる劉備や孫策等によってな!」

 

 俺の言葉を聞いた曹操は一瞬呆けると大きな口を広げ、笑った。

 ひとしきり笑い終えると、曹操は腰の剣を抜いた。

 

 「それでなければ面白くない。劉備も孫策も纏めて喰ろうてやるわ」

 

 そう言って、横一閃、俺の意識はそこで途絶えた。

 

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 下邳の戦いの後、対呂布連合は解散し、再び相争う時代へと進んでいった。

 時代が進み、魏・呉・蜀の三国に大陸が分割される。

 やがて、曹一族から実権を奪った司馬一族により蜀・呉は滅び、大陸は晋と言う国に統一された。

 そう時代が進んでも、いつまでも「呂布奉先」の名は人々に語り継がれていった。

 

 『天下の武神 呂布』として。

 

 

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