リコリス・リコイル 平和を守る物語   作:クウト

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主人公の設定を載せると言ったが、アニメの一話が終わったあたりにしようと思います。
書いちゃうとこの後の話に影響出るかもなぁと思って後回しにしました。


第三話

リコリコで使う新人の制服を引き取った帰り。

バイクを店の裏に停めて店へ入る。

 

「ただいまでーす。制服受け取り終えたよ」

 

「おかえり修哉。早速で悪いが着替えて厨房へ入ってくれ。たきなの制服は更衣室に置いててくれたらいい」

 

たきな?

あ、新人の名前か。

 

「たきなって名前なのか。苗字は?」

 

「井ノ上だ。今は千束と外回り中だから、帰ってきたら顔合わせしてやってくれ」

 

「はいよ。じゃあ着替えてきまーす」

 

更衣室に向かい、黒を基調とした店用の制服に着替える。うーむ。この和服姿にも慣れたものだよなぁ。慣れれば楽だし、夏になると家では甚平なんかも着たりしてる。涼しくていいんだよな。

 

「よっし!今日も一日頑張りましょー」

 

早速厨房に入って今のオーダーを処理していく。

なになに?団子三兄弟が五つに、おはぎセットが二つ、コーヒーは先生に任せて煎茶は用意しよう。

 

「ミズキさん。二番、三番あがり」

 

「はいはい」

 

できたセットをミズキさんに配膳してもらう。

千束のやつ、井ノ上さんに迷惑をかけてないだろうか?DAというある種閉鎖的な場所から来たし、元々千束もそこには居たけど昔の話。千束に振り回されて、井ノ上さんは疲労困憊で戻って来るんじゃないか?

 

「なんか、不安だなぁ。大丈夫かな?」

 

これからの俺たちの日常は変わっていくだろう。

せめて楽しくあってほしい、平和な日常を過ごせるようにと、それだけが俺の願いだ。

 

 

 

〜千束サイド〜

 

私は新人のたきなを連れて、仕事ついでに色々な場所へ案内をしていた。今はたきなに疑問を投げかけられ、休憩ついでに仕事の説明中。

まさかうちではどんな事をしているのかってのをほとんど何も聞いていない状態とは思わなかった。

リコリコへ入ってきた可愛い新しい子。

少し真面目が過ぎるようなこの子を、時々からかいながら楽しくお仕事をするのは正直めっちゃ楽しい。特に組長さんにコーヒーを届けた時とかは、途中から笑いそうになった。

シュウといる時とは違う楽しさだ。うん、とてもいい!

なんて考えながらたきなへの説明を終える。

 

「つまり個人の為のリコリス。私は助けを求める人を放って置きたくないんだ」

 

「はぁ、わかっているとは思いますが、私たちリコリスは国を守る公的機密組織のエージェントですよ?」

 

「おぉ!そう言うと昨日見た映画みたいでかっこいいね」

 

「映画って……」

 

少し呆れた様子のたきなの言う事は正しいのだろう。ふふふ、可愛い。

多いとは言えない私達リコリスでこの国を守るには、個人よりももっと大きなものを見るべきなのかもしれない。

だから実際、こんな事をしている私は問題児だ。

そんな私を支えて、居場所をくれるみんなにはいくら感謝しても足りないだろうし、本当に、私は恵まれているなと感じる。

 

「とにかく!私達は困っている人達を助けたいんだよ。だからさ、たきなも力を貸してくれると嬉しいな」

 

とりあえず説明を終えたけど……。

うーん。顔を見るに数瞬考えたが、理解はしてくれたのかな?まぁ徐々にうちに慣れていってもらえると嬉しい。

 

「他になんか質問ある?」

 

「あり過ぎますが、そうですね。先程、喫茶店で会えなかった協力者の方ってどんな人なんですか?」

 

「ん?シュウの事?」

 

「はい。司令からは優秀だと聞いています。もしあの時の人だとしたら気になります」

 

「あれかぁ。確かにインパクトがある初対面?だったよね。うーん、どんな人かぁ」

 

どんな人かぁ。

うーん。

もし私の大好きな人と言えば、この子はまた呆れた顔をするだろうか?それも見てみたいが、確実に聞きたい事とは違うだろう。

それに、あまりいじり過ぎたのがシュウにバレたら新人を困らせるなって、お仕置きされるだろうし。

 

「名前は近衛修哉。戦闘力はすごいよ。私も負ける時あるし」

 

「はぁ」

 

よくわかっていないな?

あのフィジカルお化けに接近されると対応が難しい。力は強いし反応も速い。その上、身体の扱いが上手いし取っ組み合いが長引けばまず負ける。私も反応は出来ても、シュウの速さに徐々にだが身体が追いつかなくなり最終的には負けてしまう。

かといって遠距離なら対処が可能というわけではない。まだ厄介な、特殊能力と言ってもいい力も持ってるし私でも全戦全勝は無理だ。

 

「一応お店に帰れば会えるし、自分で確かめるのが一番だよ。だいじょーぶ!変な人じゃ……いや、変か?」

 

「変人なんですか?」

 

「実際、変人な所見たでしょ?」

 

「……確かにそうですね。あんな風に救助をするとは驚きましたし、一瞬あの人の身体がブレた様な速さでしたし」

 

あ、納得しちゃった。

シュウごめんね!たきなの中でシュウは変人となったのだぁ!あっはっは!……バレたら怒られるねこれ。

 

「それじゃ休憩終わり!まだまだお仕事はあるよたきな!」

 

「はい。次はどこへ?」

 

「次は警察署へ行きまーすぅ!」

 

思ったより長話をしてしまった。

まだリコリコへ戻って、シュウとたきなを会わせてあげないといけないしね!さぁさぁ!頑張りますよー!

 

〜千束サイドアウト〜

 

 

 

リコリコのピークタイムが終わり、最後のお客様をミズキさんが見送った後、俺のスマホに千束から電話が来た。

あいつ、結構色々な場所へ行っているか?結局午前は帰ってこなかったし……。

まぁ楽しんでいるなら別にいいけどさ。

 

「もしもし。どした?」

 

『あ!今からこっちに合流できない?ちょっと例の事件、進展しそうなんだよねぇ』

 

「例のって、銃取引か?」

 

『うん。あ、写真送るから見て』

 

スマホを耳から離して確認。

すぐに千束から写真が送られてきた。

確認してみたが……ん?これただのツーショット写真じゃね?

 

「なにこれ。間違えてない?」

 

『いやいや、間違えてないない。後ろのビルをよく見てよ。ボケてるけど写ってるから』

 

後ろ?

改めて写真を確認する。

んー?……あぁ、そういうことね。

よく確認してみると、ボケているけど何人か怪しそうな奴らが写ってしまっていた。

この写真の恋人?達は、偶然にも銃取引の現場を撮影してしまったのか。

 

「どこで手に入れたの?これ」

 

『阿部さんからの依頼で、ストーカー被害に遭ってる人と話しててさ。あ、私達が会ってるのは写ってる女の人なんだけど、この写真をSNSに載せちゃったみたいで』

 

「うわぁ。そんな偶然ある?」

 

この人達、運が悪すぎだろ。

千束はなんとか助けてあげたいようだ。

まぁストーカー被害って事は、犯人達はこの写真をどうしても消したいのだろう。ならそう遠くないうちに接触もあるか。……危険だなぁ。

 

「了解。先生に許可取ってすぐに出る。場所だけスマホに送ってて」

 

『はいはいよろしくー。あ、たきなめっちゃ可愛いよ』

 

プツンと電話を切られた。

こいつ、もう呼び捨てできるぐらい仲良くなったのか?相手が嫌がってたら呼び捨てなんてやめるだろうし。

……いや、こいつのコミュ力から考えておかしくないな。

 

「あ、先生。千束からの応援要請が来たから、ちょっと行ってきていい?」

 

「あぁ、気をつけてな。帰ったら色々聞かせてくれ」

 

先生は俺の電話を聞いていたようで、すぐに許可をくれた。

話が早くて助かる。

 

「おっけー。急ぎみたいだし助かるよ」

 

「あんたらさっさと終わらせて早く帰ってきなさいよ?夜のピークまでに戻ってくれないと困るから」

 

「状況次第かなぁ。もしかしたら一当てあるかもしれないし」

 

「あら、意外と危機的状況?」

 

「たぶん。とにかく着替えていってきます」

 

手早く着替えを済ませて装備も持ち出す。

リコリス制服の男版。黒を基調にしてもらい、今は俺だけしか着ていない特別製。ただ、カバンだけは一緒だから少し恥ずかしい。これ可愛いデザインだと思うし、男の俺が持つと少し違和感が……。いや、これすごい便利なんだけどさ。

……ダメだ、考えると精神に悪いな。

気にしないでいこう。

 

 

 

バイクを走らせて千束達がいる喫茶店に到着。

店の中に入ると、奥から元気な声が聞こえてきた。

 

「お!シューウー!こっちこっち!」

 

千束の声の方向へ顔を向ける。

千束と井ノ上さん。そして依頼主がいた。

 

「お待たせ千束。はじめまして、篠原沙保里さんですね?近衛修哉です。この度は大変な目にあったようですね」

 

「修哉くんね、よろしくね」

 

「おいおーい!シュウさんや、君はたきなとも初対面なんだから挨拶しな?挨拶は大事」

 

篠原さんと挨拶をした後に千束に注意される。

確かにそうだけど、今は依頼人を優先したいのだが……。だが大事なのは事実。

今はさっと終わらせて、後でしっかりとしておこう。

 

「近衛修哉だ。よろしく井ノ上さん。しっかりとした自己紹介は後でしようか」

 

「はい、わかりました。井ノ上たきなです。貴方のお噂は聞いています。よろしくお願いします」

 

「ちょいちょいちょーい。君達ドライすぎない?もっとこうさ、好きな映画とか言い合うべきじゃない?」

 

知らんわ。

今そんな話ができるほど、時間に余裕はないよ。

だから井ノ上さんの対応は俺にとってありがたいほどだ。

 

「依頼優先。篠原さんも不安だろうし、少しでも早く解決した後にコーヒーでも飲みながらゆっくり話そうよ」

 

「むー……まぁそだね。とりあえず今回の事を詳しく説明するね」

 

千束は篠原さんに聞いた話をもう一度してくれる。篠原さんの前で銃取引現場の話をするわけにいかず、篠原さんたちを僻む正体不明のストーカーがいて、そいつを捕まえる方向で話を進めていく。

 

「うーん。確かにこの手の話では、警察の動きは悪いですよねぇ。うん、現状はわかりました。しっかりとお守りします。あ、この写真ですがうちの上司に送っても構いませんか?」

 

「もちろん。それにしても、しっかり話を聞いてもらえてさ、すごくありがたいよ。近衛君が言うように、警察は取り合ってくれなかったから」

 

写真を送る許可をもらったので、千束に先生へと写真を送ってもらう。おそらくDAにも情報は行くだろうし、今回の事を片付けた後もしばらくの間は犯人の接触を警戒する為に監視もつくだろう。そうなれば監視についたリコリスが危険人物を排除してくれるだろうし、しばらくは篠原さんの日常は護られる。

それにしても篠原さん。歳下に頼るのも不安だろうが、それでも受け入れるあたり、藁にも縋りたいぐらい怖い証拠だろう。

こんな人が平和に暮らせるようする為に、今回の事もできるだけ早く解決せねば。

 

「それは良かった。そうですね、とりあえず今日のところは千束と井ノ上さんの二人で一緒に自宅まで送ります。自分の方は、篠原さんの自宅周辺で怪しい人物がいないか調べてみましょう」

 

「あ!じゃあじゃあ沙保里さん!今日は一緒にいましょうよ!」

 

「お、いいね。じゃあ家に泊まっていく?最近の高校生の話も聞きたいし!」

 

「わぁ!いいですね!あ、シュウはダメだからね?」

 

わかっとるわ!!

ん?篠原さんがニヤニヤとしながらこっちを見てくる。なんだこの人?

それにしても泊まりか。俺は外で警戒にあたるから関係はないが、迷惑をかけないように井ノ上さんに言っておかねば。

それにしても井ノ上さんは泊まり用の荷物はあるのだろうか?なければ最悪、俺と一緒に外で警戒になるなぁ。……え、気まずくない?

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