まだ少し忙しくて更新が止まってしまい申し訳ない。
てかお気に入り数めっちゃ増えてて震えたわ。
アニメ十四話最高だったな!!
今週も楽しみだぜ!!
藤修哉。
その名前を言った松下さんはどこか興奮したような雰囲気で話し始めた。
『藤くん達はある特殊な仕事をしてたようです。個人的に少し関わりがあった程度ではありますが、そんな私にも話をしてくれましたよ』
「は、はぁ……」
『ですがある日知り合いに、藤くん達がいきなり亡くなったと聞かされたのです。ただ息子である修哉くんだけが行方不明であり、アメリカにいた私は少しでも捜索が手伝えればと日本に連絡を取ったりしました』
頭痛がひどい。
何だこの感じは……!
『結局、彼が見つかる事はなく時間だけが過ぎていきました。ですが、あれから十年以上も経ったある日です。最後に日本が見たいと思い護衛を頼んだ場所で、彼らの面影がある少年を見つけた。……あなたの事です。修哉くん』
「ひ、人違いですよ。確かに、俺は両親がいませんが、苗字も近衛ですし……藤なんて知り合いもいませんよ?」
『今まで、どこで何をしていたのですか?……よければ、聞かせてもらいたい』
「……い、いや、だから」
『……』
この人は、その藤修哉という人物が、俺だと確信しているのだろう。だが俺はそれに答えることができない。俺自身が知らないのだから、そんな事がわかるわけがないのだ。
『……すみません。幼かった君にはわからない質問でしたね。彼らの仕事上写真なども残ってはいないようですから、私はあなたに信用してもらうしかないのですよ。……ですが、いきなり過ぎましたね。すみません』
「いえ……。松下さん」
『何でしょう?』
「たとえ、俺がその藤という家の生まれだとしても、今の俺は近衛修哉として生きています。両親のことが知りたくないわけではないですが、今の俺には必要がない。だから松下さんには藤修哉ではなく、近衛修哉として見てもらいたいです」
『……わかりました。そろそろ、着きますかね』
「そうですね。そろそろ出ましょうか」
俺と松下さんは船内から外に出る。
それを確認した千束とたきなは出迎えてくれた。
「松下さーん!次は江戸城!江戸城に行きますよ!!」
『おぉ!楽しみですね!』
「それでは今からシュウに代わってこの私が!松下さんのお手伝いをしまーす!ほら、シュウどいたどいた!ん?どうかした?」
「いや、なんでもないよ。頼むわ」
松下さんの車椅子を押すのを千束に代わってもらう。ふぅ、やっと一息つけた。
思っていたよりも体に力が入ってしまっていたのを感じ、ぐっと伸びをすると気持ちがいい。
「どうかしましたか?」
「ん?たきなか。ちょっと気疲れしたなぁって」
「少し休みますか?」
「大丈夫だよ」
「……あまりそうは見えませんが。修哉さん、明らかに無理してますよね?」
「お、おぉう」
「どんな返事ですか」
「いや、本当にびっくりしてるだけ」
一ヶ月ぐらい前からずっと思っているが、たきなの成長がものすごいなと。千束には何かあったなとバレているのはわかるのだが、たきなに気が付かれるとは思っていなかった。
俺ってそんなにわかりやすいか?
水上バスを降りた後、ほとんど無理矢理にたきなから待機を命じられてしまった。江戸城、俺も楽しみにしていたのだが……。
まぁ、ちょうどいいか。
少し休みながら、さっきの話を整理しておいてもいいのかもしれない。
俺にお茶を渡して待機させたたきなに従い、江戸城の前でしゃがみ込む。
「はぁ……。今回の俺って、お荷物じゃない?」
『おいおい。サボりかぁ?』
「あ、クルミか。いや、少し色々あってさ……」
クルミが通信をかけてきた。
俺が千束達と別れたのをドローンで見ていたのだろう。サボりって……いや、なんでもないです。
実際サボりのお荷物です。
「ごめん。色々と衝撃的な事を松下さんが言うから、なんかちょっと体調が悪くなってな」
『そういえば、松下は何かしら知ってそうだったな』
「……調べれる?」
『できなくはないと思うが、今すぐは無理だな。お前は色々と特殊立場の人間だからなぁ』
「だよなぁ」
『まぁ少し休んでおけ。何かあればすぐに言ってやるからな』
「ありがとう」
通信を切ってたきながくれたお茶を一口飲む。
気分が少し晴れた気がする事に救われつつ、色々な事を考える。問題は松下さんが言ったこと。
俺の過去かもしれない藤家とやら。確か君影草……リリベルを率いる上層部にそんな名前の人がいた気がするが、それが血縁というわけではないと思う。
もしそうだとすれば、リリベルは俺をリコリスに居させるはずがないのだ。自分で言うのも恥ずかしいがそれなりの戦力ではあるしな。
「……そういえば、烏ってなんだ?八咫烏ってのは少し聞いたことがあるが……」
くっそ。
DAの歴史とかあんまり勉強してないんだよなぁ。帰ったら先生に聞いてみるか?でもはっきりと答えてくれるとは限らない。楠木さんなんてもっと無理だろうな。
俺を育てた爺さんは何をしたかったのだろう?
護国の為の柱。
護国の為の生贄。
烏の完成。
「……わかるか!!!」
あの爺さんには殺しの訓練をさせられ、DAでは一般常識と訓練と任務だけ。千束と先生とリコリコの営業を始めてからは勉強なんてたまにしかしなかったし、それも一般的なものだけだ。
今思えば裏のことなんてあんまり知らないのだという事に気がつき愕然とする。
「はぁ……。それに、俺っていったい誰なんだよ」
今までこんな事を思ったことはなかった。
松下さんとの出会いは、俺にとってあまり良くないのかもしれないな。
こんな事になるのなら、少しはDAについてや自分についての事を調べておくべきだった。
「ん?」
少し大きな声を出したせいで、周りの人から変な目で見られているのに気がつく。
やっべぇ。一応護衛中なのだから目立つのはあまりよろしくない。俺はそそくさとその場から逃げる事にするのだった。
俺が少し休んでお荷物になっている間、事態は変わりつつあった。
「サイレント・ジン?」
『あぁ、さっきからついてきている奴がいてな。調べてみると暗殺者のジンだった。気をつけろよ?ミカが言うにはそれなりにやり手らしい』
「へー。結構厄介な奴なの?先生」
『あぁ、その実力は本物だ。仕事は完璧にこなしていたよ』
先生のお墨付きとは厄介だな。
聞けば先生の元仕事仲間らしい。……いや、確実に強いじゃんそれ。
今回お荷物の俺が役に立てるのだろうか?
『三十メートル先に確認。こっちはバレていないし、発信機をつけに行くよ』
「いやいや!ミズキさん無理しないでよ。俺が合流しようか?」
『気持ちは嬉しいけどね。あんたを待ってると距離を離されて発信機もつけられないからいいわ』
「気をつけてね?」
『わかってるわよ。っと、そろそろ接近するからちょっと黙るわね』
本当に大丈夫だろうか?
ミズキさんも一応銃を撃ったりはできるのだが、俺たちと比べれば天地の差がある程に実力は低い。
『上からは確認できない。おい、ミズキの方からはどうだ?』
上から確認できない?
……ん?それって相手に警戒されているってことじゃ!?
「ミズキさん!!」
『くっそ!バレてる!!』
「だから言ったじゃんか!」
やはり気付かれた!!
だが、今から向かっても遅いだろう。なんとかミズキさんがジンから距離を取って安全を確保する事を願う。そして事態が変わったせいでクルミから新たな指示が飛んでくる。
『こっちのドローンも破壊された。予定変更してこっちから一人出すべきだが……いけるか?修哉』
「おう。千束とたきなはそのまま松下さんを避難させてくれ」
『それじゃあジンは修哉に任せて千束達は避難を開始しておいてくれ。予備のドローンとミズキでジンを見つけ次第、もう一人追加して攻撃を開始する。修哉は美術館までの安全を確保してくれ』
『そっちが美術館出たら車回すよ』
『わかった』
「了解」
クルミの指示に千束と俺は従う事にする。
とりあえず美術館までの道のりは確保を始めようと行動を開始する。そして江戸城から出てきた千束達も確認ができた。
俺はそのまま距離をとりつつクルミが送ってきた写真に写るジンと、新たに別の怪しい人物が現れないかを警戒するが、なんとか美術館には無事に辿り着けた。三人の様子を見るに松下さんとの観光は楽しそうにしているので、まだ松下さん本人にはジンが迫っていることは気付かれていないだろう。
だが美術館に入った三人を見送り、しばらく経った頃に事態はまたも変わってしまう。
それを知らせたのはクルミからの通信だった。
『修哉。ミズキからの反応が消えた』
「はぁ!?」
『もういつジンが仕掛けてきてもおかしくない。修哉、三人に合流しろ』
「……わかった。千束達には知らせてるのか?」
ミズキさんは心配だ。
だがしかし、こんな仕事をしているからには切り替えが必要である。心配で今すぐにでもミズキさんの反応が消えた場所に向かいたいが、相手はプロだ。ミズキさんが生きていようと、死んでいようとその場から移動した場所にミズキさんを隠したはずだ。
ならば闇雲に探すよりも、ジン本人を捕まえてミズキさんの吐かせたほうが早い。
『今ミカが伝えている。え?何?』
「どうした?」
『あー。こっちの指示を待たずにたきなが別行動を開始したみたいだ。まるでリードを離した犬のようだな』
「犬て……たきなの場所を教えてくれ。すぐに援護に向かう」
『あぁ、たきなはデパートの出口側に向かわせるから、修哉は入り口側から出口側に向かってほしい。その時、ジンがいるか確認しながら動いてくれ。ジンはデパートの監視カメラで顔認証にかけてはいるが、一応目視も欲しい」
「了解」
その指示を聞いて俺はデパートへと向かう。
目立ってしまうので走ることはできないが、できるだけ急ごう。
『ん?』
「見つけたか?」
『朗報だぞ!ミズキがジンに発信機を付けてた!死んでもこっちに情報を残した!』
「おいバカ!死んだとは決まってねぇだろアホ!」
嬉しそうな声でなんて事を言うのだろうかこのアホリスは……!
呆れて少し気が抜けてしまうが、急いでたきなと合流しに行くのは変わらない。クルミに最短ルートを教えてもらいつつ奥へ奥へと向かう。
「んで、今どこなんだ?」
『もう美術館にきている。これは……たきな!後ろだ!』
「っ!!場所どこだ!?」
たきながジンと接敵したようだ。
こうなれば走っても問題はないだろう。ここまで警戒しても怪しい人物が見つからないなら、ジンは一人で行動していると思われる。
俺は走ってたきなの下へと向かう事にした。
『ジンが逃げたぞ。屋上へ行ってくれ』
「たきなは無事か?」
『無傷だよ。ミズキの発信機のおかげで早く気づけたのが良かったな。あれがなかったら危なかったかもしれないぞ』
「感謝だな。っと!」
『ん?おい、修哉……。お前の居場所が動かないが、何かあったか?』
「いや、屋上なんだろ?」
『そうだが?』
「なら!こっちのほうがっ!速い!っと!よいしょお!!」
『はっ!?まさかお前……!やっぱりお前化け物だろ!?窓の外から屋上へ向かうとか普通はできないからな!?』
ん?
よくわかったな。
もしかしてドローンで見てるとか?
「なに?どっかで見てんの?……まだドローンは見えないけど」
『バ、バカ!そんな所で落ち着いて周りを見るとか自殺行為だからな!?登るなら登りきれ!!』
「しっかり掴んでるから大丈夫だよっと!」
屋上へと登りきると屋上への扉が勢いよく開いた。現れたのはジンだ。
それじゃあ、さっさとミズキさんの居場所を吐かせますかね。
リコリコ十四話。
集団幻覚。
これには笑って思わずスクショしたよね。