原神×呪術廻戦   作:影元冬華

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フォロワーが叫ぶ声が楽しくてどんどん書いてますが、ネタなんてその場の思い付きで書いてるだけなので勢いだけでなんとか書いてます。


3.

 人が在るところに呪いあり。それは多ければ多いほどに規模が大きく、種類も豊富になっていく。負の感情の塊から生まれる呪霊は狡猾で残忍、時として人を欺いて嗤う。

 光が強ければ影も強くなる。感情が強ければ呪いも強くなるのも仕方のないことであった。

 

 北海道、函館。観光地として有名な街もまた、数多の人がいるが故に呪いもその数が尋常じゃないほどに存在している。

 だが各個の強さはマチマチであり、今の双子であれば片手間で祓える物がほとんどだった。しかし数が数であり手間であるのもまた事実。鬱陶しいと感じる程度には溢れているのが現状だった。

 

 

「お、多い…。弱いけど多すぎて嫌になってくる…」

「お兄ちゃんはまだいいじゃん…私なんて一回大きいのに当たってクタクタだよ…」

「2人ともお疲れ様です。今日はこの辺にしておきましょう」

 

 

 同じように動いていた眞は平気な顔をしている辺り、経験の差が大きく出ていると実感する2人。双子星であったときの記憶があるとはいえ、今の2人は14歳の子供。記憶の中の自分と今の体は余りにも乖離していて、うまく動けないことも多々あった。

 

 そもそも、こうして3人が北海道に来ているのは呪霊を祓うこと以外にも目的があったからである。

 眞はスマホの画面を双子に見せ、それと同時に自分で集めた情報も併せて説明していった。

 

 

「掲示板サイト?…肝試し企画、ってこれ画像に映ってるの呪霊じゃあ」

「その通りです。一般人には割と新し目の廃墟にしか見えませんが、呪術師からすればすぐに案件に値するほどに大きい呪霊でしょう」

『ふむ…一応、魈が祓っていた特殊な呪霊、という訳ではないようだが。それはそれとして相当大きいと見える』

「わっ、先生。先生から見て大きいってことは相当?」

『我から見ても相当根深いと見える。雷神の所属しているところで言えば1級、だったか。そのくらいには当たるだろうな』

「魈まで…」

 

 

 璃月組の2人と元雷神が揃って「大きい」ということは、恐らく放置すればどんどん被害が大きくなっていくことは明確。そして本来ならばこういった案件にはすぐさま呪術師が派遣されるはずなのだが、こうして眞が見せて説明しているということはまだ来ていない、ということであった。

 スマホの画面に映っているのは、薬剤試験などを主に手掛けていた施設とあるが、見える人から見れば黒い塊にしか見えない。

 

 だが、眞は祓うためだけにここに来たとは言っていない。別の目的があって双子をここに連れて行こうとしているのは明白だった。

 

 

 

「この情報を渡してきた後輩曰く『呪霊の他にテイワットの誰かがいる可能性があるでしょう』と言ってきました」

「それって!」

「私と影は呪霊を祓います。その間に、貴方たち2人にはその「誰か」を見つけてきてほしいのです。たとえ見つからなかったとしても手掛かりくらいはありそうですから」

 

 

 

 にこりと笑って二人に微笑む眞。空と蛍は顔を見合わせ、力強く頷いた。

 

 

 

 

▽▽▽

 

「『闇より出でて闇より黒く、その穢れを禊ぎ祓え』…さて、影」

『──これは少々、時間が掛かりそうですね』

「先生、裟羅」

「魈、七七」

 

 

 眞は影を、空は鍾離と九条裟羅を、蛍は魈と七七をそれぞれ呼び出す。帳を下ろした眞は建物を覆い尽くす呪霊を見上げながらため息をついた。大きすぎる呪いからして、恐らくは非人道的なことをしていたのだろう。募った負の感情が溢れ出すぎた結果、建物を覆い尽くすほどの大きさになったのだと目の前にしてようやく理解したのだから。

 

 

「いつの時代も人というのは面倒なことをするものですね。薬剤試験、と言っておきながらこれでは人体実験施設と言った方が合っているかもしれません」

『姉様、少々手荒に行きます』

「構いません。空、蛍。くれぐれも油断しないように」

「「はい!」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 廃墟となってまだそこまでたっていないという話であるが、施設内を歩く限り今も誰かが管理しているかのように小綺麗な廊下が続いている。最も、そこに漂う雰囲気は一般人には耐えられないような瘴気に満ちており、肝試しを行うには些か危険な場所となっていた。

 前を歩く鍾離と魈は途中飛び出てくる小型の呪霊を素早く祓い、しかしその多さに辟易しているようだった。

 

 

『さほど強くはないが数が多い…溜まり場と化しているのか』

「薬剤試験…っては言ってるけど、この様子だと本当に人体実験をしてたって言った方が事実かも」

「本当にここに誰かいるのかな…」

 

 

 倒しても倒しても沸いてくる小型の呪霊は実験で使われていた動物から出たものだろうと判断できたが、時折出てくる大きめの呪霊は人の感情によるものだと判断できていた。

 一向に手掛かりらしいものも、居るとされている誰かの気配も感じられず呪霊の対処ばかりを行っている。

 

 手詰まりか、と思ったその時。ビシリ、という音がした瞬間廊下が崩落した。咄嗟の出来事に気づけたが対応できなかった二人は崩落に巻き込まれ、廊下の下にあったらしいホールのような場所に落ちていく。

 

 

「っ!」

「お兄ちゃん!」

『迂闊に動けばお前も落ちるぞ!』

「でも!」

 

 

 蛍は瞬時に動いた魈のおかげで無事だったが、空はバランスを崩して落ちていく。体勢を直そうにも空中では自由は効かない。空は自身が下に叩きつけられると予想し、できる限り衝撃を流せるようにと構えた。

 

 

 だが、いつまで経っても衝撃は来ない。代わりに、その耳に聞こえてきた声にはっとする。

 

 

 

『──咲け』

「っ!アル、ベド…?」

『まさか、こんなところでもう一度会うことになるとはね。最も、落ちかけの君を拾うことになるとは思わなかったけど』

 

 

 

 

 

 空の下には薄く輝く土の花が咲き、空中で空を受け止めていた。そして、その下のホールの陰から現れたのはモンドの錬金術師であるアルベドだった。

 

 

 

▽▽▽

 

 

 影による呪霊の討伐も無事に完了し、空と蛍の2人も戻ってきていた。この施設にいたアルベドはこの施設で()()()()生み出された呪霊、ということらしく最初は驚いていたらしい。だが、アルベドが呪霊として出たのをきっかけに施設内で大量の呪霊が発生し、閉鎖。しかしそのまま呪霊は発生し続け、挙句施設を覆うほどに大きくなっていたらしい。幸い、高度な知能を持つ呪霊が核になっていたわけではなく、大きさだけが取り柄の2級呪霊だった為に、この程度で済んでいた。

 

 アルベドはこの施設から出ようにも縛りがあったらしく、今まで出ることすら叶わず、致し方なく施設の一部を住処にして「呪霊となった自分」を研究していたとの事だった。今は空と蛍の2人が契約を結んだため、自由に出てこられる状態になっていた。

 

 その情報を聞いた眞は頭を抱え、同時にどこかへと連絡を忙しなく入れていた。恐らく、呪術界隈に根深くある問題の一部が露見した後始末についてだろう。人為的に呪霊を生み出すなど、もはや呪詛師の所業ともいえる実験を行っていたとなれば個人でどうこうできることではない。数日後にはどこかの企業が消えているかもしれないが、双子からすればどうでもいい事だった。

 

 

 

『錬金術、とはまた違う法則がある世界とは。なかなか興味深いものだよ。この施設で発生したのも、縛られて自由に出入りできないのも新鮮な体験だったね』

「なんというか、アルベドらしい感想だね」

「アルベド、お兄ちゃんを助けてくれてありがとう…」

『どういたしまして。でもあの雷神の様子からして、どうやら怒られるのは確定みたいだよ』

 

 

 ハッとして双子は先ほどまで電話をしていた眞の方を見る。影も武器こそ仕舞ってはいるが出たまま、ということは雷神2人によるお説教があることは間違いないようだった。

 

 

『バアル、致し方ない事だったということも忘れるなよ?』

「だとしても、咄嗟の着地姿勢も取れないほど軟弱に育てたつもりはありませんからね。その点も含めて、今回はみっちりと指導していくことにしましょう」

「お、お手柔らかにお願いします…」

 

 

 

 

 




アルベド君、特級呪霊なので発生源なんですけど核じゃないから平気だった説(書いてる本人もよく考えてない)

後輩(稲妻の軍師)
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