ヤンデレな神々に愛され過ぎて自由が手に入らない   作:松平 蒼太郎

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漆黒に染まる主人公回(謎に溢れ出る厨二感)


八雄激突〜止まらない悪意と憎悪〜

鳳凰視点

 

 

あたしは応龍と共にご主人の捜索を行っていた、のだが…

 

 

応龍「ちょっと黄龍⁉ 大丈夫⁉」

 

 

地面に力なく横たわる黄龍を発見し、二人して駆け寄る。応龍が必死に呼びかけるも、意識を取り戻す様子はない。

 

 

鳳凰「大丈夫、死んではいないよ…どこの誰にやられたかまでは、わからないけど、とにかく…」

 

 

あたしは黄龍の身体に手をかざし、回復の術式を発動させる。

 

 

鳳凰「いつまでも寝てんなよ…あたしたちのリーダーでしょ?さっさと起きろ…『炎熱蘇生』。」

 

 

みるみるうちに、ぐったりしていた黄龍の顔色が回復し、あっさり目を覚ます。目を覚ました彼女は少しぼんやりした様子で、あたしたちを見る。

 

 

黄龍「あれ…?ここは…?ていうか、あたし、今まで何して…」

 

 

そこで何かに気が付いたように、ハッとした表情になり、あたしと応龍に訴えかける。

 

 

黄龍「ヤバい…ヤバいヤバい!お兄さんが、ヤバい!」

 

 

いつもは余裕しゃくしゃくな黄龍がここまで取り乱すとは……っていうか、ご主人がヤバいって、どーいうこと⁉

 

 

応龍「落ち着いて…ご主人様に何があったの?順を追って説明してもらえる?」

 

 

落ち着き払った様子で、応龍が尋ねる。すると黄龍が話し出したのは、あたしたちにとって信じがたいことだったーー

 

 

 

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男視点

 

 

…硬い。霊亀の防御力とやらは、相当な堅牢さを誇るらしい。四凶の力を全て併せ持った俺でも容易には崩せなさそうだ。

 

 

霊亀「…ッ!ご主人様…!目を覚まして!」

 

 

俺に何かを訴えかける霊亀、だがそんなものに耳を貸す必要はない。こいつは俺の目の前で饕餮を殺した。ならば、その仇を取るのは当然のこと。

 

 

男「…力を借りるぞ、檮杌。」

 

 

俺の中にある檮杌の霊力を引き出す。すると俺の手元に、彼女の愛用していた木刀が現れた。

 

 

木刀を霊亀の構える盾に振るう…が、盾は一瞬揺れるのみで、その装甲にヒビを入れることすらままならない。やはり、単純な力は奴の方が上か…

 

 

霊亀「…ッ!ご主人、様…!お願い、だから…!」

 

 

少しだけ奴の霊力に乱れが見えた。今が勝機か…

 

 

男「渾沌…お前の力を借りる。」

 

 

渾沌が持っていた必殺技ともいうべき術…『自爆天星』を起動する。

 

 

己の身体が霊力により膨張するのを感じながら、一瞬で霊亀の背後に回り込み、彼女を羽交締めにする。

 

 

『自爆天星』…己の身体を巨大な爆弾と化す術。霊力の膨張により、ほんの一瞬だけ、四霊すら上回る肉体強度を得られる。この術で、霊亀を葬る。

 

 

ズドォンッッ!という巨大な爆発と共に、己の身体が弾けた。無論、霊亀と一緒に。

 

 

男「ぐっ…!はぁ、はぁ…!」

 

 

爆発と同時に、すぐさま肉体を修復する。これも四凶の霊力を全て取り込んでいたが故にできる芸当…アイツらには頭が上がらないな。

 

 

霊亀「けほっ、けほっ…!ハァ、ハァ…!」

 

 

……まだ生きてるか。天界最硬の名は伊達ではないか…

 

 

男「…!再生もそこまで万能ではないか…!」

 

 

やはり自爆技にはそれ相応の危険が伴うらしい。俺の肉体もわずかにボロボロ剥がれ落ちていた。このままいけば、俺自身も消滅するだろう。この技はさっき黄龍にも使ったしな。

 

 

霊亀「やめて…これ以上は、やめて…ご主人様…」

 

 

饕餮を殺しておいて、よくもいけしゃあしゃあと…コイツにも黄龍と同じ末路を辿らせてやる。

 

 

男「…饕餮。次はお前だ。」

 

 

饕餮の霊力を手繰り寄せる。そして彼女が生前得意としていた技を発動する。

 

 

男「『大禍吸引』」

 

 

霊亀の前に手をかざし、彼女の霊力を急速に食い荒らしていく。奴の全ての霊力を、このまま喰らい尽くす。

 

 

霊亀「ぐうっ…!あああ…!」

 

 

苦しそうに呻き声を上げる霊亀。清浄すぎる霊力は俺の身体に合わないが、やむを得ない。奴を葬るためだ。

 

 

男「終わりだ…まずは一匹。」

 

 

俺がそう呟いた瞬間、横から何者かの妨害が入る。奴は…

 

 

麒麟「お兄さん…!何やってるの…⁉︎」

 

 

…今度は麒麟か。ちょうどいい、コイツもまとめて滅ぼしてやる。

 

 

男「窮奇の力、まとめてくらえ。『嵐壊針』」

 

 

窮奇の持っていた致死力の極めて高い毒針を雨あられと降らせる。これを防ぐのは至難の業…

 

 

麒麟「くうっ…!全部躱すのは、きつい…!」

 

 

霊亀「伏せて!麒麟ちゃん!」

 

 

霊亀が己の盾を構え、麒麟を庇うように立つ。だが、無意味だ。

 

 

ドオンッ!と大きな爆音が鳴り響く。先ほど射出した毒針を爆発させたのだ。

 

 

本来なら窮奇の針を爆発させることなど不可能だが…暴神・檮杌の霊力を混ぜ合わせれば、なんてことはない。

 

 

さて…果たして、奴らはこの針爆弾の嵐を耐えられるかな?

 

 

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霊亀視点

 

 

いつ果てるかもしれない針爆弾の嵐を盾で防ぎながら考える。

 

 

どうしてご主人様がわたしたちに刃を向けている?どうしてあんな冷酷な目を向けてくる?

 

 

四凶に操られている?でも、そのうちの一人の饕餮はわたしがこの手で倒した…なのに、なぜ?なぜ?なぜ?

 

 

麒麟「玄武…いや、霊亀。わたしはお兄さんを止めるよ。霊亀も覚悟を決めて。」

 

 

わたしの後ろにいる麒麟ちゃんの言葉で、思わずハッとなる。

 

 

そうだ、迷っている場合じゃない。ご主人様を助けるのが従者の役目。それはたとえ、ご主人様から敵意を向けられていようが、変わらない。

 

 

霊亀「ありがとう、麒麟ちゃん…この攻撃を防ぎ切ったら、ご主人様のところに特攻してくれる?」

 

 

現状、ご主人様を止められる手段はそれしかない。わたしたちの中で最速の脚力を誇る麒麟ちゃんに任せるのが、最善だろう。

 

 

本来なら、重力操作でご主人様の動きを止めながら…といきたいところだが、あいにく、わたしはこの攻撃を防ぐので手一杯だ。ここは麒麟ちゃんを信じるしかない。

 

 

麒麟「任せて…必ず、止めてくる。」

 

 

力強く返事をする麒麟ちゃん。きっとこの攻撃も無限じゃない。だから、反撃の機を伺って…!

 

 

霊亀「…!今!」

 

 

わたしは攻撃が途切れたのを見計らって、麒麟ちゃんに短く声をかける。

 

 

獣人体から獣神体へと変身した彼女は、その自慢の駿足でご主人様の元へと駆け寄る。そしてーー

 

 

麒麟「…ッ!が、あっ…!」

 

 

ーー信じたくない光景が目に映る。

 

 

ご主人様が麒麟ちゃんの身体を容赦なく、漆黒に染まった剣で貫いていた…




誰かの力を取り込んで借りるシチュが最高に好きです
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