ヤンデレな神々に愛され過ぎて自由が手に入らない 作:松平 蒼太郎
鳳凰「よっ、ご主人。無事でよかった……って、なんでそんなボロボロなわけ?」
青龍もとい応龍にボコされた俺が部屋で寝込んでいると、朱雀(?)が声をかけてきた。
男「ん、おぅ…ちょっと容赦のないドラゴンに襲われてな……ってお前、今さらだけど朱雀、だよな?」
俺の問いかけに、彼女は笑って答えた。
鳳凰「うん、朱雀だよー。今は鳳凰、だけどね?改めてよろしく、ご主人。」
なるほど、四霊ってやつか。なんというか、四霊になるとみんな垢抜けるもんなのか。ただでさえ、美人だったってのに…
鳳凰「えーと、ご主人?そんなに見つめられると流石のあたしも照れちゃうなー、なんて///」
男「あ、おぅ…すまん、三割り増しで綺麗になってたから、つい。」
正直な感想を告げると、彼女は身体をクネクネさせながら、照れる素振りを見せる…って、なんだ、その動きは。キモ可愛いな、おい。
鳳凰「まぁ、その?なんてーの?ご主人がそーいう気分なら、ちょっとばかし付き合ってあげなくもないけど?」
…大変魅力的な提案ではある。俺だって男だ。こんな美人にそういうふうに言われたら、そんな気分にもなる。しかし…
男「あー、うん…でも、ちょっと身体が疲れてるっぽいし、休ませてもらえると助かる、かな?」
今の俺は不老不死。怪我をすることも死ぬこともないが、その身に受けたダメージは疲労として蓄積する。
無論、応龍にやられた分だけでなく、四凶に操られてた(?)時に受けたダメージもまだ癒え切ってはいないらしい。
すると、なぜか急に不安げな顔をした鳳凰。なんだなんだ、どうした?
鳳凰「ホントに大丈夫?無理とかしちゃ、嫌だよ?」
男「へーきだよ…とりあえず、今んとこは。」
俺がそう答えると、いきなり彼女に抱きしめられる。うぇっ?いきなりどーした?
鳳凰「バーカ…心配したぞ。ご主人がアイツらの手に落ちて、二度と戻ってこないんじゃないかって…敵になったら、本気でご主人を倒さなきゃいけないし…もう気分最悪だよ。あんな思い、二度としたくない。」
…あー、やっちまったよ。女泣かすとか最低じゃねぇか、俺。なんでこうなっちまうかね、ったく…
男「心配かけて悪かったな…できるだけ、お前らから離れないようにするからさ…」
彼女の背中にそっと手を回し、優しくさする。これで少しは安心してくれるとありがたいんだが…
鳳凰「…ホント?ホントのホントに、離れたりしない?」
涙目の鳳凰に真正面から見つめられ、思わず息をのむ。やっぱ綺麗な顔してんな、コイツ。
おまけに頬も赤いし、それでいて涙目とか、破壊力があるにも程がある。流石の俺もちょっと心揺らいだぞ。
男「あ、あぁ…できるだけ、な?たまに外出するのも許してくれたら嬉しい…なんつって。」
彼女の気を紛らわせるように、そんな軽口をたたく…が、それが俺の致命傷だった。
鳳凰「え?何?もう二度と離れないって約束したのに、速攻で破るの?それはいくらなんでもありえないよ、ご主人…」
目のハイライトをオフにした鳳凰に迫られる俺。というか、抱きしめられた状態だから、背骨がミシミシいって⁉︎
男「あだ、あだだ!ちょ、朱雀!ギブギブ!死ぬ!俺、死ぬから!比喩抜きで!」
鳳凰「あはは…ご主人がこの程度で死ぬわけないじゃん。あと、今は朱雀じゃなくて鳳凰。二度と間違えないでね?」
うわっ、ヤバっ。俺の身体、メラメラ燃えてきてんじゃん。俺を灰にする気か、コイツ。
鳳凰「もう二度と離してあげない…たとえ、ご主人が灰になったとしても。」
薄れゆく意識の中、俺は思ったーーあぁ、コイツ、進化してから、スゲー怒りの沸点低くなってんな、と。