ヤンデレな神々に愛され過ぎて自由が手に入らない 作:松平 蒼太郎
なんやかんやあって、天帝になった。どうも、村角鉄之助です。
…いや、どうしてこうなった?誰がどう考えてもおかしいだろ、これ。
鯀「即位式、お疲れ様です、陛下。さ、こちら、お茶をどうぞ。」
鯀があったかいお茶を差し出してくる。おぉ、これは美味い…じゃなくて!
「いや、あの…そろそろちゃんと説明してほしいんですが…なんで俺、天帝になってんの?俺、ただの人間だよ?」
いや、ただの人間というには、多少無理があるかもしれんが。でも、本質的にはただの人間なんだよな、俺。
鯀「あらあら、うふふ…またまたご冗談を。天地大戦を終わらせ、あの悪名高い四凶を撃退した、天界最高の英雄様が何をおっしゃいます。貴方様は、天帝となるべきお方なのですよ…初めから。」
はー、待て待て。何も分かってねぇじゃん、コイツ。
まず、四凶撃退したのは四神だし、俺は操られてイタイ言動しただけだし。
「四神を滅ぼす(キリッ)」しといて、最後ボロ負けしてたから。あの時の黒歴史は、今でもたまに夢に見る。死にたい。
天地大戦に至っては、マジで何もしてない。怪我をした四神の手当てしたら、いつの間にか天界に連れて行かれただけである。
あ、今から誘拐罪でしょっ引いてやろうかな、アイツら。天帝の権力使って。まぁ、返り討ちに遭いそうだから、しないけど。
鯀「さて、陛下…今後の予定ですが、新しく側近になるわたしの仲間を紹介したいと思うのですが…」
…わたしの仲間?新しく側近ってことは、四神はお役御免?
うーん…綺麗な(ボインの)姉ちゃんなんだが、どこか胡散臭いというか…仲間ってのも、何だかきな臭いし…
そもそも俺自身、この急すぎる展開に納得してないところもある。
大体何だよこれ。今どき、エロ同人でもこんな無理やりな導入見ねえぞ。ちなみに、こっそり取り寄せたお宝の同人誌は全部朱雀に焼き捨てられた(泣
「いや、待て。その仲間ってのより、まずはお前のことを知りたい…鯀。」
何はともあれ、まずは情報収集が先決。目の前の女から色々搾り取っていこうじゃありませんか(意味浅
鯀「まぁ…♡ 陛下ったら♡ ずいぶん女性を口説くのに慣れておいでですのね♡ うふふっ♪」
…えっ?ちょっと待って、いくらなんでもチョロすぎない?
自分から言っといてなんだって話だが、なんか本気で照れてるように見える。俺を油断させるための演技、だよな?そうだと言ってくれ。
鯀「かしこまりました…♡ 敬愛する陛下のため、わたしのことをお教えしましょう…夜通し、朝までたっぷりと♡」
そう言って、服を肌け始める鯀。
は?いや待て、おかしいだろ!なぜ脱ごうとする⁉︎ こんな雑な導入、今どきのエロ同人でも見ないっつったろ!教えはどうなってんだ、教えは!
「ま、待て待て!女の子がそんな簡単に肌を晒そうとするんじゃない!話せばわかる!」
鯀「はい♡ ですから、ベッドの上で濃密に話し合いましょう♡ 聞きたいことがあれば、何でも聞いてください♡ できる限り誠心誠意、お答えしますので♡ あ、ちなみに、政治的に得意なのは治水事業です♡ 川の氾濫を抑えるなら是非、わたしをご活用ください♡」
ヤッベ、なんか止まらないじゃん、この子。ヤる気満々でとても素晴らしい。あと、ブラは黒なんだな……って、ちがーう!
「なんで出会って即ベッドインするんだよ!順序おかしくない⁉︎」
鯀「いいえ。まず陛下が行うべきは、側近を手篭めにすること。側近の好感度を上げた方が、政治はやりやすくなる…そうは思いませんか?」
「だからって、初対面同然の女を抱く奴があるか!やっぱお前、おかしいって!」
思わず叫んでしまった俺は悪くねえ。だって、いきなり好感度最大とかある?何かしらのバグが起きてることは間違いない。
そもそもこの状況自体が異常だ。俺が他の女に迫られてるってのに、四神が誰一人、助けに来る気配がない。そう、これは異常事態なのだ。
「あら、他の女性のことを考えるなんて、妬けますね?浮気罪で訴えますよ?」
怖えよ。当たり前のように、心を読むな。俺が死ぬぞ?
「と、とにかく落ち着け。えっと…そう!どうやって俺を天帝にしたか知りたい!」
鯀「どうやって?決まっています、人心を操って、皆が貴方を天帝として崇めるように仕向けました。そのことはすでに、即位式で実感できていることと思いますが?」
…あー、なるほどな。話が見えてきた。
これ、壮大なドッキリ…じゃなくて、多分ガチの方だわ。強大な洗脳能力とか、そういうの。
即位式の後、「徳のある貴方こそが天帝となるべきです!」みたいなことを臣下たち(仮)に言われた。俺が徳のある人って、めっちゃ笑える(笑)
あれも多分、この鯀って奴の洗脳能力に違いない。あと、他にお仲間もいそうだな。四凶みたく四なんとか、みたいな…
「ちなみに鯀に仲間っている?あと三人くらい…」
鯀「あら、よくご存知で。これから陛下の側近となるのがわたし含め、四人おります。それらを総称して、『四罪』と呼びます。」
しざい?資材、私財…いや、四つの罪と書いて、四罪か。
多分、四凶と同じで悪神だな。直球で攻めてこない分、ちっとばかし厄介というか…というかこの状況、俺一人ではどうにもならん。
鯀「…残りの三人のことも気になるようでしたら、すぐにお呼びしますが?いかが致します?」
「お、おぉ、頼む。ちょうど知りたいと思ってたとこなんだ。是非とも紹介してくれ。」
ちょうどいい。このままベッドインする展開になるより、他の奴らのことを知って、どうにか対策を立てよう。俺一人ではどうにもならんかもだけど、最悪、時間稼ぎにはなるはずだ。
鯀「かしこまりました。それでは残りの三人…いえ、一人ずつ連れて参りますので、今しばらくお待ちください。」
ふぅ…意外と聞き分けの良い奴で良かった。なんなら、四神より素直かもしれん。
…などと呑気なことを考えていたら、いつの間にか至近距離に近づいていた鯀に、耳元で囁かれた。
鯀「後でわたしとの濡れ場の時間、きっちり設けてくださいね?へ・い・か♡」
……俺、今度こそダメかもしれない。ほぼ無条件でヤらせてくれる美人に迫られて、耐えられるわけないだろ!いい加減にしろ!
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鯀side
なかなか大した男だな…あたしの色仕掛けに屈しているようで屈していないなんて。これでもかなり堕とせる自信はあったんだけど…
??「よぉ…珍しく難しい顔してんじゃねぇか。何だ?陛下への色仕掛けにでも失敗したか?」
「…共工。何か用?あたし今、すごい気が立ってるんだけど。」
ニヤケ面を晒しながら、あたしに話しかけてくる忌々しい女…こんな粗暴な奴と同じ四罪という枠組みで括られていること自体、気に入らない。反吐が出る。
共工「んな機嫌悪そうにすんなよ…眉間に皺、寄ってんぞ?陛下に見られたら、大惨事だな。」
「…うっさい。アンタにとやかく言われる筋合いはない。ほら、次はアンタの番だから、さっさと行けば?」
コイツは一々、あたしの地雷を踏んでくる…本当にウザい。目的が同じでなければ、速攻殺してるところだ。
共工「へーへー、言われなくても……ボヤボヤしてっと、あたしが掻っ攫っちまうかもなぁ?陛下のこと…」
鯀「…!そんなことしてみろ…アンタから、真っ先に消してやる…!」
殺意と怨念を込めた視線を目の前のクソ女にぶつける。ここまで人の神経を逆撫でしてくるなんて、本当に殺されたいみたい。
共工「へへ…まぁ、そうカッカすんなよ。ちゃんと四罪としての仕事は果たしてくっから…な?」
共工はそう言い残すと、さっさとその場を立ち去ってしまった。ホント、忌々しい女。さっさとこの世から消え失せればいいのに。
「共工…彼をアンタなんかには渡さない…彼はわたしだけのモノなんだから…!」
側近の中で最も寵愛を受けるべきは、このわたし…四神はもちろん、同じ四罪の連中にだって渡すつもりはない。絶対にこの『新帝独占計画』は成功させる…!
女子の悪いとこ全部詰め込んだ感