ヤンデレな神々に愛され過ぎて自由が手に入らない 作:松平 蒼太郎
共工「よっ、陛下。この共工様がそのツラ拝みに来てやったぜ。感謝しろよな。」
コイツも四罪の一人か。てか、仮にも天帝を前に偉そうじゃね?いや、まぁ、これくらいフランクな方が俺も話しやすいんだけどさ。
「あ、おぅ。初めましてだな。共工、でいいのか?よろしく。」
そう言って、彼女に手を差し出す俺。すると彼女も快く握り返してくれた。
共工「おぅ、よろしく……ふーん?へー?なるほどなー…」
あれ?なぜか手を握り返したまま、放してくれない。しかも、めっちゃ品定めするようにジロジロ見てくるし。なんなんだ、一体。
共工「…うん、流石だな。天帝として、これ以上の逸材はねぇ。へへ、なんか嬉しいな、おい。」
…?な、何だ?逸材ってお前、一体俺のどこを見て評価したんだよ。コイツにとっての天帝にふさわしい判断基準が全くわからん。
「あ〜…お世辞でも嬉しいよ。ありがとう。それよりそろそろ手を…」
共工「ん?おぉ、悪りぃ悪りぃ。ちょっと握り甲斐のある手だったもんで、つい。」
そう言うと、共工はあっさり手を放してくれた。よし、今日は手を洗わないでおこう……って、何考えてんだ、俺。
共工「さて…さっきしれっと名乗ったけど、あたしは共工。四罪の一角にて、天界最強の水神。以後、お見知り置きをってな。」
最強?そうなんだ…俺の中の水神最強は青龍なのだが、まぁ野暮なことは言うもんじゃない。最強はいくら自称してようが、別に問題ないしな。
「そっか。俺の側近になってくれるんだったよな?早速一つ聞きたいことがあるんだけど…」
共工「おぅ、何でも聞いてくれ。答えられる範囲で答えてやるよ。」
だから、なぜ上から目線…俺のこと、天帝として本気で敬う気ある?まぁ、いつまでもこの状態が続くわけないから、別にいいんだけどさ。
「四神って知ってるだろ?アイツらをまとめてるリーダー役の黄龍ってのがいるんだけど、ソイツが今、絶賛行方不明でさ。どこにいるか心当たりある?」
そう、いまだに黄龍だけがいなくなっているのが気がかりなのだ。他の四神は即位式で姿を確認済み。黄龍だけが、あの場に存在しなかった。
共工「黄龍?知らねえなぁ…どっか散歩にでも出掛けてんじゃねぇの?それより、どーよ?ここは円滑な側近政治のために、色々語り合わねえか?そこのベッドとかで。」
「あー、うん。それは遠慮しとくわ。一応、許嫁に操を立ててるもんでな。」
秘技・実は許嫁がいますの術。四神にも使ったことはあるが、俺の肉体が一時的に消滅するという憂き目に遭っただけだった。解せぬ。
共工「あぁん?知るかよ、そんなこと。んな奴がいようがいようまいが、あたしが陛下のモンであることに変わりねぇんだからよ。」
…ぶっちゃけ、話は四神より通じる。でも、肝心な部分では絶対譲ろうとしない。これが四罪か。真っ向から悪意ぶつけてくる四凶より厄介だ。
共工「…結論は出せねぇか。でも、迷ってるとこ悪りぃが、あたしは短気なんでな。さっさと手出しさせてもらうぞ。」
「…は?何を……ぐっ!」
身体を玉座に無理やり押し付けられて、迫られる形になる。くそ、コイツ、力強え…!
共工「暴れても無駄だぜ…今のあたしは、かつてないほど、力がみなぎってる。陛下の感じてる罪の匂いが最高すぎてなぁ…♡」
「罪の、匂い…?何だそりゃ…!」
そろそろコイツらの本当の目的が知りたい。単に俺を新帝として擁立するだけが、コイツらの真の目的なわけがない。
四凶のような「形のない悪意を貪ること」みたいな意図があるのか…?俺の感じてる罪って、なんだ…?
共工「いいさ…今はわからなくて。残りはこのままヤりながら、教えてやるよ…///」
そう言うや否や、俺の唇に舌を突っ込んできた。
ズルッ、ヂュパ♡ ジュルッ、ジュルッ♡
そんな擬音語が聞こえてきそうな、濃厚なキスだった…口ん中が、コイツの唾液でまみれて…!
共工「ふふ…/// 無理やりってのも、乙なもんだな、おい///」
頬を赤らめた共工が耳元で囁いてくる。ダメだ、俺…もう限界かもしれない…
勝気でボーイッシュな女の子にこんなエロい責め方されたら、流石に…
??「あら〜?共工ちゃん?陛下にオイタはダメよ〜?」
どこからかのほほんとしたした声が聞こえてきた。
共工「チッ…驩兜。何の用だ?まだあたしの番は終了してねぇぞ?」
驩兜と呼ばれた、どこかほんわかとした雰囲気を漂わせる茶髪の巻き毛ガールは共工に微笑みながら言った。
驩兜「ほら、よく見て〜?時間、とっくに過ぎてるでしょ〜?」
時計を指差す驩兜。共工は不愉快そうに顔を顰める。
共工「わーったよ…今だけは譲ってやる。今だけは、な?」
仲間であろう驩兜とやらにそう吐き捨てると、共工は出て行ってしまった。残されたのは俺と、この驩兜という四罪の一角であろう女。
驩兜「ふふ…それじゃあ今度は、わたしこと、驩兜がお相手します〜。不束者ですが、よろしくお願いしますね〜、陛下♡」
…俺に突如として降りかかった女難はまだまだ続きそうだ。
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共工side
くそっ…あともう一歩だったってのに、邪魔しやがって、あの野郎…
「けどまぁ、いい…さっきので、アイツの心もある程度はこっちに傾いただろ。あとは…」
あたしが残りの四罪を出し抜けばいい。『新帝独占計画』はまだ始まったばかりだからな。
「にしてもアイツ…黄龍のことを気にしてやがったな。奴はもう死んだってのに。」
この事実を話すのはもっと先。今はとにかく、アイツの意識をこちらに向けてもらわねば…そして、アイツの抱える罪の意識を更に増幅させる。
「あたしの手で幸せにしてやるよ…その幸せの中で、ずっともがき苦しむといいさ。くく、ははは…!」
じゃねぇと、新帝として擁立した意味がねぇからな?
前回書き忘れたこと
→鯀が共工を一方的に敵視しているのは、前者が治水事業を担当する悪神で、後者が川を氾濫させる悪神のため。要するに、相反する性質のため、折り合いが果てしなく悪い。