ヤンデレな神々に愛され過ぎて自由が手に入らない   作:松平 蒼太郎

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お久しぶりです。また期間が空いてしまった…だが、わたしは謝らない


新帝即位〜西方の白虎編〜

麒麟の背に乗り、次の目的地に向かう…といっても、先ほどの朱雀との戦闘で、俺の身体はボロボロだ。

 

 

麒麟「…お兄さん、大丈夫?あまり無理しちゃダメだよ…?」

 

 

俺の心の声が伝わったのか、麒麟にそう心配される。あぁ、男として非常に情けない限りである。

 

 

「へーきへーき…それより、そろそろ西の果てじゃねぇの?」

 

 

次に向かうは西の果て…白虎が守る土地だ。

 

 

青龍、朱雀と戦闘が続いたから、おそらく次も戦いは避けられないだろう。なんせ、俺の目的が下界に降りることだし…

 

 

このことを正直に話そうものなら、今目の前にいる麒麟すら敵に回してしまうかもしれない。事は慎重に運ばねば…

 

 

麒麟「そうだね、そろそろ着くよ……ッ、お兄さん!掴まって!」

 

 

ぐぉぉっ!?急に方向転換!?いったい何が…!

 

 

ズドォンッ!と、麒麟が走り去ったであろう場所から爆発音が聞こえた。巨大な霊力弾が着弾した音だ。やっべぇ…!あと少し遅かったら…!

 

 

麒麟「白虎が襲いかかってきてる…!なんでいきなり…!?」

 

 

彼女の言葉に思わず顔を上げると、獣神体でこちらに向かってくる白虎の姿が飛び込んできた。マジか…!

 

 

麒麟「攻撃を相殺する…!『雷鳴招来』!」

 

 

麒麟の宣言と同時に雷雲が生じ、雷鳴が轟く。そして、麒麟の角に落ちた雷が、彼女の霊力と合わさり、白虎に向かって解き放たれる。

 

 

白虎も負けじと口の中に自前の霊力を溜め、砲撃として放つ。

 

 

二獣から放たれた二つの大きなエネルギーが空中で衝突し、とてつもない衝撃波が生じる。

 

 

「…ッ!洒落にならねえな…!」

 

 

思わずそう呟かずにはいられないほどの衝撃であった。

 

 

麒麟の背中にしがみついていたから良かったものの、普通に立ってたら、間違いなく吹き飛ばされていたであろう。全く、怪獣大戦争なんて間近で見るもんじゃないな…

 

 

驩兜「あらあら…ダメじゃない、陛下。勝手に宮廷を抜け出しちゃ…今すぐわたしと戻りましょ?ねっ?」

 

 

四罪の一人、驩兜か…ここで先回りされてるとなると、北の玄武も絶望的になる。ま、だからって諦めるつもりは毛頭ないが。

 

 

「それはお断りだな…俺、天帝とか向いてないし。あと、お前らの悪巧みに加担するのは死んでもごめんだ。てことで麒麟、あのバカ女消し炭にしてくれ。」

 

 

俺は麒麟の背から降り、白虎と話し合うべく、彼女の元に駆け出した。

 

 

麒麟「お兄さん…!もう、また無茶するんだから…!とりあえずは、お前から…!」

 

 

小言を言いながらも、俺の命令通り、驩兜に雷撃を放つ麒麟。やっぱ彼女、ひじょーに頼りになる。

 

 

驩兜「…ッ!わたしの邪魔をするなっ!」

 

 

そう毒づきながら、麒麟と応戦を始める驩兜。よし、今のうちに…!

 

 

白虎「グルル…!グオオッ!」

 

 

白虎は咆哮を上げながら、俺に襲いかかってくる。その速度は尋常じゃないほど素早く、俺は彼女の鋭い爪の餌食に…

 

 

「力を貸せっ…!『朱雀槍』!」

 

 

己の中にある朱雀の力を呼び起こし、実体化する。すると俺の手の中に、朱雀が愛用していた炎の槍が現れ、すんでのところで、白虎の爪による攻撃を受け止める。

 

 

「…ッ!白虎ォ!目ェ覚ませ!」

 

 

俺はそう叫ぶがまま、炎の槍の霊力を最大限に出力し、白虎の身体を炎で包み込む。

 

 

白虎「グルッ!?グォォッ!?」

 

 

流石の白虎もこれには苦しかったのか、炎を振り払おうと、その場でもがく。

 

 

すまん…!ちょっとだけ、我慢しろよっ…!

 

 

「必殺…!豪炎破ッ…!」

 

 

適当な必殺技名をそれっぽく叫び、白虎に炎の槍を突き刺す。そして白虎は爆発四散…

 

 

白虎「ガハッ!ぐっ、うぅ…!」

 

 

…するはずもなく、獣神体から人型へと姿を変える。どうにか変身解除、させてやったぜ…!

 

 

「はぁ、はぁ…おい白虎、生きてっか…?」

 

 

焦げ焦げになりながら、倒れ伏す白虎に声をかける。そのボロボロの姿に罪悪感が沸いてくるが、悪く思うな。襲いかかってきたのは、そっちが先だから…

 

 

白虎「おにー、ちゃん…?なんで、ここに…?」

 

 

「いや、普通に助けに来ただけだが…悪かったな、洗脳を解くためとはいえ、ちょっと手荒な真似しちまって。」

 

 

まずは傷つけてしまったことへの謝罪。普段はこちらが痛い目に遭わされてるとはいえ、それはそれ、これはこれ。白虎は俺にとって、大事な妹みたいなもんだからな。

 

 

白虎「ううん…助けてくれて、ありがと。おにーちゃんのおかげで、今までのこと、全部思い出したよ…」

 

 

「そっか…けど、ゆっくり話してる時間はねぇ。悪いが、今すぐ協力してくれるか?今から北に行って、玄武に会いに行く。」

 

 

ホントはこのまま下界に降りる予定だったんだが…玄武にだけ会いに行かないのもなんか不公平な気がする。何より、単純にアイツのことが心配だ。

 

 

手短に要件を伝えると、白虎はあっさり頷く。

 

 

白虎「分かった…あたしは、どうすればいい?」

 

 

「…麒麟と一つになれ。まずはあそこの、驩兜を振り切る。」

 

 

白虎「了解……麒麟っ!行くよっ!」

 

 

白虎が驩兜と応戦中の麒麟に向かって叫ぶ。それを聞いた麒麟も、彼女の声に呼応する。

 

 

麒麟「…!分かった!こっち!」

 

 

獣神体から人型に戻る麒麟、そして彼女に向かって走り出す白虎。二人はそのまま、お互いの手のひらを合わせ…

 

 

麒麟・白虎「獣神・合体!!!」

 

 

叫んだ二人を中心に、まばゆい光が発せられる。そして…

 

 

麒麟「…合体完了。お兄さん、行こう!」

 

 

白虎を自身の内に取り込み、本来の姿へと戻った麒麟は、俺にそう呼びかける。だが…

 

 

驩兜「…!させるかっ!」

 

 

もはや取り繕う余裕もないであろう驩兜がそれを阻もうと、襲いかかる。しかし…

 

 

麒麟「…無駄だよ。わたしは、貴女より強い。『豪雷脚』。」

 

 

人型の麒麟は、片足に雷を纏わせ、向かってくる驩兜に、カウンター気味に蹴りを放つ。その蹴りは、容赦なく驩兜の腹に突き刺さった。

 

 

驩兜「がっ、あっ…!?」

 

 

驩兜は麒麟の強烈な蹴りを受け、彼方までぶっ飛ばされてしまった。いや、マジで吹っ飛ぶじゃん。普通に死んだんじゃね?

 

 

麒麟「邪魔者は消えた。行こう、お兄さん…『獣神変化』。」

 

 

麒麟は再び獣神体へとその姿を変える。白虎と一体となった姿は、どこかいつも以上に神々しかった。

 

 

「あぁ、頼む…!さっさと玄武のツラ、拝みに行こうか!」

 

 

俺は麒麟の背に跨り、走り出す彼女に振り落とされぬよう、しっかり掴まるのだった…

 

 

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白虎side

 

 

おにーちゃん…あたしのこと、助けにきてくれたんだ…あんなボロボロになってまで…

 

 

やっぱりおにーちゃんはヒーローだ…こんな不甲斐ないあたしのことも、見捨てずにいてくれる。

 

 

これからも情けないところばかり見せるかもしれないし、たくさん甘えちゃうかもしれないけど…おにーちゃんのこと、好きでいさせてね?

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