魔法少女まどか☆マギカ×超・電王トリロジーEpisodeyellow 時間遡行者と時間警察 《凍結》 作:ガルウィング
もっと広まれ~
もっといろんな人に読んで欲しい~
第三話
待って…
「キュゥべぇ…」
待って
「私…」
駄目…
「魔法少女に…」
まどか…
まどかアァ!!
「……ぅあッ…」
ほむらが目を覚ますと自分は横たわっていた。それが柔らかなベットの上ならば何処にでもいる普通の少女の光景だったはずだ。
しかし彼女が横たわっていたのは硬くて冷たい鉄筋コンクリートの上。
彼女が目を覚ました原因も窓から流れる朝の爽やかな風ではなく鉄格子から入ってくる冷たいすきま風だった。
ここは時間警察の収監所。時間犯罪という大罪を犯したものがたどり着く人生の終点。そこにはほむらの他には誰も収監されておらず、聞こえてくるのは風の音とどこからか聞こえる列車の汽笛だけだった。
「さながら¨警察¨という訳ね…」
ほむらは自分が今置かれている状況を理解した。彼女はG電王と名乗る仮面の戦士に敗北し、文字通り「再起不能」になってここに収監されたのだろう。今まで現実味を帯びていなかった彼の話も今なら納得できる。いや、納得せざるを得なかった。
ほむらはまずここから脱出、つまり脱獄することに決めた。まあ今までの彼女からして脱獄という行動は暁美ほむらという人間を知る人なら誰でも意図も簡単に思い付くだろう。彼女はまずこの邪魔くさい鉄格子を破壊するため重火器を取り出そうとする。しかし彼女が持つ重火器は魔法少女に変身しないと使用できない。そのため彼女は魔法少女に変身するためにソウルジェムを取り出す。しかし彼女はその異変に気づいた。
「!?……¨変身¨できない……?」
そう、いくら念じても一向に変身ができないのだ。ソウルジェムに穢れが溜まっているのかと思ったが特に穢れもなく。美しく窓の鉄格子から零れる日の光を反射していた。
では何故…?とほむらが考えを巡らせていると原因は自分からやって来た。
コツ、コツ、コツ、コツ、
足音が近づいてくる。ほむらは足音の方向に目をやるとやがて曲がり角から漆黒のスーツを身に付けた青年が懐中時計で細かく時間を確認しながらやってきた。
ほむらはこの青年が何者なのかすぐに理解した。
「黒崎レイジ……!」
そう、彼女の時間停止能力と多彩な重火器を前に彼女を完膚なきまでに叩き潰した
G電王に変身する青年、黒崎レイジだった。
「どうやら、目覚めたらしいな。この牢獄は特殊な加工をしてあって、こちらで設定した能力を無効化することができる。ここできみは魔法少女にはなれない。」
レイジの言葉を聞いたほむらは眉間にシワを寄せ鬼も圧倒される剣幕で言葉を放った。
「今すぐここから私を出しなさい!私はここで足止めを食らう訳にはいかないの!時間警察だかなんだか知らないけれど、貴方に私を裁く権利なんてない!」
ほむらはソウルジェムを握る手の力を強める。それを見たレイジは胸ポケットから変身の際にも使われたパスを取りだし、彼女に突き付けた。
『黒崎レイジ、時間警察所属のGメンで、主な任務は時の運行を妨げる者を逮捕することだ。君の行動は時の運行を大きく妨げる行為だ。よって君は我々に裁かれる。』
パスの画面に映っていたのはG電王の胸部にもいたあの¨顔¨。
その顔は淡々と目の前にいる黒崎レイジという男について簡潔に説明した。
「時の運行?生憎だけど私はそんなものを乱す気もないし逮捕される筋合いもないわ、第一、あなた何なの?先程から素顔も見せないで」
ほむらが半分今の苛立ちをぶつけるように放った言葉に顔は『おっと』とわざとらしく反応した。
『失礼、私の紹介が遅れた、勝手ながら自己紹介させていただこう。私の名は¨イブMk-2¨レイジのお目付け役兼相棒を勤めさせてもらっている。』
「イブ……?」
ほむらが疑問を口にするとレイジがパスをしまい説明を続けた。
「イブは時間警察が開発した人工イマジンだ。イマジン、という単語に聞き覚えが無いだろうから簡単に説明をしよう。」
イマジンとは、未来の世界から時を超えてやってきた存在だ。元々は彼らは未来の人類であり、自分たちの存在する未来に繋がらなくなってしまったために本来の姿を失いイマジンとなってしまう。
イマジンの目的は、過去を変え歴史を改変することでイマジンが存在する未来に変えることだ。
イマジンは現代…君達が生活している時間にやってくると光の球体の姿で契約者を探し、人間に取りついて契約を迫る。この時に契約者の思い描いたイメージを元に姿を形作る。
契約したイマジンは契約者へ憑依することができる。この時外見が変化したり性格や口調もそのイマジンのものとなり、契約者からは砂がこぼれ落ちる。これを目安に契約者を探すことができる。
契約は願いを叶えるためのものだが、イマジンの真の目的は契約者の過去へと向かうことだ。願いを叶えるのはその過去をイメージさせるためのものなので、イマジンは契約者の本意でなくても無理矢理願いを叶え、契約完了させて過去へと飛ぶ。
そして契約者の思い描いた過去で暴れまわり、時間の流れを破壊する。イマジンが過去で破壊した物や人は現代で消滅してしまうが、イマジンを倒せば破壊された時間が修復され元通りの時の流れに戻る。
「……そのイマジンを人工的に作り、我々の活動の手助けをさせている。このイブがその人工イマジンの第一号という訳だ。」
「……まさか魔女やインキュベーターの他にそんな連中がいるなんて……」
「話が長くなってしまったな。次は君の話を聞こう。」
ほむらは一瞬驚いた表情をするが、まもなく頭を下げて自分のことを話す。
魔法少女のこと。
魔女のこと、
インキュベーターのこと。
友達のこと。
自分が時を繰り返す理由を。
「だから私は今でも繰り返している。数えきれないほど、何度も、何度も。」
「…そうか。」
ほむらの話を一頻り聞いたレイジは何処か悲しい顔をしていた。
しかし、と彼は続けた。
「君がやったことは過去の改編、そこにどんな理由があろうと時間犯罪ということに変わりはない。」
ほむらはその残酷な現実を突き付けられ、涙を流した。いつもは家で一人、枯れるまで流す涙を流した。
「そんな……うぅっ……ああぅ……」
そんなほむらを見て、レイジはなんだか胸くそが悪くなった気がした。
「すまない、これは決定事項だ。申し訳ないが、君は今からここで一生を過ごすことになってしまうだろう。」
ほむらは目を見開いた。本当にそんなことになってしまえば、自分はワルプルギスの夜を倒せない。それは即ち。
まどかとの約束を破ることになる。
結局守れないまま終わるのか。
自分は裏切り者だ。
約束したのに
絶対に救って見せると
ヤ ク ソ ク シ タ ノ ニ
「……すまない、勤務時間だ。詳しい処遇は明日にでも発表される。まずは現実と向き合ってほしい。それじゃあ。」
レイジは左手の懐中時計を覗き時間を確認すると自分の持ち場に戻ろうとする。時間の合間を塗ってほむらに会いに来たのだろう。ほむらはその場に崩れたまま動かず、枯れるまでとまらない涙をながしている。
レイジが曲がり角に差し掛かったとき、ほむらのすすり泣く声がやんだと思ったらほむらは弱々しく目の前の時間警察に言葉を投げ掛ける、
「……けて、」
「……?」
背後から聞こえてきた細い声にレイジが振り替えると、そこには瞼が真っ赤に腫れて、頬に涙のあとができたほむらが何かを自分に伝えようとしている。
「た…けて…」
「…………」
レイジはその言葉を待つ。
しばらく声にならない声が収監室に木霊する。
そしてほむらは叫んだ。
それは今まで一人で戦ってきたほむらからはあり得ない言葉。
だがほむらは求めた。
自分という存在が¨死¨という裁きを受けても
守らなくてはいけない友達のために
自分を¨友達¨と言ってくれた人のために。
ほむらは
「助けてください!!レイジさん!!」
叫んだ。
オリキャラ説明
イブMk-2
暴走したイブの改良型。レイジのことをよき相棒として信頼しており、またレイジも彼のことを信頼している。
またイマジンについての説明はニコニコ大百科様を引用させて頂きました。
本当に上手い人たちは第三者目線の書き方が上手いですよね~
嫉妬しすぎて某バッタ兄弟みたいにやさぐれそうで怖い。
感想、意見待ってます。